もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 今週の『歌謡ゲスオテン (通うゲス男テン) 』、初登場1位。一番悲惨なのは桐谷くん。ヒット&当たり役の予感もあっただけに。
〜 たぶん年ベースだと余裕で250本以上の酒瓶を空にし、記事の比重は徐々にワインが日本酒を侵食、週末には必ずシャン、なるべく毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評 (ほぼ「浜辺美波」関連) 、超時々メガネ警察、特に悪気はないが冗談は常にキツめ 〜

◤Pierre Callot / ピエール・カロ ブリュット「Les Avats / レ・ザヴァ」ヴィーニュ・アンシエンヌ アヴィーズ グラン・クリュ ミレジメ 2009 




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 ▲「日輪田 山廃 純米 雄町 生原酒 28BY」はシャン前に飲んでます。旨いよ。☆4.5です。



 毎度アクセスありがとうございます。


 某ワインコレクターの読者さんが「買え買え (買った方がいいですよ) 」うるさいので買いました (笑) 。なんでも2009というヴィンテージはシャンパーニュにとってそこそこ「当たり年」だそうです。人に買わせたがるくせに自分で飲まないのはナシダロとせっついたらオレが買う前に毒味してくれました。その節はありがとうございました。コチラがその時のレポートです。



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 さて、ピエール・カロ。先日「ブリュット グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン NV」を飲んで、あまりの濃醇ジューシイさに驚きましたが──まるで高級すりおろしリンゴジュース!──、実はミレジメの (単一ヴィンテージのブドウだけで造られた) シャンパーニュを自分で買って飲むのは初めてなので、そこは楽しみっちゃ楽しみでした──シャンパーニュにとってミレジメ商品が〝男のロマン=コレクターの満足感〟を補完すること以外に何か特別な意味があるのかは今の段階ではわからないけれど。

 このサイトによると、前回のNVはアヴィーズとクラマンのシャルドネ100% (2012年ベース) で、リザーヴ・ワイン (秘伝のタレ=蔵が大切にストックしてきたブレンド用の熟成ワイン) を34%も注入しているの対し、当然このミレジメは2009年のブドウのみ、しかも0.4haのリュー・ディ (命名畑) 「レ・ザヴァ」に1952年に植樹された古樹のシャルドネ100%で造られたということで、これがまあ、マニアやコレクターのロマンを大いに掻き立てるんだろうね。NVモノは、言ってしまえば「何が入ってるかよくわからん混ぜ物」でもあるわけで──そもそもシャンパーニュが〝ブレンドの芸術〟であるという宿命的な属性ついて目をつむるなら──、やはり、特定のヴィンテージの、特定のエリアの、特定の畑で獲れたブドウだけを使って造られるシャンパーニュが特別な輝きを──少なくともマニアの頭上に降臨させるであろうことは、非常によく理解できる。だって聴いてるだけ素敵な話やん (笑) 。

 それでも言わせていただこう。それが真に特別なシャンパーニュであるためには、なにより、飲んで美味いということが大前提であるのだと







 ここには2つの本質的な問題がある。まず一つに、基本的にシャンパーニュは出荷された時が飲み頃だという、誰が言ったかよくわからない常識 (了解事項=無垢な納得) がある──オレはそうは思わない。それは単に規定の熟成期間 (NVで15ヶ月以上、ミレジメで48ヶ月以上の瓶内熟成) をクリアしていて、そこに造り手なりの控えめなOKサインが含まれているだけに過ぎない。そもそもリリースしないことにはメゾンに実入りは生まれないわけだから、より一層の完璧さは消費者各人に委ねられる部分も大きいと言えるし、実際に現実的な飲み頃は飲む人間が決めることで、それはバナナの実の色や皮の黒い斑点についての想ひ出の幾つかを頭に浮かべればわかりやすいだろう。

 もう一つの問題は、じゃあ、それが飲み頃でなかった場合、一般的かつ平均的な消費者──かりに平均以上の愛好家でも調湿機能付きのセラーを持たない程度のライトユーザーなら実際には平均以下の取り組みと言っていいだろう──が、これを飲み頃に育つまで保有できるのかという点に潜んでいる。2〜3ヶ月くらいなら──実際には1年くらいなら?──、冷蔵庫の野菜室に放置しておけば品質は維持されるらしいが、残念ながら、5℃という温度ではなかなか熟成が進まないことに加えて、この低すぎる温度はワインにとって過酷な環境──人間だってそこに閉じ込められたら病気になる──で、ゆくゆくは品質の劣化を与えてしまう。



 



2017_8_23Pierre _Callot1954 まとめよう。ラベルや箱に刻まれた単一ヴィンテージであることを指し示す美しい数字の配列がマニアやコレクターの心を豊かにすることがあったとしても、ミレジメそのものが飲み手の嚥下にとって絶対的な快感をもたらすかはまた別の話であり、結局、買ってすぐに (2〜3週間の休息を経て) 飲むのであれば、必ずしもミレジメ・シャンパーニュがNVモノに対して常に優位であるわけではない。このピエール・カロに関しても、この理屈はスペックを見れば明らかだ。なにせNV商品には34%もの熟成ワインがブレンドされており、使用するブドウも、シャープで精緻な骨格を与えるアヴィーズ産と、豊満な果実味を約束すると言われるクラマン産との息のあったコンビネーションを見せてくれるのだ。

