◤裏話満載☆『第34回 味ノマチダヤ試飲会』怒涛の潜入レポート!!! #春霞/ゆきの美人/萩の鶴/日輪田/会津中将/永寶屋/弥右衛門/北島/冩樂/篠峯/蒼空/福祝/伯楽星/愛宕の松/村祐/石鎚/長陽福娘/貴/長珍/来福/早瀬浦/南/仙禽/みむろ杉/花巴/日高見/坂巻醤油店/小笠原味醂醸造/一子相傳/みねたから/羽陽一献/磐城壽/土耕ん醸/自然酒/穏 




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 毎度アクセスありがとうございます。


 今年も気ままに思うままに書き上げる当ブログ渾身のレジェンド企画「裏話満載☆『味ノマチダヤ試飲会』怒涛の潜入レポート!!!」でございます。今年も個人ブログならではの過激に素直に恣意的な視点で書きなぐってやる。尚、昨年のレポートはコチラを御覧ください。



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 ▲チケットを手に入れたのは9/20・・・。9月の頭に声をかけてもらっていたのに、旅行の準備やらなにやらでバタバタしていて申し込み期限「9/16」を全く把握してなかったんですが、予備のチケットを譲っていただき、なんとか割り込ませていただきました。アザース!


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 ▲今年はまさかの「金寶自然酒」が降臨。

 ▼「豊盃」と、もう一つどっかの蔵元が参加できなくなり、代わりに「篠峯」が参戦という僥倖 (笑) 。
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 基本的には「日頃マチダヤと取引のある飲食店」&「今後マチダヤと取引を検討している飲食店」限定なんですが、昨年に引き続きマチダヤのK部長の好意により、Not飲食店な素人の個人ながら潜入が許されました。しかも今年はmoukan1973♀の同伴もOKということで、二人でフラっと行ってきましたよ。会場は昨年とは異なり、中野サンプラザの15Fです。



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 ▲天気は曇り気味ですが、Tシャツ1枚でも軽く汗ばむ陽気でした。



2017マチダヤ3379 最近はシャンシャン (シャンパン、シャンパン) うるさい酸ババアなmoukan1973♀ですが、こういうイベントには別のオバチャンパワーが漲るようで、それなりに気合が入ってるようです──♡☺♡「えええ!? イケメンの平井社長 (日高見) は来ないの〜!? じゃあ、薄井にTVを観たこと話そう」←話してどうするんだ問題についての内省ナシ。

 会場には15分前には到着して、さっそくエレベーターで15Fへ。一緒に乗り込んだ10数名中、ほとんどが同じ場所を目指すという大盛況への先読み。よくいるラフな格好の飲食店っぽい30代の♂2人組──よくパチンコ屋なんかに朝から並んでそうな風体──の姿は今年も健在。いわゆるイマドキの日本酒イベントに比べると若干「年齢層はタカーメ」ながら、明らかに20代のニーチャンズ&ネーチャンズもそこそこ見かけました。こういう人たちはきっと飲食店のスタッフ (バイト) かなんかなんだろうね。






裏話満載☆『第34回 味ノマチダヤ試飲会』レポート!!!

 味ノマチダヤ
 http://www.ajinomachidaya.com



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 ▲今年は会場が4つに分かれていて、しかも部屋のサイズも広めの会議室程度なので天井も低く、会場に入った瞬間の、まるで野原に解き放たれた都会犬ような高揚感は得られない。人の声も高い天井からのリフレクション (反響/残響) がないので、そこは「宴会場」というよりは「集会場」のようなサウンド感──不特定多数の他人と「野球場」で試合を観るか、それとも地元民と一緒に「集会場のTV」で観るかの差とはまでは言わないが、音楽派のオレには決定的に何かが足りていない状況ではある。ちなみに「おやじの逆襲」コーナーには「あぶくま」「花巴」「るみ子の酒」「豊盃」「日高見」「巖」「大倉」などがラインアップされていて、蔵元不参加の銘柄 (豊盃、日高見) もあった。


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 ▲提供される酒の詳細が書かれた冊子を貰える。去年の「仙禽 赤とんぼ」のように一般には非公開の数値がシレっと表記されることも多い。


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 ▲今年もまずは仕込み水から。去年と違うのは水筒を持参したことだが、オレはあまり使わなかった。moukan1973♀曰く、根拠は知らないが、♡☺♡「残草蓬莱の仕込み水ウマい!」という感想は誰かの役に立つのか。






 さて、これからあまり時間をかけずにバンバンと記事を更新して行くわけだが、最初に言っておきたいのは、この企画は旨い酒がどれなのかの指針を読者に与えるために書かれるのではないということだ。これだけの酒の量である。基本は「吐き出しスタイル」の唎き酒であり、その酒の正しい寸評にリーチできないことは必然。ただし、逆にそれだけの種類の酒を含めば、その中での相対的な優劣や個人的な嗜好へのフィット感の有無は得られやすいとは言える。

 結局さしてMEMOも取ってないし、改めてリストを見ると「あぶくま」「大倉」「出羽鶴」「阿部勘」など、ちょっと意識の外にあって飲めなかった銘柄も多い。「イントローグ」の最後に──本篇前の最後のジラしとして──、去年の試飲会をヒントに実際にオレがマチダヤで購入した酒のリンク一覧を掲載しておきたい。



▶︎2016年 (27BYシーズン) の試飲会を参考に買った酒の一覧 

【210/3.5万齢 純米吟醸 希 27BY <佐賀>
【213/4.0蒼空 純米 ひやおろし 27BY <京都>
【218/4.0日高見 純米60 短稈渡船 27BY <宮城>
【221/4.5村祐 茜ラベル 特別純米酒 一夏生熟成 27BY <新潟>
【224/5.0冩樂 純米吟醸 羽州誉 なごしざけ 27BY <福島>
【238/7.0仙禽 秋あがり 赤とんぼ 生酛 亀ノ尾 1年熟成 26BY <栃木>
【244/3.0萩の鶴 特別純米 メガネ専用 27BY <宮城>




 ま、試飲してもこの程度の精度ですから。ちなみに「メガネ専用」は味で買ってはいないので、オマケですね




春霞 (はるかすみ) <秋田>

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 ▲あくまでも真摯かつ丁寧に消費者と向き合う姿は試飲イベントに参加する蔵元としてはエクストリームに優等生な佇まい。もしもオレが度を超えたハルカスミスト (熱狂的な春霞ファン) であったなら、彼ほどファンの投げ掛ける熱い質問に満足の行く回答を与えてくれる蔵元もきっと多くはないはずである。



 偶然と必然の織り成す不思議なハーモニーが奏でる記念すべきファンファーレを任せるのに栗林直章 (くりばやしなおき) 杜氏ほど相応しい人物は、少なくとも今回の試飲会においては他にそう多くは見当たらないのではないだろうか。なぜなら、よほどの捻くれ者でない限り、今回のMAPに照らせば、誰もがこのブースをTOPバッターとして迎え撃つからである。

 通年商品の定番「純米吟醸 緑ラベル 美郷錦50」「純米 赤ラベル 美郷錦60」に加えて限定品の「雄町60」を携えて来たが、極普通の自然な味覚の持ち主である多くの人が限られた短い試飲タイムの中で効率良く刹那の旨さに出会えるのは、疑いようもなく「純米 赤ラベル 美郷錦60」である。

「いい甘みですね」とオレが言うと、それを否定するでも肯定するでもなく「酸もしっかりありますので、キレ良く飲めます」とは、酸ヲタであるオレへの宣戦布告か (笑) 。冗談はさておき、栗林杜氏は「甘み」や「旨み」と同じ地平線上で「酸」を語れる数少ない造り手である。残念ながら「純吟」も「雄町」も「赤ラベル」の前では張り合えずに霞んでしまう。そうして新酒の赤ラベル生も旨かったことを想ひ出して大いに合点が行くオレなのであった。すべて一回火入れの生詰。「純米 赤ラベル 美郷錦60 生詰」は買っても貰っても気分を害さない甘み豊かなキュートな1本。お燗でもイケそうな柔らかい旨みの豊満がある





ゆきの美人 (ゆきのびじん) <秋田>

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 ▲ある読者さんの「『ゆきの美人』の小林さんは話が面白いんですよね」というコメントを確かめるのに1分以上を必要とする人間はおそらくこの世にいないであろう。



 音を発しない写真だけの平面世界で見つける小林杜氏は、まるで寂れた商店街のマダム洋品店の主人のようであるが、写真から飛び出した音を発する彼は、溌剌とした人気絶大な数学の予備校講師のようである。少し離れた場所からも何かを熱っぽく早口で語る彼の講義が〝カンタービレ〟の指示に従ってが高らかに鳴り響く。質問者へのその反射神経豊かな素早い回答ぶりは百戦錬磨のクイズ王のようでもある。さっそく読者さんが持ち込んだネタを投げ掛ける。

「僕の知り合いで『ゆきの美人』が好きな人がいるんですけど、一度『純吟クラスで香り系を出してほしい』と言ってました」──。

 すると1秒も間を空けずにこう即答する──「香り系は実は1本だけ仕込んでます。マチダヤさんの試飲会なので大きな声では言えないけど (笑) 『出品仕様』というお酒は香り系で、6号酵母と香り系酵母のブレンドです。生と火入れがあって1月と2月に出します」──確かこれは「純大クラス」だったような気もするが、彼はクイズに正解したような充実感を得ているようだった。用意された酒は「純米吟醸 雄町55」より通常の「純米吟醸 (麹:山田錦、掛:秋田酒こまち) 」の方が味に膨らみを感じたが、小林杜氏以上の魅力を見い出すことはオレには難しかった。たしかに「酸」をしっかり感じる酒造りではあるが、鋭いタンニン風情の酸はオレの中では「渋み」と同義で、格別の陶酔を得ることはできない





萩の鶴/日輪田 (はぎのつる/ひわた) <宮城>

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2017マチダヤ萩の鶴
 ▲「ボクのお兄ちゃんスゴイんだぞー」オーラがオレには見える。



 本当は佐藤曜平氏にいろいろ訊きたかったわけだが、残念ながら不参加で、代わりに弟が来ていた──すみません、存在自体がこの瞬間まで未認識でした。

「弟さんなんですか、似てますね」とオレが言うと「よく似てないって言われるんですけどね」と返すので「メガネを掛けてるところなんかソックリじゃないですか」と重ねると「蔵元全員メガネを掛けてますので」と、この二往復だけでオレとは異なる波長のバイブスを感じていたわけだが、仕方ないので28BYの「萩の鶴」について「酸が出てないし香りがクドいし旨くない」という趣旨の文句をニコやかに伝えると、おそらく彼は<そんなことを客に言われたのは初めてだ!>というような微かな引きつりを表情に隠しながら一応は言い訳をしてくれた。

 簡単に言うと、麹菌などで新たなチャレンジを特にしていたわけではなく、米の処理方法や醪の温度管理などを細かく調整して、あえて酸度を抑える酒質を目指していたそうである。その結果、いつもよりも香りが前に出て甘くなったんじゃないかというのが弟ちゃんの見立てである。

 出品していたのは「メガネ専用」と「日輪田 ひやおろし 山廃純米 (7号酵母) 」の2つで、出来栄えは後者が圧倒的に上。新酒としてリリースされた生酒とは別の仕込みで、最初から「ひやおろし用」に造られたという。そして最後に彼はこう言い放った。「 (28BYの「萩の鶴」の方向性について) でも、自分たちはこれで上手く行ったと思ってるんで」──造った本人が他人よりも自分の酒について無知であることはよくある話だから、彼の所見も、この意味の限りおいては極めて真実に近いとは言える





会津中将/永寶屋 (あいづちゅうじょう/えいほうや) <福島>

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 ▲人前でこそ輝く圧倒的なマンパワーを周囲に放つ統括部長の向井洋年氏は蔵の跡取り娘である林ゆり杜氏 (写真右下) の夫であり、また確かな舌の持ち主として彼のOKの出たものが商品の流通の有無を決めるという。 (参考)



 そういうことに関して他人より圧倒的に興味が向かないオレは、目の前の蔵元さんの肩書きや名前がなんであるか、進んで知りたいと思うことはない。それでも少しの時間で見えてくる (感じることのできる) その人の持つ風情や佇まいに関する情報なら、名刺を一生眺めていてもまるで窺い知れない領域へと踏み込むことができる。

 失礼ながらこの時は名前すら知らなかった向井洋年氏は、明らかに蔵元の娘さんと結婚していなくても別の業種で大活躍していたはずの人であることに疑いの余地はない。たとえばこの蔵元スタイルの半被をヨドバシカメラやヤマダ電気のそれに着替えたなら、間違いなく彼は週末に1人で15台以上の白モノ家電を売りまくるトップセールスマンに変身するであろう。それくらい快活に魅力的でユーモアに溢れたバイブスを感じさせる──そしてもちろん、それが酒であれ冷蔵庫であれ洗濯機であれ、彼ならきっと商品についての説明は誰よりも的確かつ丁寧なものとなるに違いない。


