◤篠峯 - 純米吟醸 雄山錦 中取り生原酒 27BY ── dಠಠb「ややミネラル成分の結晶化を感じるものの、まるで26BYとは異なる熟成ストーリーを辿っていて、面白いっちゃ面白い、そして3日目は普通に旨い」 




shinomine_oyamanishiki27by3.jpg さて、問題の明利系酵母仕込みの篠峯、またしても27BYです。何が問題なのかは転入生の記事でそこそこ手厚く説明しました。

 ぼちぼち過保護制度も廃止しようと思ってるんだけど──覚えられなきゃノートに取れ (笑) ──、簡単に言うと、決してエリート米ではない雄山錦と、決して足腰の強い酒を生み出すわけじゃない明利系酵母とのコンビじゃ、いくら「篠峯」でも美しい熟成ワールドに辿り着くことが難しいということな。


 ただ、元々の傾向として「果実味が足りない、線が細い、味幅が狭い27BY」であるなら、多少の時間経過 (熟成期間) に対して、その変化定数も小さいんじゃないか?──そういう仮説を立てて、当たりに行ったと、そんな感じ。味が出まくりのグラマラスな26BYの同じ酒の場合、たった半年でムチムチな旨口酒 (まるで「くどき上手」!) に育ってたけど、さて、27BYの仕上がりは如何に。一応、数値は「日本酒度:+3、酸度:2.0、アミノ酸度:0.9、ALC.:15.8」ということみたいです。

 ちなみにこの酒、27BYは全く見分けの付かない同じラベルで「五百万石ヴァージョン」もリリースされてます。




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 bottle size:1800ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆

【429】篠峯 -しのみね- 純米吟醸 雄山錦 中取り生原酒 27BY <奈良>

千代酒造:http://www.chiyoshuzo.co.jp


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 ▲ガスも残ってるけど、極めて柔らかいタッチ。「シュワっ」でも「シャキっ」でもなく「フワっ」とした優しい泡。



shinomine_oyamanishiki27by6.jpg 立ち香──ああ、しっかり明利系。メロン、ラムネ (ガリガリ君ソーダ) 。トゥワンはない。そこまで酸は感じないかなあ。張りのある液性の先読みもない代わりに、ムッチリ旨口な香りもまたない。26BYの同じ酒はたった半年で育っちゃってたけど、さすがは奥手で人見知りな27BY (笑) 。

 ♡☺♡「あああっ! あああ・・・飲めますよ。ややモッツリかなあ。でもー、飲めなくはない。全くチョコ感はない。入りはいいけど最後舌に残っちゃうかなあ、ややニュウ的な感じが

 ややピークアウトしてるかな。モッツリは単なる明利系由来のムッチリ属性だろ。それこそBodyオイルを塗った肌感 (テクスチャー) というか (笑) 。

 オレなりの経験に則して言うなら、これは「篠峯」における典型的な明利系ライクなピークアウト感。ミネラルパートが旨みのコアから、まるで治りかけの傷のカサブタのようにポロっと剥がれ落ちてる感じ。悪く言えばチグハグな剥離感──味曲線における軽いがそこそこシリアスな断絶感がある。「ろくまる山田錦 27BY 売れ残り熟成」より複雑味はあるが──悪く言えば一体感の欠如 (笑) ──、それでもこっちにはレモンの一滴がないかなあ。

shinomine_oyamanishiki27by7.jpg まあ、飲めるけど、この剥離感というか、ミネラル成分の結晶化 (羊かん表面における砂糖のガリガリな結晶化) というか、やや最後の着地の手前で物語の断絶がある。とはイエイ、他の銘柄ならわざわざ27BYを買い直したりしないし──つまり明利系の生酒のピークアウト感 (熟成ニュアンス) を体験する機会もそう多いわけじゃないから、これはこれで得難さはある。やはり「愛山45生 27BY」や「雄町50生 クラシック9」などの9号系とは全く異なる熟成アプローチ。

 これらの経験を参考にすると、まだまだ「櫛羅 純吟 Kodama Tuning 27BY (9号酵母) 」を開けるのはもう少し先という印象。それよりも「篠峯 純米吟醸 八反 無濾過生原酒 27BY」が先かな。ただこれ、去年の暮れ頃から秋山の氷温庫 (−5℃) に移動してるはずだから、同じ明利系でも少し違った時間軸の熟成ストーリーを辿ってるだろうね。