 去年☆5を付けた「永寶屋 純米吟醸 雄町 生原酒 25BY」は1800mlと720mlがそれぞれ200本ずつの限定生酒で、彼曰く「出来たてはどうしても味が乗ってこないので最低でも1年ほど寝かせてから出荷してます」とのこと。オレが「地酒屋こだまで買ったモノは確か25BYの2年モノでした」と言うと、写真のような快活な笑顔とイタズラ小僧のような屈託のない口ぶりで「あそこの店は酷い酒屋さんなんですよ。自分のところの冷蔵庫が狭いもんだからギリギリまで引き取らないんです (笑) 。蔵に残ってる数が少なくなってから連絡すると『じゃあ、下さい』という感じなんです」と言う。

 もはや方々の酒屋で「鉄板扱い」である「会津中将 純米吟醸 夢の香」はまるで〝こしあん〟のようなテクスチャーに「夢の香」らしい上品な甘みが美しく滑らかに乗る清楚だが難解さのまるでない美酒。もはや甘い酒にあまり興味を示さないmoukan1973♀ですら、♡☺♡「旨い!」と思わず言ってしまう。ちなみに「永寶屋」ブランドは県外産の酒米を使ったシリーズで、こちらは県外の特約店向けの商品。なにげに「会津中将」は未飲なので、この機会に買うかな。少なくとも28BYの「廣戸川」よりは高貴なフィネスがある





弥右衛門 (やうえもん) <福島>

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 ▲決してガンガンと前に出ることない堅実で清楚な酒質は佐藤哲野杜氏そのもののようだ。



 オレ自身はシャイな人は好きだし苦手ではないが、きっとシャイな人はオレのような人間を苦手とするだろう。さて、困った。何を言っても──「彌右衛門の別品はマチダヤで飛ぶように売れてましたよ!」──困ったような顔をして小さな声でボソボソと答える (笑) 。だから言えなかった。「彌右衛門」をマチダヤから運んでる途中にチャリで転んだことなど──もしも冗談めかしてそんなことを言ったら、なぜか彼が謝るというミステリーがこの場で噴出することが必至だと思えたからだ。

 今回はすべて速醸タイプの「弥右衛門」だったので、生酛シリーズの「彌右衛門」は飲めなかった。はにかみ気味の表情だが、おそらく彼にとっては「大爆笑」レベルの笑顔ではあるのだろう





北島 (きたじま) <滋賀>

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 ▲昭和流儀のイイ男・十四代目の北島輝人氏──現社長。爽やかな笑顔からは想像もできないほどネガティヴな発言が飛び出す感情のコントラストが楽しい。今知ったけどAB型のてんびん座。2016年の1月の時点で45歳という記事があったからオレの2つ上か。



 恐縮したフリを装って「すみません、北島のお酒は呑んだことないんですが、売り文句はなんですか?」と訊いたら、少し卑屈気味の爽やかな表情を浮かべて「米の旨みをしっかり感じれるキレのいい酒です」と昭和の色男は言う。「生酛 渡船 88 ひやおろし (6号酵母) 」はほんのり熟香の漂う酒で、決してイマドキの日本酒ブームの中でチヤホヤされるような味と香りではないが、お燗や常温でダラダラと何も考えずに飲める、まさにオヤジ仕様の酒質だ。「最近は香りの派手な酒が苦手で・・・」とオレが言うと「自分もそういう酒はあまり好きじゃないんです。でも、こういう酒 (熟成生酛) は売れません。だから蔵にまだ残ってます (笑) 」とライトな自虐を笑顔で包んで言う。

 もう一つの「生酛 玉榮 65 ひやおろし (6号酵母) 」は、これまた十四代目が優しくも卑屈な笑みを浮かべて「日本酒度+18.5ですー」と集まった人たちに説明する──どうだ、飲んでみろ!──と言わんばかりに。ところが実際に含むと喉を焼く辛み (喉ティンコファイヤー) ではなく、どちらかと言うとドライな渋みや力強い着地感として現れるので、別に疲れる酒ではない。しかしお燗で飲むと骨組みだけになって味も素っ気もなくなる。すると「お燗にするとドライになるでしょ〜?」と、これまた卑屈な笑みを爽やかに浮かべるのである。普通は燗上がりして香りや甘みや旨みが膨らむことを誇るのに、この昭和のイケメンは、このギシっと硬直したドライな舌触りが好きなのだと言う。人生の空に漂うネガティブな雲を自虐も含めたユーモアの風で追い払おうとする捩れた心の持ち主に悪い人はいない。誰か買ってあげて (笑)





冩樂 (しゃらく) <福島>

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 ▲moukan1973♀が本人のいない場所で言い放った♡☺♡「ヒゲが似合ってない、森田剛かよ (笑) 」という評価はさておき、今回の参加蔵元の中ではなかなかの異質な雰囲気を醸していた四代目の宮森義弘社長41歳。



 もしも藤子不二雄Aに描かせたなら、まるで信じられないくらい極自然に二次元的マンガ世界にパシっと変換されてしまいそうな山口佳男氏 (写真右下) を杜氏、生れながらの宣伝部長フェイスの宮森義弘氏を純粋な蔵元と思い込んでいた不躾なオレが「今日は杜氏さんは来てないんですか?」と訊いたとき、彼は穏やかに苦笑いしつつも「杜氏は私です」と言った。こりゃあ大変に失礼しました。山口佳男氏は「製造部長」という肩書きが正しいようだ。今ではよく知られた話ではあるが、彼らは小学生からの幼馴染である。

 今回「冩樂」が持参したのは「なごしざけ」の1種類のみ。まずは挨拶代わりに「27BYの『なごしざけ』は最高でした。あと、11月ロットの28BYの『純米 初しぼり生』も旨かったです」とオレが言った時、きっと彼はその僅か1分後にしどろもどろになる自分など、まるで想像できなかったはずだ。「ですが」という不穏な接続詞を挟んだ後にオレが「山田錦生、赤磐雄町生は香りも味も『冩樂』らしさがなくて全然旨くなかったです」と言うと、少し面食らいつつも、彼は「一応、いろいろ細かく設計してやってはいるんですが、今回は少し甘みや香りも出過ぎていたかもしれません」と言った。そして28BYの「なごしざけ」である。含んだ瞬間に思ったのは渋くて硬いということだ。そして、甘みの球体、きらびやかな甘酸の弾けと果実味がまるでない。無駄に飛び出した酸が甘みに寄り添うことなく虚しく痩せ細った味わいを象って行く。

「まだまだ全然硬いなあ」とオレが言うと、宮森社長は「まだ発売までに1ヶ月くらいあるので、それまでには味も乗ってくると思います」と言ったが、おいおい、そんな言い訳がオレに通用するとでも思ってるのか (笑) ?


 とはイエイ、少しギスギスと緊迫した空気をほぐすために歳上のオレが彼に投げたのは、山口佳男氏の話題である。「彼はシャイですよねえ。いろいろ質問してると、まるで僕が尋問してるみたいになっちゃって (笑) 」「昔からそうなんですよ (笑) 」「お二人は幼馴染なんですよね」「そうなんです。子供の頃から『いつか二人で酒を造ろう!』と約束していて、それで自分が蔵に戻ったときに彼を呼び寄せたんです」「じゃあ、最初は酒造りの素人だったんですか?」「そうです」「でも今じゃ一端の醸造家ですよね?」「はい」「それじゃあ、今は第二の青春を二人で謳歌してる感じですか?」「ホント、そんな感じですね」「最後にもう一杯もらっていいですか?」「はい、どうぞ」──ここで瓶が空になったので、運良く口開けを呑むことに成功した。「さっきより甘みを感じますね」とオレが言うと、宮森社長もその場で試飲を始めた。「たしかに甘みを感じますね」「でも、まだまだ硬いなあ」「うーん、そうですね・・・発売までにはもう少し熟成すると思いますので・・・」

 さすがは41歳。どこかの弟とはまるで対応が違う。残念ながら今季の「なごしざけ」は傑作ではないが、彼と過ごした僅かの時間は楽しかったと言っておこう。そして数値だが、今季が「日本酒度:+2、酸度:1.7」で、27BYが「日本酒度:+2、酸度:1.5」である。この違いは飲んだ瞬間に感じることのできる、オレにとっては決して小さくない差である。もちろん、数値を確認したのは今の話だ。

 全く関係ないが、試飲会も終わりに差し掛かろうとしていた時──他のブースでは最後の追い込み中だというのに──、宮森社長はすでに帰り支度を始めていた。さすがは人気銘柄である。もう試飲させる酒がなくなってしまったのだ。そしてオレが気付いてmoukan1973♀にそれを伝えて彼女が投げた──♡☺♡「そのスーツケース、私と全く同じで色も一緒ですぅ」──「だから?」なんて彼が言うわけない。ただ<今日は変な連中に捕まっちゃったな>という顔はしていたと思う──表面的には笑顔で返してはいたが





篠峯 (しのみね) <奈良>

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 ▲どこでどう確信したのかは訊かなかったが、すでに堺杜氏はオレをmoukan1972♂だと視覚的に認識していた。



 これでもオレにだって〝ファン目線〟というナイーブネスはくらいはある。実は今年の6月にfacebookの「メッセンジャー」という機能 (承認制のメールみたいなもん) を使ってmoukan1973♀のアカウント経由 (本名) で「純米吟醸 山田錦 蒼」について質問をしていて、そのお礼がてら「その節は・・・」と挨拶をしたら、まさかの「いつもブログ見てます。とても的確な指摘で勉強になります」という予期せぬカウンターパンチを食らって一撃でKOされてしまった──その場でクネクネと下半身が崩れて行き、「素人だてらに偉そうにスミマセン!」とマットに沈むのであった (TKO負け) 。やはり〝できるオトナ〟はオレに対する攻略法をよくわかっている。

 それでも堺杜氏はオレの劣勢を見るや──なのか!?──「27BYは味が出てなかったんでね (←イヒヒな表情) 」とトドメを刺しにかかる。オレも負けじと「でも、クラシック9と愛山45生は凄くイイ感じに仕上がってます!」と応戦──どうだ、杜氏を前に「篠峯」の27BYを擁護するオレの勇ましさと言ったら! 「愛山 (27BY) は搾りたての時は味が全然出てなかったんでねえ (はんなりテイストの関西イントネーション) 」

 とまあ、ブースも盛況で人が絶えることはなく、そんなにオレばかり堺杜氏を拘束することもできないわけで、途切れ途切れに散漫に話をしたわけだが──試飲会の終了間際の手隙な時間帯にも再度訪れた時の話も含め──、箇条書き的にまとめると以下のような感じだ。



▪︎「純米大吟醸 雄町 参年熟成 26Y」は超限定になる模様で既に売り切れ。
▪︎ここ最近は「参年熟成」も一回火入れで、蔵での熟成温度は5℃くらい。
▪︎「純米大吟醸 雄町 一火原酒」はブレンドで、9号酵母Verは「参年熟成」に回す。
▪︎「田圃ラベル 亀ノ尾 Vert」で使った高グルコアミラーゼ生成の麹菌は来季は単独で使わない。
▪︎明利系はキレイに熟成しないという認識を堺杜氏も持っている。
▪︎28BY的「木香問題」への対応策として火入れに関しては活性炭での濾過も一部で行っている。
▪︎仕込み水は軟水より少し硬度があるくらいで (いわゆる中硬水) 、ミネラル成分は実は少ない。




 というわけDE、すでに下半身が使い物にならないオレが堺杜氏から聞き出せた話はこれくらいのもん。高グルコアミラーゼ生成の麹菌は以前よりブレンドして使っていたようだが、28BYに関してはその単独効果を確かめるために「田圃ラベル 亀ノ尾 Vert」に全面投下したものの、思ったような効果は得られず、来季で同じことは試さないと言っていた。オレが「個人的には28BYの中では『亀ノ尾 Vert』が今のところ一番良かったと思います。甘みもしっかり感じました」と言うと、「酒屋さんでの管理温度でも味の出方は変わるので」と、あくまでも堺杜氏は狙ったような甘みの効果を感じてはいないようだ。まあ、うちに1800mlがありますので、そこんとこ、最終的にどう変化するかのレポートは僕に任せて下さいよ。

2017マチダヤ8篠峯2 意外だったのは「どうしてもミネラルが少ないんで、熟成の進みが遅いんでねえ」と堺杜氏が言っていたことで、オレが「えええっ!?『篠峯』のお酒は他のどの銘柄よりもミネラルを感じますけど」とオレが驚くと「それは米をしっかり溶かしてるからじゃないですか?」という回答。結局、それぞれの原料 (水、米、麹菌、酵母) の複合作用として酒が完成するわけで、何がどのようにどう影響を及ぼし合ってるかが細かく数値として解明されることは、少なくとも今のところはないというわけだ。

 試飲会の終了間際に再訪した際に3人で自撮り記念撮影。某酒屋の店主さん、今回はちゃんと目も笑ってますよ!!!

 そうそう、肝心の出品していた酒だけど、うちの読者さんも「面白かった」とコメ欄に書いていた「生酛 純米 山田錦 無濾過生原酒」の一夏熟成なんかは普通に旨かったな──失礼! moukan1973♀も飲んだ瞬間に♡☺♡「旨い」と。あまり「木香」を感じなかったのはオレから「毒気」が抜けていたからか、酒そのものが丸くなっていたからか、それともそれらの両方なのかを確かめるために買ってみてもいいと思った。

 堺杜氏、お忙し中いろいろありがとうございました。29BYも引きつづき厳しいファン目線で開栓してイキますので、今後とも宜しくお願い致します。うちに27BYの生酒が4種類 (計6本) あるので、それらもタイミングを見て開けていきます





蒼空 (そうくう) <京都>

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2017マチダヤ9蒼空
 ▲実はこのショットは2ndショット。表情が硬かったので「いつもの笑顔でお願いします!」と言ったら「『いつもの』ってどんな (笑) ?」という少し澱みのあるバイブス──アンタ、俺のこと知ってるわけじゃねえだろ的な──で切り返した藤岡正章杜氏。「実は去年も写真を撮ってるんですよ!」と言ったら、ようやくこの笑顔──しかし、この笑顔も長くはつづかなかった・・・。



 今年の試飲会全体の中で薄っすら感じていた些細なノイズ (不穏) ──それは何人かの蔵元の中に〝明らかに機嫌が悪そうな人〟がいたということだ。考えられる可能性としては、おそらく高い順に以下のようなものだろう──もしもそれがオレの思ひ過しでないのならば。



① オフシーズンのイベント続きで単純に疲れている。
② 狭い会場と低い天井がもたらす圧迫感が人の心にAdditionalな開放感という翼を授けなかった。
③ 運営上の仕切りにおいて納得できない点があった。
④ 単なるオレ (moukan1972♂) に対する敵愾心 (嫌悪感/警戒心) 。



 多くの常連読者ならご推察の通り、オレなんかはがあると真っ先に機嫌を悪くするタイプの厄介者なので、あまり偉そうなことは言えないわけだが、酒の席 (試飲会) で出会う不穏ほど肛門周辺を湿らせる空気もない。確かに和やかに顔なじみのお客さんと談笑中にオレが割って入って「まだキビキビしてますね」なーんて言ったものだから、それで少し<なんだコイツ!?>と思っていたのかもしれない。しかしながら、なぜオレがK部長から稀少な「素人枠」を頂いているかと言えば、それは彼が言うには「参加するお客さんはなかなか蔵元に思ってることを言えないので、正直な感想なんかを伝えてくれると来季の酒造りにも気合が入るので」ということなのだ。これを黄金の免罪符とまでは思っていないものの、試飲会なんだから試して感じたことを言うのが飲み手の仕事 (本分) ではあると思うのだ。

 そんな中での写真撮影となり、それでそんな微かな澱みが生まれたんだとは思うが、残念ながら話はこれで終わらない。最後にもう一口ほど呑んでオレが杜氏に伝えたのは「なんか少し粉っぽいテクスチャーが舌に残っていつもの透明感がないですね。あと、まだまだ味が開いてないと思います」ということであり、彼の表情が真に一変したのはまさにこの瞬間で、彼はおもむろに一升瓶を手に取り、その場で自らも試飲を始めた。険しい顔で一口含み、舌の上で酒を転がす仕草を見せる。少しの間をあけてゴクリと飲み込むと、オレの顔を見ることなく、じっと斜め下の方を向いたまま「たしかに仰ってるような感じはありますね」と小さく低い声で言った。そこに去年見せてくれたような朗らかで人懐こい笑顔はなかった。それはまさに戦闘態勢に入った平井組の若頭 (※1) といった面持ちであった。

 唯一の救いは、こうした水面下での緊迫した攻防をまるで知らないmoukan1973♀が、試飲会終了後のアンケートで「美味しかった酒 」の欄に「蒼空 ひやおろし」と書き記したという〝和めるエピローグ〟があったことだ。

 バカ舌は世界を救う── (※2) 。


※1「平井組の若頭」・・・「貴」のゴリと「蒼空」の藤岡杜氏は「日高見」の平井社長を兄貴と慕う弟分的存在。
※2「バカ舌は世界を救う」・・・お酒は嗜好品です。感じ方は人それぞれです。そこの真面目くん、これでいい





福祝 (ふくいわい) <千葉>

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2017マチダヤ10福祝
 ▲笑顔の絶えない外交力抜群の藤平三兄弟の三男坊・藤平淳三氏が常務取締役としてイベントや蔵の案内などを担当しているようだ。まさにこうした仕事に打ってつけの逸材で、10秒も話せば誰もが彼を気に入るという天性の人たらしだ (笑) 。



 自分が笑うことよりも他人を笑わせることの方が多いオレのような性格の曲がった人間にとって、自分が笑うことで他人を笑顔にさせる藤平淳三氏のような圧倒的な外交力を兼ね備えた人物は特に眩しく映る。オレが「実は千葉育ちなんですけど『福祝』を飲んだことがないんです」と言うと、笑ってます。去年の豊盃・三浦文仁杜氏のようなヘラヘラ&ニヤニヤなゆるキャラ風情ではなく、なんとも軽やか&快活な人当たりで、まさに現代人が理想とするべき仕事への心構えの一つであるはずの「楽しく、だが真剣に」の良き実践者である。



 
 ▲1分11秒〜。



 ブルース・リーの名ゼリフを拝借した「Don't Think, Feel ! (考えるな、感じろ!) 」は「山田錦55」と「生熟」という属性だけがアナウンスされているチャレンジ酒で、毎年細かなスペックを変えていると言う。鼻毛そよぐ──飲み手によっては少し苦手に感じる──熟れた果実のような香りはオレの好物の部類で、もう少し露骨に酸っぱくても個人的には全然OKではあるが、開けたてはガスもあると言うし、これは初めて買う「福祝」としても飲み頃の生酒としても手頃 (720ml/1,512円) だと思った。全体には甘口ながらも決して泳ぐことのないカチっとした液性を感じて尋ねたら、仕込み水は「中硬水」だと言う。もしかしたら今の我々の嗜好のコアを撃ち抜く酒がこの銘柄の中にあるのではないかと強く感じた





伯楽星/愛宕の松 (はくらくせい/あたごのまつ) <宮城>

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2017マチダヤ11伯楽星
 ▲ちょっと名前はわかりませんが、蔵人ですかね。ブースは常に人だかりで、今年も限定品の「雄町」は人気の模様。試飲会から戻ったら読者さんが「特別純米ひやおろし」を薦めてくれたけど、ここでは呑んでません。



 我が家とは縁遠い銘柄である「伯楽星」──ブログ未登場──は、実は26BYに「雄町」を呑んでいるものの、その頃の我々は──今もそうだが──「篠峯 純米吟醸 雄町 凛々」や「篠峯 純米大吟醸 雄町 中取り生」が「雄町酒の基準」だったので、なんすか、この味のしない水酒は!?ってなもんで──どちらかと言うと「愛宕の松」派ということもあり──、まるで眼中になかったんですが、去年 (27BY) は少し立ち止まって心でハっとする程度には旨かったので──買わなかったけど──、それで先日の旅行中に仙台の在来線の中で見かけたような若くて素朴でスレてない穢れなき乙女が酒を注いでくれるという僥倖にありつけたことから、少し意地悪して (心の中は決して見せない) 「去年の雄町は美味しかったですけど、今年の出来は蔵元さん的にはどうですか?」なーんて質問したら、彼女ってば、少しハニかんで照れ笑いしながら「今年も美味しくデきタト思います」なーんて予想通りの答えが返ってきたもんで、性根の腐った45歳のオッサンはそれでスッカリを毒気を抜かれそうになったわけだけど、含んだら一瞬で我に返りました。

 少し渋いです





村祐 (むらゆう) <新潟>

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2017マチダヤ12村祐1
 ▲去年と全く同じキャップを今年も逆向きに装着して登場してくれた村山杜氏。しかし今年はこの帽子に何かが付いていた・・・。



 そこに特別のレトリックや謎解き要素を持たせない限り、彼の風貌を見て「清らかだ」と言う人はまずいないはずであるが、一見「ワイルド」なルックスの人物が意外とナイーブでデリケートであることはよくある話で──見た目の派手な若いイケイケ姉ちゃんが実は恋に奥手で純情だとかそういう方向の、ある種のテンプレめいたギャップ感を示す典型的なエピソードと同種──、去り際に彼が「まあ、人は勝手にいろんなことを言うので」とボソっと呟いたとき、真っ先に<杜氏、何を今さら!>と思ったオレにはまだまだ人とのしてのデリカシー (繊細さ) が足りないようだ。



2017マチダヤ12村祐2
 ▲何度か理屈を聴いたけど、最後までよく意味のわからなかった「捨て舎利推進委員会」という概念 (笑) 。



 今年も「村祐」が持参したのは「茜ラベル 生熟」の1本のみで、肩ラベルに「一夏生熟成」と書いてあるヴァージョンが「マチダヤ仕様」ということに──表向きは一応そういうことになっている。大きな声では言えないらしいが、他でこの時期に出回る「茜ラベル」と仕込みは同じモノだと彼は言う──「少し採り方を変えてるけどね」。

 含むと明らかに去年より甘い。「まるで常盤ラベルみたいですね。これは昔からの村祐ファンが大喜びする甘さだと思います」とオレが言うと、喫茶店のマスターは「トキワはもっと全然甘いよ」と、いつだったか全く甘くない青臭いトキワを出しておきながら──去年の試飲会でもそれを認めていた──、そうしてそれぞれのエンドユーザーの口の中に入った糖度の違いなどお構いなしに否定するあたり、彼は人としてとてもナイーブだと思うのだ。あくまでもオレは自分が25BYシーズンの夏に飲んだトキワ (これはちゃんと甘いロット) と比較して言ってるんだよ。「去年とは全然違いますね」「そう?」──とかなんとか、薄っすらオレをウザがる仕草を見せて──下でタバコでも吸ってくれば?──、そして最後に「まあ、人は勝手にいろんなことを言うので」と来たもんだ。あまりに繊細すぎて、ボクちゃん、マスターのナイーブネスについて行けません





石鎚 (いしづち) <愛媛>

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2017マチダヤ13石鎚
 ▲今回の試飲会でオレが接した蔵元の中で一番デカい声でよく喋っていた男、それが越智浩専務 (蔵元杜氏) だ。彼の人柄を示すように顔見知りのお客さんから次々と気軽に声が掛かる。



 今まさに目の前の誰かと話している最中でも、人混みを掻き分けて横から伸びて来る誰かの手に酒を注いでる瞬間でも、方々から顔見知りに声を掛けられ──あるいは自分から知った顔を見つけては「おう、毎度っ!」と間髪入れずに大声で喋りまくるその大男は、決して愛媛県民なら誰もが知る人気激安スーパー「ラ・ムー」の名物社長ではなく、「石鎚」という日本酒を造る蔵元の専務兼杜氏である越智浩氏だ。おかげで酒に対する集中力は大きく削がれ、ただただ彼の「寄ってらっしゃい見てらっしゃい」の連射砲に見とれるばかりであった。

 実は「石鎚」はマチダヤの地酒CUPで定番の純米吟醸を呑んだことがあり、決して印象は悪くなかったものの、なかなか手に取る縁に恵まれなかった。なにげに新宿伊勢丹でも扱いがあり、720mlも気軽に拾えるので、今度じっくり家呑みしてみよう。

来年から1年間『純米吟醸 山田錦』がANA国際線ビジネス、ファーストクラスに採用されます!