 それにしても「ミネラル成分の結晶化」か。これでこれまでに体験した「篠峯 meets 明利系酵母」における不思議な熟成感についての通奏低音を見つけた感じだ。なるほど。これは26BYの2年熟成の「篠峯 純米吟醸 八反 無濾過生原酒」にも共有の属性だ。





── 2日目。

 もっともっとやってやる!
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shinomine_oyamanishiki27by9.jpg 立ち香──昭和の純喫茶のメロンソーダ。シロップっぽい感じはないんだよな。そこそこペターンとしてる香りの潰れ方。

 昨日は軽い味見程度だったので──。

 たぶん、そこらの「やまとしずく」よりは旨いんじゃないかな (笑) 。ガスはそこそこ残ってるな。相変わらずレモンの一滴はないけど、甘みや香りに寄り添う味わいの全体が力強く酸に吸収される流れはあるな。


shinomine_oyamanishiki27by10.jpg 昨日よりミネラルパートの剥離感 (結晶化) はない。なんだかんだで明利系なのに目の覚めるようなブライトネスがあって、少しセンチメンタルではあるが、なんというか「今自分は『篠峯』を飲んでるんだなあ」という充足感がそこそこある。

 うーん、それでも徐々に剥離感? 旨みのコアから分離されたミネラルパートが、やや余韻の奥からワンテンポ遅れて跳ね返る流れ。ブっちゃけ、フレッシュ・コンディションの「五百万石」とどっちが上だろうか。だったら風変わりな熟成ヒストリーを辿った「雄山錦」よりは、新酒時期の「五百万石」を今、タイムマシン・コンディションで飲んでみたいかな。

 この「雄山錦」は風変わりなチャーミング系フルーティー吟醸というルックながら、液性はソリッドで、ピークアウトした白ワイン的な剥離されたミネラル感の優しい暴走があり、面白いっちゃ面白いが、これを「篠峯の本質」と認識するのは素人判断だと思います。





── 3日目。

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 ▲いつもは簡単に剥がれるラベルが今回ばかりは・・・。ちゃんと剥がれたのはミネラル成分だけという (笑) 。



shinomine_oyamanishiki27by12.jpg 立ち香──イティゴ (いちご) ! やや〝華やか牛乳〟もあるけど、やっぱ酸があるからオエっとならないんだよな。moukan1973♀が初日の最初の一口でこの〝乳パート〟を感じていたとしたら、もはやエスパー舌だな──ウソウソ、彼女は単なる〝乳過敏症 (ティティ・カヴィンショウ) 〟です (笑) 。

 そこそこなクソ酒を経由してここに来てます──。

 おや? まだガスあるな。しかも昨日より強いような・・・もしや蘇りか (笑) ?──「長陽福娘 マチダヤ生熟」も720mlに移した翌日に〝軽い蘇り〟があったんだよな。


綾瀬はるか1 綾瀬はるかに旨いな、酉与右衛門より (笑) 。つうか、今日が一番いい。ドライなタイトネスが出てきた。ピーンとしたテンションのあるジューシネス。ようやくミネラルパートとのバランスも釣り合いが取れてきた。普通に旨いやん。味の出方そのものは27BY的な薄さに満ちてるけど、熟成により淡麗クリスタルなジューシネスが出てきたと思う。最初は「ろくまる山田錦」の方が〝レモンの一滴〟もあって上かなと思ったけど、なかなかどうして、これもいいな。なんかソリッド&ドライな「謙信 純吟 五百万石 生」という感じもありつつ、まるで「整理整頓の好きなやまとしずく」というニュアンスも (笑) 。

 全然飲める。明利系の薫酒 (くんしゅ) でここまで骨格の堅牢な酒もなかなかない。今日はジュースパートとミネラルパートの断然 (剥離感) もほとんど感じない。ピークアウト感は否めないけど、スケルトンな骨格に散らばる五味の点々が不思議なまとまりを見せてます。まだ2合ほど残ってるけど、☆4でフィニッシュです。

 つくづくわからんな、27BYの篠峯は (笑) 。


moukan1972♂moukan1973






日本酒 篠峯

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