 僅かな滞在時間中、オレは少なくともこの台詞を5回は聴いた。きっとこのバイタリティ溢れるマンパワーがあればこそ県酒造組合理事長の大役を任されたのだろう。そして彼はなかなかに品の良いメガネを掛けている





長陽福娘 (ちょうようふくむすめ) <山口>

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2017マチダヤ14長陽福娘
 ▲まさかの2年連続でピンボケ・・・。いや、違う、このモヤこそが彼が放つ独特のオーラ由来の陽炎。つまり、ある意味で「心霊写真」です。そもそも何かの〝霊感〟でもなきゃ、あんなに旨い酒は造れやしまい。



 試飲会の帰り道で「誰が印象に残ったか」という話を振った際、moukan1973♀が挙げた特に印象に残った3人は、♡☺♡「やっぱ『篠峯』の堺杜氏は大人だし『春霞』の人も超イイ人で親切な感じだし、あと『長陽福娘』の杜氏は独特な雰囲気がある (笑) 」ということであり、あとは番外的な意味で某蔵元の次男坊の話題に触れて二人で大笑いした。

 オレが「以前に『純米吟醸 山田錦』についてメールした◯◯です」と挨拶したら、普通なら「喜怒哀楽」の発生によって勝手に動き出すはずの表情筋は基本そのままに、少しだけ上半身を後ろに仰け反せた後、その反動を利用するかの如く柔らくゆったりとした動きでお辞儀をしながら、開口一番「どうもすみませんでした」と岩崎博士は言った。何を謝ったのかというと、酒の出来ではなく「なんかメールがあのまま断ち切れになってしまって・・・」ということについてである。

 さっそくメールのつづきとして「マチダヤオリジナル 山田錦55生熟」がどの時点でBYスイッチしたのかを確認した。細かい切れ目は曖昧なものの、どうやらオレが今年の3月に呑んだ2月出荷ロットは、やはり26BYであった。そして先日呑んだ7月ロットはどうやら27BYで、岩崎教授が言うには、7月の段階では27BYにスイッチしていないという認識ではあるようだが、オレが「味が全然違いました」と言うと、そのへんの認識については多少の誤差もあるということだった──「もかしたらマチダヤさんの方でゴニョゴニョ」。そして肝心なのは、まだこの生熟商品の28BYは存在していないということだ──オレの「これ28BYじゃね?」という邪推は打ち砕かれた。氷温だと1年半熟成でもあんなもんか。飲み頃はまだまだ先だし、今回の試飲会でも少し舐めたが、ただの軽やかなバニラ酒で、コアに宿る凝縮感までは得られなかった。


 相変わらず〝心ここに非ず〟な独特の浮遊感のある人で、オレが何かを訊いても、まるでオレに対して異星人かなにかと話しているようにピントが合わないようで「そういうわけでもないんですが」というようなニュアンスの言葉を小さな声で呟く。

「つい最近、27BYの山口9Eを飲みましたが、最高でしたよ。これこそワールドクラスの日本酒ですよ!」と言っても「 (ああ、そうですか) ありがとうございます (そんなに凄い酒だったかなあ?) 」という感じで、moukan1973♀が♡☺♡「いや、ホントですよ!」と後方支援しても、どこかで他人事のように我々の話を聴いているようにオレには映る──そうしてオレは〝もしもの世界〟における彼との違った形での出会いへと意識をトリップさせるのであった。



 岩崎くんとオレは中学の同級生だったが、性格も正反対で趣味やテレビの話題で意気投合することもなく、同じグループになることもなかったわけだが、ある時、わからない数学の問題があって、いつも細かくノートを取っていて成績も学年トップクラスだった岩崎くんに質問をしたら、彼は表情を変えずに静かな口調で問題の解き方を丁寧に教えてくれた。その時はそれで終わったわけだが、次の日、彼は自分のノートをコピーしたモノをオレにさっと差し出して「よかったら、これに目を通しておくといいよ」と言った。オレが「ありがとう!」と言っても、彼はまるで表情を変えなかったが、「岩崎、おまえ頭イイくせに字が汚ねえなあ!」と言ったときだけは、少しだけ笑顔を見せるのだった。

※すべてmoukan1972♂の妄想です。



 メールでも書いていたが、やはり岩崎少年は「山口9E酵母」で飲み手を唸らせたいという想ひが強いようだった。香り系の酵母で造った吟醸酒はお土産酒として人気で蔵の重要な収入源ではあるが、そういう酒ではなく、山口地酒としてのアイデンティティーを前面に押し出せる「山口9E酵母」に強い愛着がある。

 実際、今回はじめて知ったが、新酒第一弾の人気商品「純米 直汲み 赤ラベル」は「山口9E酵母」を使用している──「辛口 純米 直汲み」は901号酵母。だからオレが去年「山口9E酵母」じゃない方の「純吟」を「旨かった」と言ったら「ん? ああ、あの香り系のやつか・・・」と言ったんだなと、2年がかりでようやくその真意がわかった。「他に山口で9Eを使ってる蔵元はあるんですか?」と訊くと、彼は手のひらをそっちの方に差し出して、小さな声で「あちらの方はほとんど9Eで造ってます」と言った──またこの言い方がなんとも岩崎くんらしいじゃないか!

 最後に意外だったのは仕込み水についてだ。ちょうど「軟水」と「中硬水」の境目である「硬度60」くらいだと言う。オレが驚くと、これまた静かに「そちらに仕込み水があるのでお試しください」と言うだけだ。しかし実際にあらためて飲んでみると、これが非常にミネラル豊富で、カルシウム系の粉っぽさを強く感じる。これがあの粉雪のようなミネラル感の根源かと想ふと、なぜかロマンティックな気持ちになるのであった。

 こうして我々は岩崎社長が「あちらの方」と呼んだ蔵元のブースへと向かった





(たか) <山口>

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2017マチダヤ15貴
 ▲ゴリ・・・。



「長陽福娘」のブースに立ち寄る前、その3〜4mくらい先の視界に入ったゴリ (永山貴博杜氏) を最初にmoukan1973♀が見つけたとき、彼女は♡☺♡「ちょっとゴリ痩せたんじゃないの!?」と、まるで知り合いのように言った──実際には初対面。オレが「本人に『痩せました?』って訊きなよ」と冗談めかして言うと、♡☺♡「もしも何かの病気だったらシャレにならないから訊かない方がいいよ」と慎重な判断。仕込み前のこの時期はイベントなどで出張つづきだろうし、特にここの蔵なら自分で耕してる田んぼのことも気になるだろうし──今年の夏は悪天候だったし──、大事に至らなければいいが、明らかに健康的なダイエット (マッスル仕上げ) とは異なり、まさに萎れたゴリラがそこにはいた。

 というわけDE、少し酒とは関係のないネタを振ってみた。「そういえば、いつだったか奥様とプライベートで飲んでるところが『吉田類の酒場放浪記』に映ってましたよね」「あああ、たまたまですね (笑) 」「あのとき何を飲んでたんですか?」「ビールかなんかじゃないですか?」「いや、たしか日本酒を飲んでましたよ」「だったら大手の安いやつだと思いますよ (笑) 」

 定番の「純米吟醸 雄町50 火入れ」は予想以上に円く甘やかで、そのことを伝えると「1年熟成です」と彼は言った。「貴」はもう少し「酸」の立った味わいだと記憶していたんだが、試飲した酒はどれも心なしか柔らかく大人しかった





長珍 (ちょうちん) <愛知>

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 ▲今年も負けん気の強さと自信に満ちた威勢の良さは健在。さすがは我らが桑山専務。


2017マチダヤ16長珍1
 ▲スミマセン、写真を間違えました。一枚目は楽天のエース則本昂大 (のりもとたかひろ) 投手でした。



 きっと狭い会場がもたらす息苦しさと押し寄せる客の数々に少しテンパっていたのだろう。目新しいカラーラベルのボトルを見つけたオレが「特別純米」と書かれていることから「ラベルの色、変えたんですか?」と訊くと「こちらは新商品になります!」と声を張り上げた。「ください」と言うと「ちょっと待って下さいね! 今順番にやってますんでえー!」と、相変わらずの威勢の良さである。すると弟のようにオレの後ろをついてくるmoukan1973♀が、♡☺♡「なんか喋り方がボクサーの辰吉みたい」と笑った。




 ▲ニイちゃん、ちょい待っててや!



 たしかにこの男、ガキの頃は喧嘩っ早くすばしっこかっただろう。きっとメンコやベーゴマも強くて近所の鼻タレ小僧から根こそぎ所有コレクションをもぎ取っていたに違いない。そして余計な一言 (正論すぎる正論) を大人に向かって吐き捨て、一発殴られるのである──そこに関してはオレとたぶん同じはずだ。

 しかし──である。そんな無敵の桑山ガキ大将にも弱点はある。それはまるで屈強でガタイのいい格闘家が実は脇腹が弱く、そこをくすぐられると、たちまちのうちに床に崩れ落ちてしまう類のものと同種の何かのはずで、オレが次の言葉を発した途端、さっきまで険しい顔で自前の酒の旨さについて熱弁を振るっていた彼の表情が一気に緩んだ。

 このラベルも奥様が貼ったんですか?

そうなんですよ」と専務はクニャっと表情を軟化させた。長珍夫人と言えば、その愚痴満載の愉快なブログが一部の日本酒ファンには有名で、いつもブツクサ言っては、専務から頼まれた雑務と子育てと家事に大忙しなのである。オレが「なんか長珍らしくないカラーですね」と言うと「いつもこんなん (新聞紙) ばっかなんで」とはにかむ。「このカラーなら奥様の評判もいいんじゃないですか?」と畳み掛けると「もうバッチリですわ」と今日一番の笑顔を見せてくれた。

 定番の「特別純米」はタンクで熟成させてから瓶詰めする「常温〜お燗向け」の商品だが、今回のピンクラベルは「フレッシュさ」を残していて、「冷酒〜ぬる燗」で楽しめる酒質に設計していると言う。青ラベルの純米吟醸ともコンセプトは違うようで、あくまでも「特別純米」の「爽やかヴァージョン」ということのようだ。



2017マチダヤ16長珍2



 もう一つ面白かったのは、この「釜湯瓶燗火入れ」という商品 (表現) で──これ自体は昔からある──、文字通り大きな釜に湯を張って、そこに一升瓶をお燗するように火入れしていると言う。普通の「瓶燗火入れ」と理屈は同じだが、まるで擬人化された一升瓶が気持ち良く風呂釜に浸かってる光景が浮かんできて楽しい気持ちになるのである





来福 (らいふく) <茨城>

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2017マチダヤ17来福
 ▲酒が「来福」なのではなく、藤村俊文社長その人がまさに「来福」というビジュアル。



 マチダヤの地酒CUPで何かの純吟を呑んだことがあるが、実は「来福」の酒をマトモに口にしたことはない。今回は軽く通りすがりに「山廃 出羽燦々55」を含んでみた。結構ツルっと甘くて「酸度:2.0」という数値を強く感じなかったものの、特に悪い印象もない。もっと温度が低ければキリっとした酸も感じれるんだと思う。とはイエイ、一体何から買えばいいのか、まるでよくわからない。そういう意味では手始めに「山廃」はアリだと思った。

 正直、記事にするほどのトピックは特にないのだけれど、あまりに藤村俊文社長のビジュアルが「来福」に過ぎたので、この笑顔を載せたい一心で記事にした次第 (笑) 。まさに「歩く来福」であり、それこそ「来福の擬人化」である。この人の身体に触れるとイイ事がありそうだ──握手でもしておけば良かったと、この写真を見て強く思った。「福の神」のコスプレが、たぶん信じられないくらい似合うと思う。赤い半被もすごく似合ってます。シャツの緑と合わせると「クリスマスツリー背景のサンタクロース」と来たもんで、この人は自然とこういう催事感を醸しちゃうんだろうね





早瀬浦 (はやせうら) <福井>

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2017マチダヤ18早瀬浦
 ▲昭和流儀の涼やかな二枚目、12代目蔵元の三宅範彦氏はおそらくオレとタメか1つ上 (2016年6月の時点で44歳) ──。2007年からは自らも酒造りに参加しているようだ。そして今はイタリア人の蔵人も雇っている。



 マチダヤでちょいちょい見かけるものの未だに手に取ったことも呑んだこともない「早瀬浦」。今年は未飲蔵を積極的に回ろうと心に決めていたわけだが、それでもここのブースの前でオレの両足が自然と急ブレーキを踏んだのは、人が持つ典型的な卑しい心の動きがそのブレーキ・システムと勝手に連動したからである。つまり、ここでは「ハイスペックそうな参考出品酒」が試飲できることを、オレはそのプロトタイプ風情のラベルを見るなり、瞬時に判断していたのだ──今年は「悦凱陣」も来ないし、どっかで高そうな酒でも呑みてえなあ。

来年度に創業300年を迎えるので、このどちらかで記念のお酒を造ろうと思っています」と彼が説明した「参考出品酒」には、顔の似た──だがしかし味も香りもまるで異なる「A」と「B」の兄弟がいた。「お客さんの意見を参考にどちらで仕込むかを決めたいと思っています」と言って、まずは「A」を注いでくれた。「ああ、典型的な品評会向けの華やか吟醸の香りですね」と言って含むと、今のオレには<別に>な味である。「こちらは香り系の酵母で仕込んだ大吟醸 (アル添) です」と説明して、次に「B」を注いでくれた。こちらは明らかにモダンな甘酸フレイヴァーが弾けるオレ好みの香りであり、およそ品評会向けだとも、記念酒向けだとも思えないが、意見を求められているわけだから、そこは明るく正直にこう言い放つわけだ──「僕にとってAは面白くもなんともないどうでもいい酒ですね。断然Bが好みです。こっちで仕込む方が野心的だと思います」「Bは純米大吟醸です」。

 しかしながら、彼の表情は昼間の涼やかさから、微かに夕暮れの少し肌寒い風に変わり始めたかくらいの穏やかな変化しか見せず、わずかに勇気の足りない──だが実際には自信に漲る挑戦者が心に秘めた野心を他人から後押しされた際に見せるような熱い高揚感を12代目が自らの表情に滲ませることはなかった。おそらく300周年の記念酒は退屈な「A (大吟醸) 」の方で仕込まれることになるだろう





(みなみ) <高知>

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2017マチダヤ19南1
 ▲見よ、この全身から漲るチャンボツ (お坊ちゃん) なオーラを! 夫婦で畳み掛けるように「なんか表情が硬いな! もっと笑って!」とけしかけて撮影したこのショットが今回の蔵元写真の中では間違いなく最も愛嬌に溢れたものではあるだろう。



 このポチャっと健康そうな肌ツヤのいい笑顔のカワゆい青年が、いつもキャップを被って、少しテンパったような険しい表情であくせくと酒を運んでいた男だとは、少なくともマチダヤの常連でない限りはまるで想像もできないであろう。彼は南酒造場の跡取り息子であり、今年の3月まで酒の流通を学ぶために、約2年間、マチダヤに修行に来ていたのだ。話したことはなかったものの、オレも何度も店で見かけていて、<そういえば最近見ないなあ>と思っていたら、ようやく蔵に戻って、29BYから本格的に酒造りに合流すると言う。そして明らかにマチダヤでの厳しい修行を終えて少しばかり太ったようである。

 オレが意地悪して「マチダヤの修行中で一番ツラかった想ひ出は?」と訊くと、彼は少しギョっと驚いたような表情を見せながらも、オレのニヤつく顔からすぐに冗談だと気づいて、その屈託のないチャンボツ仕様の明るい笑顔を〝嘘臭い真面目顔という引き出し〟に仕舞い込んで「いやいやいや、辛いことなんて全然! 楽しかったですよお〜?」と語尾を上げながら答えた。



2017マチダヤ19南2
 ▲moukan1973♀の手が止まらなくなるほどに旨い、高知の名産「ウツボ」の乾き物。南少年が言うには、地元ではカツオのように「叩き」にしても食べるらしい。



 談笑しながら何となく試飲した「特別純米 ひやおろし 生詰」は少しクセのある熟味が特徴の腰の強い酒ではあるが、上記の「おもうつぼ」をアテに呑むと不思議と米の甘みだけが引き立つ柔らかい味わいになり、同時に「ウツボ」の焦げたようなクセのある苦みまで洗い落とすという、まるで奇跡のようなマリアージュを果たす。「南」の酒はともかく、彼の笑顔と「おもうつぼ」だけは忘れない方がいい──もちろん「彼の笑顔」さえ忘れなければ「南の酒」もまた、決して忘れ得ぬものになるわけだが




2017年の蔵元MVPは「仙禽」の薄井真人氏に決定!!!

仙禽 (せんきん) <栃木>

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2017マチダヤ20仙禽1
 ▲今年は日本を代表するタレント蔵元である薄井一樹氏の弟であり杜氏でもある薄井真人氏が参戦。どうしてこういうショットが撮影されたのか──オレが彼にどう声をかけたのかは忘れたが、この日の彼を端的に表す非常にイイ写真である。ある意味〝奇跡の一枚〟。



 おそらくこれまでにも何度も何度もこういう質問をされては内心で「またかよ」と思ったことだろう。それでもそこは次男坊、決してオレがオレがと兄貴を差し置いて前に出るようなことはしない。だからオレが「今日はお兄さんは来てないんですか?」と訊いたときも、彼は控えめの笑顔で「来てないです」と言うだけだった。

 出品していた酒は去年と同じ「赤とんぼ」の2種。まずは「雄町40/50」の方を試す。香りに違和感。簡単に言うと仙禽らしからぬ「お花畑」があるのだ。オレが「結構華やかに香りますね」と言うと、彼は「雄町は速醸なんで」と素っ気なく答える──少しイヤな感じの人当たりである。

 次に本命の「生酛 亀ノ尾」を含む。ご存知、この酒は27BYで最高評価の☆7を付けた伝説の傑作の最新版である。香りからして鼻毛がたじろぐほどの鋭い酸を感じて舌で転がすとお酢か!な味わい。横にいたmoukan1973♀に「今年はダメだな、お酢だよ」と声をかけると、彼女は含んで♡☺♡「オエええ! ダメだ、これ」と言って顔をしかめた。液性はスリムで透明。去年 (中身は1年熟成の26BY) のような〝まるで食べ物〟な口の中を満たすストラクチャーはなく、ペターンとプレスされた旨みの立体構造である。これ自体は別に悪い属性ではないものの、やはりこれだけお酢のように酸っぱいと少し酒としての表情は冴えないものとなる。

「去年の生酛亀ノ尾は歴史的傑作だと思いますよ」とオレが話を振ると少し表情の緩む次男坊。「最近の仙禽はなんか全体に甘くて軽いんですよね。もっと昔みたいなヤンチャに酸っぱい酒を造って下さいよ」と言うと、意外な答えが返ってくる。「もう昔には戻れないですね」「常に新しいことに挑戦したい感じですか?」「いや、そういうんじゃなくて、あの頃は訳もわからずに無我夢中でやってたので、もう一度あれを造れと言われても再現できないんですよ。とにかく (兄貴が) 『酸っぱい酒を造れ、酸っぱい酒を造れ』ばかり言ってたので、それで『とにかく酸っぱければいいんだな!』みたいな感じで (笑) 。でも、自分が酒造りを学んだ場所では酸っぱい酒はダメな酒だと教えられるんですよ。それでも 『酸っぱい酒を造れ』と言われて・・・」──どんどん彼の表情は呆れ顔が半分混じったようなバランスで緩んでいく。



2017マチダヤ20仙禽2
 ▲「これ、なんのラスクだと思いますか?」「なんだろう」「実は味噌なんですよ」「さすが仙禽、アテもいちいち洒落てんなあ!」「ありがとうございます (笑) 」



ジョー豚ズラ 要するにオレのようにヤンチャに酸っぱい酒を「仙禽」に求める飲み手にとっては極めて悲しい事に、もうああいう味や香りの酒は造りたくても造れないのだと彼は言う。彼はつづける──「ようやく10年くらいを過ぎたあたりから酒造りが見えて来たと思うんです。今は酸っぱいは酸っぱいでも、旨みを出すにはリンゴ酸、夏酒にはクエン酸というように、それぞれを使い分けることができるようになりましたし、やはり、それぞれの酒の再現性 (毎回狙った通りに同じ酒を造る技術) を高めたいという気持ちもあります。最近の仙禽は甘くなったねって、お客さんにはよく言われますが、まあ、昔みたいな酒はもうできないんですよ」。

 たとえばマンガの世界で言えば、ボクシング漫画の名作『あしたのジョー』で作画を担当したちばてつや氏は、若い頃に描いたジョーの顔を今ではもう二度と同じように再現できないことを、事あるごとにインタビューなどで答えている。無我夢中で骨身を削って全身全霊で描いた野良犬ようなジョーの顔を、その後、漫画家としてのキャリアを積んだからといって、技術と経験だけで再現することは無理だと言う。おそらく彼の言ってることもこれと同じなのだろう。

 彼のどことなく投げやりで──それでも真面目で正直すぎる口ぶりに我々夫婦は大笑いするしかなかった。つくづく腕白で向こう見ずな兄貴に振り回される弟という感じで、オレが愛した「仙禽」は、そんなヤケクソの彼が五里霧中の森の中で偶然に出会った、決して自らの手に掴むことのできなかった「青い鳥」だったのかもしれない。

 最後にどうでもいいトリビアだが、彼の下にも弟がいて、三男は消防士だと言う。「それにしてもお兄さんと似てないですよね?」とオレが言うと、彼は気怠い笑顔を見せながら「いつも親からは『どっちかは橋の下から拾ってきた』と言われて来ましたよ」と屈託気味に答える。ちなみに三男坊は彼と兄貴のハイブリッド型で、どちらにも似ているという。彼同様に三姉妹の真ん中であるmoukan1973♀は大いに共感を得たようで、しきりに♡☺♡「弟、いいわ〜」と言っていた。もしも今度どこかのイベントで兄貴を見かけたら、そのときは必ずこう言ってやろう──「今日は弟さんは来てないんですか?」。

 オレから読者の皆に言えることは一つ。今キミの目の前にある「旨い!」と思った酒は常に夢幻


※今年の「ナチュール」は「5」までで、彼曰く「酸っぱいのは4と5ですかね」ということである





みむろ杉 (みむろすぎ) <奈良>

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2017マチダヤ21みむろ杉
 ▲1983年生まれの若き十四代目・今西将之氏は日本酒界の「氷川きよし」としても有名 (嘘) 。



 ある意味で強く記憶に残っているのは、彼が何度も何度も酒の価格を売り文句として繰り返し口にしていたことである──この表情で。「この純米吟醸山田錦は当蔵の看板商品です。一升瓶で2,700円 (税抜) です」──こういう台詞の意図をあまり正しく理解できないオレのような人間からすれば、別に本当に旨ければ3,000円だろうと4,000円だろうと平気で出すという感覚だけが内から沸き起こるわけだが、造り手からすると「安いのに旨いでしょ?」とでも言いたいのであろうか。

 自信があるのかないのか少し判断に困る彼は、写真の中でも多分にハードボイルドな (何を考えているかわからない) 表情を醸し出していて、これで彼が少し損をしていると感じるのはオレだけだろうか。その味が値段に相応しいかどうかは消費者が決めることで、その安さやコスパを売り文句にして生えるのは、少なくとも造り手ではないような気がするのだ。酒そのものは一定以上に旨いだけに、なぜか彼の売り文句だけが安っぽく聴こえてしまうところは非常に残念である





花巴 (はなともえ) <奈良>

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2017マチダヤ22花巴
 ▲どこからどう見ても、そして実際に話していても吉本興業のアンダーグラウンド芸人 (関西エリア以外では無名) にしか見えない蔵人さん。「いやいや、わたしは (杜氏の) 父親ではなく、ただの蔵人です。彼は今日も西武さんの方で頑張ってるんちゃいます?」──名前はわかりません。


2017マチダヤ_オヤジの逆襲
 ▲去年もあって、よくそのコンセプトは知らないんだが、ちょっと離れ小島のミニコーナーようなカテゴリの一角、それが「おやじの逆襲」という理解ではいる。去年はエントランスロビーのような手前の広場で出品していたが、今年は「仙禽」や「みむろ杉」などと同部屋の「Dエリア」にて開催。ここでは食品 (醤油/みりん) なども出品されていた。



 最後の部屋「D」に入ったら「あれ?」と思って、後で訊いたら「花巴」はこれがマチダヤ初登場で、これを機に正式に扱いを始めるそうだ。飲み手を選ぶ臭い酒「水酛 純米 (日本酒度:−5、酸度:5.0) 」をmoukan1973♀に飲ませたいから立ち寄った。ちなみにオレはこの試飲会の直前に池袋西武で試飲済みである──なんか27BYよりクセが強く出てるなあ。

「これ、香りは完全に臭い系のチーズだから」とオレが言って嗅がせると、♡☺♡「うわっ、ナニコレ!?」と思わず笑い出す。「刺身には合いません!」と芸人さんがシタリ顔で説明する。ところが、含むと案外スッキリ飲めてしまうのは、エポワスなどの臭いチーズや納豆がそうであるように、香りと味の情報を必ずしも人間の脳が直列で解析しないからである。オレ自身は納豆は好きだが、食べる前に冷静に香りを嗅いだなら、いつもこう思うわけだ──「なんでこんなババアのムレた足の臭いみたいな食い物を口に入れたりするんだ、人間は!?」。

 ♡☺♡「でも、飲むとたしかに意外とスッキリ!」「濃い味の料理に合います!」──しかしこの人、本当に売れない芸人で、仕込みの時期だけ蔵元でバイトしてる人なんじゃないかと思えて仕方なかった。楽しい時間をありがとうございました。メガネが曲がってるので要フィッティングですが、またそこが芸人っぽくて (笑)





日高見 (ひたかみ) <宮城>

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2017マチダヤ23番頭
 ▲他の蔵元に混じって誰よりも目立っていた味ノマチダヤの番頭こと、印丸佐知雄氏。イベントの企画だけでなく、蔵元全体へのコンサルタント的な働き掛けも行う。今では知られる存在となった「夏酒」というジャンルも、元々は彼が広めるキッカケを与えたことはあまり知られていない。[出典



 これは番頭さんの名誉のために言っておくが、moukan1973♀が、♡☺♡「えええっ〜!? イケメンの平井社長は来ないのぉ〜?」と露骨にガッカリしたのは、なにも彼の顔を見たからではない。「日高見」と「豊盃」が参加しないことは事前に知っていたのだ。それでてっきり呑めないと思っていたら、なんと「おやじの逆襲」コーナーで普通に振る舞われているじゃないか。そういうわけで、今ではあまり店に顔を出すことのない印丸氏が欠席蔵の酒をこの一角で注いでいたのだ。

 歴3年を過ぎても未だに日本酒マスコミそのものに全く興味の持てないオレが「蔵元さんですか?」と、この有名人に対して失礼な事を言ったとき、おそらく彼は陽気な笑顔の仮面の奥で<オレを知らない輩がまだまだいるのか>と思ったに違いないが、結果的にこれは彼におぼえめでたい優しいアクシデントとなった。なぜなら、後日マチダヤに行ったら彼がいて、向こうからオレに挨拶──「先日はどうも!」──をしてくれたからだ。どうやらオレは覚えられてしまったようだ。

 去年同様「純米60」の「短稈渡船」と「山田穂」が用意されていたが、今季は「山田穂」の方が断然いい。「短稈渡船」は渋くて酸っぱくて硬い。しかしオレが気に入ったのはマチダヤが自前で生熟させた「純米吟醸 山田錦50 アモル・ウエールス (新酒シーズンの搾りたて商品) 」で、様々な人気黄昏蔵が過去に置いてきた、熟れたマスカットのような果汁感がある。とはイエイ、生熟系の香りもそこそこ出てるので、苦手な人は避けた方がいい。1800mlのみ





坂巻醤油店 (さかまきしょうゆてん) <埼玉>




2017マチダヤ24醤油
 ▲まさか自分が写真撮影を求められることになろうとは想定外だったようで、おそらくは<いやいやいや、こんなおばさんを写しても面白くないですから!>的な照れからだとは思うが、結果的にミステリアスな──だがしかし飛び切りチャーミングな写真となった彼女の名前を、オレは知らない。



 たしか去年も「食品コーナー」そのものは存在していたわけだが、メイン会場とは別の小部屋だったので、そもそもそこに入ることすらなかった。ところが、今年は会場が狭い4つの部屋に分けられるという、華やかな一体感を演出するイベントとしては少しマイナスの、この悪条件が逆に功を奏した。それらが酒と同じフロアにあるのなら、せっかくだし試すかという話になるのだ。

 小さな試食用の四角い皿 (スーパーの試食コーナーなんかでよく見るシルバーの皿) にスプーンでプリンのように掬った豆腐がピットインし、2種類の醤油で味見をするわけだが、彼女が「少し残しておいて下さい」と第二陣の予告をしていたにもかかわらず、横にいたもう一人のおばさんは一口でその小さな豆腐を平らげた。♡☺♡「あれ? 全部食べちゃった・・・」──だから2種類の醤油を試すんだから、半分残しておくんだよ、その小さな小さなカワイイ豆腐の愛のカケラを!

 オレは2年熟成の「甘露醤油」が気に入った。今度買おうと思う





小笠原味醂醸造 (おがさわらみりんじょうぞう) <愛知>




2017マチダヤ25みりん
 ▲実はメインキャラクターは彼女の横にいた声のデカい八百屋の店主のような、しゃがれ声のドスコイ紳士だったが、忙しそうだったし、せっかくその隣に可憐な乙女がいるんだから、あくまでもオレは彼女を撮る!

 ▼ (たぶん間違いなく) 社長の小笠原和哉氏。

 photo: 職人醤油ストア



 オレのような文芸的策士 (レトリシアン) にとって、小さなモノをより大きく見せたり──またその逆も然り──、平凡なモノを特別な何かに仕立て上げることほど頭を使わないことはない。文芸的レトリック (修辞) とは、真実にとっても嘘にとっても、常に過剰なレバレッジ (てこの作用) になる。だからオレが小笠原味醂醸造の「みりん」を「そのへんの甘口の日本酒より旨い」と書くことは、穿ち気味の慎重な読者にとっては、逆にありのままの真実をより小さく見せてしまうかもしれない。しかしながらそうした一部の賢明な心配をよそに、これは大いなる真実である。

 醸造用アルコールを使用した「みねたから」よりも、本格焼酎をベースに使用した「一子相傳」の方が日本酒との親和性は高い。甘さ控えめのバニラアイスにそのまま掛けても旨そうだ。ここの味醂はどれも加熱処理をしていない「生詰商品」と説明されているが、要するに日本酒で言えば「生酒」ということになる。人気の「貴醸酒」とどっちが旨いか、並べて味クラーヴェしても面白いと素直に思えるし、ゆえに甘口派の日本酒ラヴァーが覚えておいて決して損はない。そしてALC.度数も普通に13〜14%あるので、ちゃんと酔える (笑) 。

 当日は味醂だけでなく、これを使った「めんつゆ」の試飲も行っていて、またこれがめっぽう旨いと来たもんだ





羽陽一献 (うよういっこん) <山形>

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2017マチダヤ26羽陽一献
 ▲いかにも酔ったオレが夜の地下鉄の車内 (@東西線「中野駅」) で寝ていたら「これ、終電で『西船橋』方面に戻りますよ」と優しく声をかけてくれそうな高橋義孝氏は、ネクタイをしているということもあるが、ある意味、今回の蔵元の中では最もサラリーマン風情のある、どことなく悲哀に満ちたぎこちない笑顔が印象的だった。オレはカメラマンとして──目の前のこの小さな笑顔が彼らしいサイズに感じたのであれば、これ以上の顔の歪みを彼に要求したりはしない。



「仙禽」や「みりん」や「醤油」が出品されている「Dの部屋」を出たオレは、それでもまだ少しだけ時間があったので、なんとなく「Aの部屋」に帰ってきた。そこにmoukan1973♀が合流したので「みりん、飲んで来なよ」と指示を出し、戻った彼女が♡☺♡「たしかにアレ旨い 」と笑顔で報告するまでの何分かの間、オレは「純米大吟醸 醸心 雪女神40」を飲んでいた。

「雪女神 (山形酒104 号) 」は2年前に品種登録されたばかりの山形県オリジナルの酒造好適米で、山形の蔵元としては「山田錦」ではなく「雪女神」で出品用の (純米) 大吟醸を仕込みたいという想ひが強いようだ。「米鶴」でも試験醸造を開始しており、中でも「白露垂珠 純米大吟醸 雪女神」はすでに2年連続で「全国新酒鑑評会」で金賞を取っている。「羽陽一献」もこの「醸心」で金賞を取りたいと言う。実はここの蔵人もかつてマチダヤに修行に来ていたことがあり、そのことを振ると、彼は遠い目をしながら「なんかそうみたいですね、14〜5年前くらいの話ですかね」と小声で答え、まるで一切の関心を示さないような、横に小さく捩れた表情筋が辛うじて笑顔の輪郭を作ったに過ぎなかった。

 オレがこの手の華やかに香る王道大吟醸を試飲以外で呑むことはおそらく今後もない。「飲んで旨い酒」と「造り甲斐のある酒」との間には、特にエンドユーザーという視点をそこに据えれば、ますます大きな乖離が生まれるということを、蔵元たちはもっとシリアスに認識した方がいい。特に贈答品としての高額商品の意味を、贈る側も貰う側も──売る側だけが腹黒くほくそ笑む──、そのほとんどが正しく理解していないということは、かりにそれが何かのコメディだとしても、決して朗らかに笑える何かではないだろう





磐城壽/土耕ん醸 (いわきことぶき/どこんじょう) <山形>

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2017マチダヤ27磐城壽
 ▲物静かな佇まいと穏やかな語り口が印象的な鈴木大介氏は我々と同世代 (2016年07月25日の時点で43歳) 。元々は福島の酒蔵だったが、東日本大震災後で全てを失い、今は山形県長井市で再出発を遂げている。[参考1][参考2



 仲間と車座になって一升瓶を真ん中にドンと置いて湯呑みで酒を酌み交わす──そんな風情の中でこそ輝く味わいだ。冷酒?──なにを野暮なことを。山廃仕込みの二回火入れ酒「土耕ん醸 純米 五百万石65」は、常温でダラダラと飲み、気が向いたらお燗にすればいいだけだ。買ったことも飲んだこともないこの銘柄を、さんざぐるぐる回った後に口にできたことは何かの縁なのだと思う。イマドキの日本酒ブームの中心で「旨い!」を叫ばれる酒ではないが、このタイミング、この出会いの中で含むその山廃純米に、なぜか心癒された。嫌味のない透き通った素直な旨口ではあるが、優しい甘みと山廃ライクなキュっと舌を締め上げる酸が何とも心地良い。

 彼とはシリアスな話など何もしなかったが、じんわりと何かの伝わる、静かに熱い魅力的な男である。オレのようなガチャガチャと小うるさい才気走った不良中年と馬が合うとは思えないが、彼と同じ空間で同じ時を過ごすのなら、この才気をさっと隠して、どこかに仕舞っておこうじゃないか。

 これからの寒い季節、こういう一升瓶が常温の暗闇にプールされていると、それが頼もしく感じられる夜が何度も訪れるに違いない。買ってしまおうか──と考えている





自然酒/穏 (しぜんしゅ/おだやか) <福島>

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2017マチダヤ28自然酒1
 ▲日曜の朝、戸山公園をジョギングしてる時に知り合ったどこかのオジさんではない。なぜなら、オレにジョギングの趣味はないし、彼は仁井田本家の営業部長の内藤高行氏だからだ。



 この世に何人かいると言われているオレのブログの熱心な読者ならば、オレと自然酒の関係こそが不自然極まりないと言って笑うだろう。誰か教えてくれ。なんでこの酒が今うちの冷蔵庫にピットインしてるんだ!?──まさか今回の試飲会経由で買った酒の第一号が「自然酒 生酛 純米吟醸 直汲み別誂え 無濾過生原酒」だとは・・・。 (※オレと自然酒の不自然な出会いの詳細は右下の夏目雅子の写真をクリック!)

 決してこの笑顔に騙されたわけではない。今回の試飲会全体を通じて不意に感じたことは、酸大王であるオレの味覚が上機嫌になったその酒が、どれもこれも甘みの表現力にチャーミングな横顔があったということだ──「福祝 Don't Think, Feel !」や「日高見 純米吟醸 山田錦50 アモル・ウエールス 生熟」などは、まさにその典型だろう。

 こうした現象の本質について立ち止まった洞察をするのは今が初めてだが、おそらくもうオレは、酸の表現力においては、知らず知らずのうちに何かのニヒリズムに感染しており、余程のことがない限り、酸経由で酒に対して感動することが不可能になっているのかもしれない。そしてそれは、ある種のONとOFFでもあるのだろう。

 要するに今回の試飲会においては、そもそも最初から酸の出方で感動することを放棄していたかもしれないのだ──シャンパーニュも含め、今うちにある酸ファイヤーな酒よりもイイ酸の出てる酒なんかあるわけがないというニヒリズム。そうであればこそ、ふとした拍子に甘い酒に心奪われてしまうという〝皮肉のにわか雨〟が降って来るわけなのだ。酸プロの休日、酸キチの浮気、酸バカの出向、酸星人の甘惑星旅行、酸クルナイサ、甘クルイイサ。



2017マチダヤ28自然酒2



 さすがに疲れていた──たしかにそうした肉体的な悪条件が左右していたかもしれないことに関して声高に否定する気はない。それでも最後の最後にオマケで試飲したこの酒が今日の中で一番旨いと感じるとは、改めて人生とは皮肉の集積であることを思ひ知る。

 酔った勢いと自分で自分がわからないという虚無の暴走により、失礼にもオレは「意外に」という言葉を何度も繰り返していた。それでも陽気で親切な内藤さんは笑顔で応えてくれた。「自然酒」が全量生酛になったのは26BYからだと言う。最初は「速醸」で、それから「山廃」でも造り、ある時、社員を全員集めて「速醸」「山廃」「生酛」の3タイプで仕込んだ酒を並べて皆で試飲して投票したらしい。それで「生酛」が一番旨いという結果になり、晴れて「全量生酛」に切り替えたのだと言う。「数値は同じでも味わいが違って来るんです。速醸の時よりも甘さがダレなくなりました」と陽気なマラソンマンは朗らかに説明してくれた。



2017マチダヤ28自然酒3



 ♡☺♡「旨いな (笑) 」dಠಠb「意外に飲める・・・」──オレは内藤さんの前では常に〝意外の権威〟になっていた。「自然酒は苦手意識がありまして、今日も飲むつもりはなかったんですけど、最後の最後に飲んだら意外にイケたんで自分でも驚いてます。すみませんね、いちいち『意外に』ばかり言ってしまって (笑) 」「いえいえ、ありがとうございます (笑) 」。

 すると、もう試飲会もお開きという頃合いになったギリギリのタイミングで若い女の子が慌てて飛び込んで来る──「今日飲んだお酒の中でこれが一番美味しかったので最後に飲みに来ました!」──おいおい、オレの味覚は女子か!?

 これで☆4.5以上が点灯しなかったらオレもブログ引退かな (笑) 。300本限定で10/3より出荷は始まっている。甘いは甘いが、透き通った酸がその甘さにクッキリとした輪郭を与えている。そして何より、液性にクドさと重さがない。さあ、どうする? オレと一緒に当たりに行くかい?


moukan1972♂moukan1973






日本酒

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To ぽんちゅうさん



毎度です。


──僕は少量を利いて「うぅっ、美味い!」と思った酒を購入して「えぇ!イマイチ」ってことはナイですね。「ん、ん~惜しい」と思った酒は購入して、異条件で「おぉ、美味っ!」/「うわ、やっぱりダメだった」てことはありますが。

確かに (笑) 。一升瓶の残り少ない、そこそこ温度の上がった状態でも「線」で飲めたので、他の「自然酒」よりはスリムという印象です。ま、うちのブログ的には〝ネタ〟ということもありますが、実際、あれこれ飲んで「どれを買う?」という話になった時、まあ今回はこれが一番興味深いカナートという感じです。


──僕なら『金寳自然酒』にある飴というか蜜っぽさを楽しむなら『勢正宗』飲むかなぁ。

飴は飴でも舌に焼き付く「わた飴」な収縮性のある甘みなので、そこは生酛属性はあると思います。「勢正宗」は飲んだことないですが、チラっと検索したら、なかなかに愛嬌のある酒のようで (笑) 。


──“酸”を修めてしまった感があれば、ゆうほのあか28BYをぜひ。少なくとも、今の米鶴山廃純大生28BYに対して、ピンポイントでは劣る部分はあるけど、優劣は明確かと思います。

ちょいちょいネットで拾えますが、仕込みに「28号」と「29号」があって、それぞれアプローチを変えてるみたいなので、明日以降、酒屋に問い合わせてみます。明白に仕込み番号を明示してる店が少なく──売れ残ってる店に限って──、そのへんは相変わらず欲しい情報を開示してくれないイライラがありますね。

「米鶴 山廃純大」はフレッシュ・コンディションが基準なので、遊穂は遊穂で初呑み銘柄なので、個別に楽しんで行こうと思ってます。

2017.10.11 Wed 23:58
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Name - ぽんちゅう  

Title - 祝☆完結

まさかの(答え先出でしたが)自然酒サイコーってのが面白いですね。
アルコールの影響で血糖値が低下して甘味を好ましく感じた可能性も示唆されますが、多種を飲むと相対差がハッキリして「好き!」がハッキリしたのだと思います。
僕は少量を利いて「うぅっ、美味い!」と思った酒を購入して「えぇ!イマイチ」ってことはナイですね。「ん、ん~惜しい」と思った酒は購入して、異条件で「おぉ、美味っ!」/「うわ、やっぱりダメだった」てことはありますが。
僕なら『金寳自然酒』にある飴というか蜜っぽさを楽しむなら『勢正宗』飲むかなぁ。

“酸”を修めてしまった感があれば、ゆうほのあか28BYをぜひ。
少なくとも、今の米鶴山廃純大生28BYに対して、ピンポイントでは劣る部分はあるけど、優劣は明確かと思います。
既に殆ど売ってるところがないのですけれど。

“『遊穂』ゆうほのあか生酛純米吟醸生原酒【29号】28BY”を利きながら。




2017.10.11 Wed 23:28
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Name - moukan1972♂  

Title - To pukuichi1965さん



毎度です。

仙禽「お酢とんぼ」人気みたいですね。やっぱ「買うのはちょっと・・・」な人が外呑みで軽く一杯というアプローチで結果的に人気でしょうね。僕も──滅多にないですが──、外で日本酒を飲むことになって今の時期に「お酢とんぼ」があれば間違いなく飲みますね (笑) 。確かにそこそこな純米吟醸クラスの値段なんですよね。


──大化けの篠峯愛山純大吟27BYも9/24に開栓しました。ちと舐めて(飲んではおらず)みましたが予想を上回る味の強さ。一杯でたっぷりと旨く、酸より甘みをより強く感じました。

そうですか。「甘み」を強く感じるならそこそこイイ感じに仕上がって来てると思います。開けたては結構「淡麗」に感じました。堺杜氏も搾りたては味が出てないと言っていたので、27BYは全体に開きが物凄く遅いと思います。この愛山45は開栓後にぐんぐん味が開いてくるので、日本酒にうるさい常連さんにゴリ推しして消化して下さい (笑) 。これの27BYを今の時期に呑める店は全国でもほとんどないんじゃないでしょうか。


──生酛山田錦晩秋旨酒のほうが酸が強めで爽やか、客ハケもよかったです。生酛とか山廃、やっぱキテルんですかね~

舞い上がっていたこともありますが、確かにこれ、普通に旨いと思いました。「生酛」や「山廃」はまだまだジャンルとしてはマイナーですし、それなりに意識的な飲み手でない限り、買って家で飲む機会はそう多くないと思いますね。そういう意味では店で試すには魅惑的な酒ですし、実際飲んでみたら「別に旨いじゃん」となるんじゃないですかね。


──そういう意味では篠峯とか菊鷹とかの¥3000クラスは非常に重宝。

「黒澤」の「Type-7」と「Type-9」は2,600円 (税抜) なので、さらにコスパ良しです (笑) 。

2017.10.09 Mon 11:15
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Name - pukuichi1965  

Title - 

moukanさんお疲れ様です

仙禽亀の尾生酛28BY、店で出しましたが評判ヨシ
四合瓶なもんであっという間の開栓即完売
舐める間もなくなくなってしまったんで味はわかりませんが
商売としてはイイお酒かもしれません、ちと高いのがネックですが
大化け期待でもう何本か買って熟成を思案中…


大化けの篠峯愛山純大吟27BYも9/24に開栓しました
ちと舐めて(飲んではおらず)みましたが予想を上回る味の強さ
一杯でたっぷりと旨く、酸より甘みをより強く感じました
非常に旨く美味しいお酒なのですが、なぜか杯の進みは遅い
同時開栓の篠峯伊勢錦無濾過生27BYのほうが消費速度が速く
売れる酒=杯が進む酒としては伊勢錦のほうが正解かもしれません
まあ価格も、愛山¥5400、伊勢錦¥3024と倍近く違いますし

最近入れた篠峯は、ろくまる晩秋旨酒雄町28BY&生酛山田錦晩秋旨酒28BY
ろくまる晩秋旨酒は若干木香アリで、後半にかけての苦みがきになります
生酛山田錦晩秋旨酒のほうが酸が強めで爽やか、客ハケもよかったです
生酛とか山廃、やっぱキテルんですかね~

美味い酒でも必ずしも売れる酒とならないのが難しい
でも売れる酒はかならず”ある一定以上の美味い酒”なことは確か
そういう意味では篠峯とか菊鷹とかの¥3000クラスは非常に重宝
外すことは少ないしハケる速度も速いです
2017.10.08 Sun 13:55
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Name - moukan1972♂  

Title - To おみずさん



毎度です。

なんか「赤とんぼ 28BY」そのものの話は全くしませんでしたね (笑) 。去年の「亀ノ尾」は「ナチュールZERO」と兄貴は言ってましたね──新酒時期に出た「生酛 亀ノ尾 生」が元だったんですかね。去年の「ナチュール5」は某酒屋の有料試飲で店主が「赤とんぼ系」と説明したので飲んだだけですが、今年の「亀ノ尾」は系統で言えばこれ系ですね──まるで「お酢とんぼ」という (笑) 。それかブレンドとか。さすがに7本も仕込まないですかね。

杜氏自身が感じている「充実感」というのは、酒そのものの味や出来、過去の「仙禽」との直線的なつながりというよりは、今はただ酒造りそのものが自分の中で「よく見えている」ということにある感じでした。こうすればこうなる、ああすればああなるという自分の中での合理性や整合性がキチンと見えてることに対する手応えですね。なので、マグレ (勢いと偶然) で出来上がったモノは追っても意味がないと感じてるようでした──追いたくても追えない。そういう意味では前向きというか、諦めがいいというか、実に清々しくサッパリしたもんです。ま、杜氏人生はこれからの方が長いわけですしね。

しかしまあ、もう二度とあの「仙禽」を飲めないと思うと複雑な気分ですね。そう考えると26BYは結構アツかったかもしれないです。山田錦50の生は本当に旨かったんですよね。今では考えられないALC.17という重厚感で、ほんのりオリもある感じで濃醇かつジューシイ。ただ酸っぱいだけなく、凄まじい果実的な豊満な甘みと酸の共演。そのへんは去年の「赤とんぼ 亀ノ尾」との通奏低音もありますね。今想ひ出してもヨダレが出ますよ (笑) 。


2017.10.04 Wed 10:55
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Name - おみず  

Title - 仙禽赤とんぼ

今年の赤とんぼは去年のナチュールの一年熟成らしいです。
どの番号かはわかりませんがモーカンさんの予想通りなのかもあしれません。
しかし、これでたまに来るホームランの正体もわかって良かったですなぁ(笑)
2017.10.04 Wed 09:01
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Name - moukan1972♂  

Title - 赤とんぼ、今年はどうするか。


「仙禽 赤とんぼ 生酛 亀ノ尾」に対する今年のオレの方針


正直、去年ように含んだ瞬間の「旨い!」はない──ないが、さらに熟成させるために720mlを1本ほど仕込んでもいいカナートとは思ってる。それでも無理には買わないかなあ。

ちなみにマチダヤの資料には詳しいスペック等の説明はないが、某酒屋の販売ページを見ると、今年も「1年熟成」だと言う。ニュアンスとしては去年の「ナチュール5」あたりを想ひ出す感じ──ツルんとペターンと酸っぱい感じだが、軽くしか含んでないのでそこは何とも。

杜氏は「肉に合います」とは言ってたけど、確かにあれだけ酸っぱければ、肉にでも合わせない限り、そりゃあ楽しくは飲めなだろう (笑) 。

悩ましい。

2017.10.03 Tue 11:55
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Name - moukan1972♂  

Title - To めいさん



毎度です。

特に深い理由もなく「福祝」は未飲なので──商品名に「辛口」と付くものが多かったこともありますが──、今年は行くと決めてました。取り上げた酒がこの銘柄の本質を表現しているかはわかりませんが、液性はタイプかもしれません。出品用の大吟醸スペック以外は派手に香る酒もなさそうです。

特に詳しい経緯は訊きませんでしたが、堺杜氏はなぜか僕を知っていたので少し驚きましたが、今後も好き勝手に記事にするためには「微妙な距離感」は必要です (笑) 。ま、彼は醸造家として僕とは向いてる方角も頭に思い描く内容もまるで異なると思うので、エンドユーザーの戯言もエンタテインメントとして楽しむ余裕はあるんだと思います──もしも何かのヒントが拾えたらラッキーくらいの感じじゃないでしょうか。静かに熱く貪欲な人だと思います。


──ただ、「長所を伸ばす」というよりは「短所を消した」感じのお酒なので、熱狂的なファンが生まれるとは思えないお酒でした。

言うなあ〜 (笑) 。「新政」は「味」ではなく「態度」でファンを引きつける造り手だと思うので、むしろ裾野を広げつつ、たまに野心的な酒を送り出すくらいが丁度いいんじゃないですか? 最近は熟成ロットも出荷してるみいたいですし。もう今年も残り少ないですが、1本くらいは飲んでみたいんですね。どうせなら27BYあたりを拾えればという感じです。


──土曜日から一週間出張に行くので、酒屋さんのメルマガに惑わされたり、居酒屋や小料理屋で保存状態の分からない日本酒に向き合う事もない日々が始まります(笑)

1週間は長い・・・。自宅から宿泊先に「頒布会」するしかないですね (笑) 。

2017.09.29 Fri 10:50
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Name - めい  

Title - 

おばんです。

最近は急に仕事が多忙になったんですが日本酒は呑んでます。

福祝さんに寄っていただいて、好感触だったみたいでホッとしてます。堺杜氏とのやり取りは微妙な距離感がある大人同士でないと起こり得ない類いのもので、口角が上がりますね(笑)

新政の6月頒布会(マチダヤで買った)No.6TypeSS(スパークリング)はゆきの美人の活性にごりよりは美味しかったです。
ただ、「長所を伸ばす」というよりは「短所を消した」感じのお酒なので、熱狂的なファンが生まれるとは思えないお酒でした。

土曜日から一週間出張に行くので、酒屋さんのメルマガに惑わされたり、居酒屋や小料理屋で保存状態の分からない日本酒に向き合う事もない日々が始まります(笑)
2017.09.28 Thu 23:21
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Name - moukan1972♂  

Title - To ぽんちゅうさん、Guestさん



ぽんちゅうさん


毎度です。

小林さん、いきなりお客さんの (専門的な) 質問に対して熱っぽく解説してましたね。早口で畳み掛ける畳み掛ける (笑) 。奥様が美人とは、それはイイ情報を得ました。今度振ってみます。


──お察しの通り、純大出品の詳細を踏まえて「純吟」クラスでやって欲しいな、と。縛りの無いところでもう少しエッジに効いたやつが出来たら、それは是非とも飲んでみたいものです。

たしかに「ゆきの美人」なら凡庸な他の香り酒とは違った形でモダンなモノを造ってくれそうですね。今回もビシっと酸の立った酒ばかり持ってきてましたよ (笑) 。


──『みねたから』飲んでも美味いですよね。お燗で飲んでもう一度びっくりしました。

まさかここまで手を出してるとは凄まじいマニアぶりですね (笑) ! ALC.が13.5%もあるので、普通に酔いますよね。話のネタに買ってもいいカナート思ってます。実は「貴醸酒」ジャンルはほとんど未開なので、そこと絡めて飲み比べてみても面白いかもしれません。近所で「旭興 百」を買えるんですよね。



────────────────────────────

Guestさん


朝からmoukan1973♀が「エグザイルかアホ」に爆笑してましたが (笑) 、たしかに今季は特に「当たり」が減ってるとは思いますね。単なるハズレというだけでなく「えっ? これが冩樂?」みたいな困惑酒もあります。話をした感じでは特に野心的に何かを変えてる風でもなさそうなので、いろいろな要因で質の変化が起こってる感じです。

今季の「なごしざけ」もイマイチですね。うーん、僕は買わないですね。なんかペラいんですよね。ジューシイさも足りてないですし、なんとなく「なごしざけ味」の偽物という感じです。「山田錦生」や「赤磐雄町生」ほど不味くはないですが (飲めなくはない) 、なんか球体感に乏しい痩せた酒質です。買うとしたら720mlを追熟させるとか、あくまでも条件付きですかね。


──まあ、残念ながら芸人よろしくなんだかんだ日本酒を盛り上げるための「神輿」としててめーらがいいように利用されているだけだってことに、いつ気づくのかが見ものだがねえ。

ここ最近、雑誌の「日本酒特集」を去年ほど見かけませんが、メディアもメディアで誰かをスター (タレント) 扱いしてフォーカスしないと記事を作れないという怠慢と無知があるんですよね。こういう部分は'90年代後半の「ラーメン・ブーム」なんかと凄く被るんですが──食べログや個人ブログなどの影響力が大きくなかった時代のブーム形成の様相が特に──、そういう意味では今は過渡期でしょうね。'90年代後半の「ラーメン・ブーム」の時にチヤホヤされていた店で今も残ってるのが何軒あるか。10年後、同じように日本酒にも大いに当てはまる現象になりそうな予感は確かにあります。

なんだかんだでGuestさんも〝熱い日本酒愛〟に満ちてますね──僕と同じで口は悪いですが (笑) 。

うまい酒はその時にもう1本買え──今年はこれを強化してます。来年も同じ質の酒なんか、まず飲めないですからね。


2017.09.27 Wed 11:19
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Name - Guest  

Title - 

やれやれ

写楽
田舎者がしゃれっ気づいてどーすんだよ?
どんどんどんどん「当たり!」のロットが
減っているのはそういうことか。
髭剃って、半被着て、田舎の雪国の酒屋らしく
ひたすら地味に地道に酒造ってろ。
エグザイルかアホ。踊んのかそのビジュアルは?
勘違いしまくってんな。

「みむろ杉」も急伸したとたんチョーシに乗ってるな。
たまたま流れに乗っただけだぞ?勘違いすんなよ。

それが「旨い酒」なのかどうかを決めるのはこっちだ。
まあ、残念ながら芸人よろしくなんだかんだ日本酒を
盛り上げるための「神輿」としててめーらがいいように
利用されているだけだってことに、いつ気づくのかが
見ものだがねえ。
いやあ楽しみだ。「飛露喜」の二の舞を同じ会津の
酒蔵がまっしぐらに進もうとしている。
2017.09.27 Wed 00:49
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Name - ぽんちゅう  

Title - 出品を踏まえての

レポート楽しく読ませて頂いています。

伝言ありがとうございます。
小林さん、奥さんがすごい美人なんですよね(あえて、後から。
お察しの通り、純大出品の詳細を踏まえて「純吟」クラスでやって欲しいな、と。縛りの無いところでもう少しエッジに効いたやつが出来たら、それは是非とも飲んでみたいものです。

『みねたから』飲んでも美味いですよね。お燗で飲んでもう一度びっくりしました。
2017.09.26 Tue 23:27
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Name - moukan1972♂  

Title - 素晴らしいオチ



どちらさんも毎度です。

いやー、まさか「篠峯」の堺杜氏がうちの読者だっとは──軽く挨拶したら向こうから「いつもブログ見てます」の先制パンチ (笑) 。facebook上で一回だけ質問したけどmoukan1973♀の本名だしなあ。オレを見てすぐにビジュアル的にmoukan1972♂だと認識してました。光栄です!

今回は天井の高い大宴会場ではなく、デカめの会議室を4つ借りた感じなので、ややドタバタというか、必然、みんな順番に回るので、人とは逆に回ればよかったと後悔。受付付近の部屋に戻ると、案の定ガラガラという。

冗談抜きで一番印象に残ったのは「自然酒 純米吟醸 直汲み生原酒 別誂え」で、あとはこれまた冗談抜きで小笠原味醂醸造の「熟成本みりん」。

まあ、やっぱ時間がじぇんじぇん足りないですね。記事は月曜以降に順番に更新して行く予定。正直、もはや飲んだ酒そのものに驚くことはないので、そういう意味では、気軽に楽しめた感じですかね。

「仙禽 赤とんぼ 生酛 亀ノ尾」は完全にお酢。去年のそれとは同じ土俵に立つことすら不可能。ま、今回は杜氏である弟さんが来てたので──いわゆる「薄井の野郎」は不参加──、逆に話自体は面白かったかな。結構ブっちゃけていろいろボヤいてくれました (笑) 。

ひとまずはこんな感じ。

2017.09.24 Sun 17:59
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Name - moukan1972♂  

Title - To ぽんちゅうさん



こんばんは。

不老泉、去年は専務 (現社長?) でした。結局、今年も買えず。。
今年も2年以上寝かせた山廃を持ってきそうです。マチダヤのスタッフが言うには年々スッキリめの酒が増えてるとは言ってましたね。


──『ゆきの美人』の小林さんは話が面白いんですよね。一タンクでいいので、純吟クラスで香り系を出してほしい、、、けど、それ言ったら嫌だって言われるな~。

試しに言ってみますか (笑) 。「知り合いの人が言ってたんですけど」という枕があれば何だって言えますよ。

日曜に備えて土曜は飲み過ぎ注意ですが、予習しておきたい酒が・・・。

2017.09.23 Sat 01:46
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Name - ぽんちゅう  

Title - 不老泉は専務なのか横坂さんなのか気になる。

羨ましいです。レポート、凄く楽しみにしています。

『不老泉』従来のスタイルを踏襲している感じですが、これから杜氏の色をもっと出していくのか、気になりますね~。横坂さんのオーセンティックな吟醸が飲みたい!!

『ゆきの美人』の小林さんは話が面白いんですよね。一タンクでいいので、純吟クラスで香り系を出してほしい、、、けど、それ言ったら嫌だって言われるな~。
2017.09.22 Fri 20:59
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Name - moukan1972♂  

Title - To NTさん



毎度です。


──荻の鶴直汲みは今ちょうど飲んでますが、うわこれちょっと無理という感じではないです。初日の印象は、日輪田雄町との比較で言うと、多少メリハリがしっかりしていて、moukanさんの去年のレポを思い出しました。

おっと、そりゃ朗報ですねー。別撰と桜ネコと朧選抜が微妙過ぎたので、ここが崩れるとヤバイとは思ってました。たぶんマチダヤ試飲会に出品するはずなので、味見してきます。


──試飲会レポ、私も楽しみにしております。特に、薄井氏アタック!

まずは去年の「赤とんぼ 生酛 亀ノ尾 26BY」を大絶賛して──からの──ボディスラムですかね (笑) 。とにかく27BY以降の「甘軽路線」を本人がどう思ってるのかだけは確認したいところです。「もしも昔みたいなヤンチャに酸っぱい酒ができたらラベルに〝酸マーク〟を付けろよ」くらいはリクエストしておきます。

結局「不老泉」も「刈穂」も飲めてません。今年は未飲蔵を中心に回りたいという思いもありつつ、得意の銘柄で突っ込んだ話も聴きたい感じですが、3時間が思いの外アッと言う間で──そしてたぶんmoukan1973♀はアシスタントとして全く役に立たないと思うので、なんかとか一人でマラソンを完走したいと思います (笑) 。

去年と会場が違うので、まずは着いたらイメージですね。マチダヤ試飲会そのものは2度目なので、そこは経験を活かして行きますよ〜。

2017.09.22 Fri 14:03
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Name - NT  

Title - 

ご無沙汰です。

荻の鶴直汲みは今ちょうど飲んでますが、うわこれちょっと無理という感じではないです。 初日の印象は、日輪田雄町との比較で言うと、多少メリハリがしっかりしていて、moukanさんの去年のレポを思い出しました。

試飲会レポ、私も楽しみにしております。 特に、薄井氏アタック!

参加銘柄では、不老泉ですかね。一度家飲みしたいのですが、価格帯やスペックの関係でまだ果たせてません。

あと、刈穂のホワイトラベルは、白麹仕込みで、前半つるんとしていて後半酸っぱいなかなか特徴的なお酒でした(まあ、亜麻猫系ではありますが)。
2017.09.22 Fri 11:09
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Name - moukan1972♂  

Title - To めいさん



毎度です。


確かに「悦凱陣」は不参加みたいですね。どう考えても老ねてるとしか思えない10年生熟の純大に再チャレンジしてみたかったんですが (笑) 。

「萩の鶴」はメガネより無加圧直汲みの特純 (一回火入れ) の出来が心配ですね。ちょっと怖くて買えてないので、ひとまず試飲してきます。今季の速醸はどれも「牛乳@お花畑」フレイヴァーあるので、もしもこれもそうなら話を振りやすいです。その場でダメ出しみたいな (笑) 。今チラっと見たら28BYは「酸度:1.6」ですね。やっぱ想定より出てない感じです。ここの酒は速醸なら「1.8」はないと「らしさ」が出ないんですよね。ま、本人に確かめて来ますよ。

福祝は千葉育ちのくせに未飲なので、今年は必ず回りましょうかね。

米の出来はどうなんですかねえ。なんか8月が梅雨みたいでしたしね。ぼちぼち収穫ラッシュですが、炊いて食べれば酒米としての出来がわかるんですかね (笑) ?


──去年のレポートは10回は読み返した私的最recommend投稿でした! 今年も超楽しみにしてます!

ありがとうございます。たしか3日で仕上げましたが、なんかえらく指が疲れた記憶が (笑) 。今年は少しMEMOを取ろうと思ってます。

正直、去年ほどの熱度はありませんが、逆に狭く深くアプローチできればと思います。ま、ある意味で「酒の席」なので、徐々にエンジンはかかっていくと思いますよ。なんか去年より人が多そうなので、ドタバタしそうですが。。

見えないところで期待されてる気がしてるので、久々にちょっと本気を出しておきます。


2017.09.22 Fri 10:02
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Name - めい  

Title - 

おばんです。

参加されなかった蔵は香川の例のところでは(笑)

萩の鶴さんには早くも発売になっている「メガネ限定」の出来映えが気になりますねえ。

千葉の福祝さんは27BYの「彗星 純吟無濾過生原酒」が白麹菌レベルで酸が足りてたので速醸でも気にしている蔵元さんです。

あと、29BYは酒米の西高東低問題が気になってます。関西の方に伺うと、今年はそれほど涼しくなかったと皆さんおっしゃいますので、雄町・愛山初め、西日本と東日本では米の出来に差が出ているのは…と思ってます。

去年のレポートは10回は読み返した私的最recommend投稿でした!

今年も超楽しみにしてます!
2017.09.21 Thu 23:10
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Name - moukan1972♂  

Title - 去年はこの海で大魚「赤とんぼ 生酛 亀ノ尾」を釣り上げた。

どちらさんも毎度デス。

ここで効率良く☆4.5以上を釣り上げたいものだが、さてどうかな。去年はここで☆5 (冩樂なごしざけ) と☆7 (仙禽 赤とんぼ生酛亀ノ尾) を釣り上げたからな (笑) 。

とりあえず「篠峯」「長陽福娘」の各杜氏にはしつこめの挨拶を。「仙禽」の薄井には「一体どれが旨いんだ? 28BYの仙禽は!?」と酔ったふりをして絡む予定。「萩の鶴」の佐藤氏には「牛乳@お花畑」問題に関する私見を伺おう──イマドキの麹菌についても含め。あとは「冩樂 なごしざけ」の出来栄えをいち早くレポートできれば。

おおお、なかなかオレに課せられたミッションの数々は思ったより重大だな (笑) 。

その他、「この蔵にこれを訊いてきて」とかあれば、受け付けます──実際に訊けるかは保証できないけど。

moukan1972♂

2017.09.21 Thu 14:21
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