 ただし、最終的に──たとえば自前で3年以上の熟成を追加させた場合──、純度の高いミレジメ・シャンパーニュが優雅さや力強さという美点において混ぜ物であるNVシャンパーニュを駆逐するケースがあることも事実ではあるだろう。ただしそれは、NVにも同じ条件の忍耐 (熟成環境) を与えた場合の話であって、買って今すぐに飲むNVを3年後のミレジメが必ず打ち負かすというわけではない。もちろん、打ち負かすミレジメもあるだろうが、大切なのは、杓子定規な凝り固まった感性こそがワインの熟成にとって最も邪魔な要素であるということを知ることではあるだろう。日本酒も同じだが、熟成は〝神秘〟ではあるものの、必ずしも〝真理〟ではない。





◤Pierre Callot / ピエール・カロ ブリュット「Les Avats / レ・ザヴァ」ヴィーニュ・アンシエンヌ (ヴィエイユ・ヴィーニュ) アヴィーズ グラン・クリュ ミレジメ 2009

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 というわけDE、ここからは気抜けしたトーンで (笑) 。今週の前半はmoukan1973♀がずっと夜に家にいたので──そればかりか水曜は休みやがった──、土曜に次の7本が来るし、平日なのに開けてしまいましたとさ。

 立ち香──ハンパねえリンゴとハチミツ。やはりシャルドネは空。ちゃんとシャンパーニュらしい鼻毛踊るローストされた香りもあって、なんか別にいつも飲んでるNVモノのシャンとの大きな違いはないという感じ。むしろ瑞々しくフレッシュ。しかしフルーティーだな──原料がフルーツなんだから当たり前だが。

 蒸し暑いということ以外はまるで何でもない水曜日──。

 ♡☺♡「酸足りてるねえ〜。もうアタシは細かい感想とかどうでもいい。ただ幸せ」←シャンに恋する痛いオバさん化が止まらないmoukan1973♀。



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 正直、この段階なら、飲んだ瞬間に「旨い!」を大声で叫ぶのはNVの方。これはまだまだ細いし単調だし若い。日本酒換算で言えば、先日のNVが「磨き60の無濾過生原酒」だとしたら、これは「磨き50の一回火入れの純吟」みたいなもん (笑) 。アヴィーズ的な塩気のあるミネラルも感じるけど、フランク・ボンヴィルなんかに比べるとそれでも柔らか。酸はバッチリ足りてるけど、水っぽさを際立たせるほどの過剰さはなく、ちゃんとした果実としての輝きがある。



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 それでも薄いな (笑) 。今のこの程度の状態ならNVで飲み頃のシャンはいくらでもある感じ。ただ、マイケル・エドワーズ氏が言うところの「ワインが生まれた場所と時間をより透明な形で反映させる」という、RM的テロワール主義としての一貫性、それらの太い糸が紡ぐ折り目の正しさは確かにあって、簡単に言うと、全く着飾ってない、美しい純度の高さはあるようだ。極めて透明感のあるフルーティネスと、パキーンとした見晴らしいい液性と、細身でシャープだが筋肉質で、まさに剥き出しのヌディーな骨格。

2017_8_23Pierre _Callot1964 まあ、問題なく旨いですよ。ただ、少なくとも我々をこれよりも歓喜させるNVモノは確実に存在します。それがブリュン・セルヴネイジャン・ラルマンアンリオであり──今となっては──J.ラサールなんかも、このミレジメ怪獣にカウンターパンチをかませるNV軍団の頼もしい一員になれるだろうし、当然身内の裏切りとしてもピエール・カロのNVが、その弾ける芳醇さでこのミレジメを〝ジミでミジメな兄〟という日陰に追い込んでしまうくらいの個性はある。

 やはり、高級セラーや地下カーブで長期熟成 (自前で追熟) できないのであれば、NVでイイやつを早飲みした方が、財布にも心の平穏にとっても健康的ではあるのかな。まだまだ初心者なので、引きつづきNVを中心に漁って行こうと思ってます。なんだかんだでNVのスタンダード・キュヴェはメゾンの顔であり名刺代わりの酒なので、格下とか安物と言うのは少し違うと思うな。それに、かりにコレクターの物欲を満たすことができなかったとしても、純粋な旨さを求める多くの飲み手の舌を唸らせることくらいは容易にできるんだな。みんな忘れがちだけど、そもそもシャンパーニュとは、高級白ワインのことだぜ?──それがそのメゾンの中で一番安いNVだとしても。


moukan1972♂moukan1973






コート・デ・ブラン Pierre_Callot シャンパン シャンパーニュ Champagne

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To kappa1970♂さん



毎度です。


──我が家のクリスマスシャンパンはmoukanさん高インプレのこちらのノンドゼ「Pierre Callot Non Dose Blanc de Blancs NV at 魔境」

素人だてらに、随分とピーキーなキュヴェに手を出しましたね (笑) 。うちでも同じモノをストックしてますが、諏訪のワイン王の煽りは無視して、やはり、ちゃんと適切なドサージュが施されたワインから始めた方が、むしろ「ノンドゼ」の正しい意味も理解できるとは思います。ま、旨ければ何であろうと問題ないわけですが、やはり、通常の「グラン・クリュ NV」が先でしょうね。

ピエール・カロ ブリュット グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン NV
https://item.rakuten.co.jp/fitch/1442464/


しかもこの「ノンドゼ」はプルミエ・クリュ (格付け一級村) のブドウも混ざってるキュヴェなので、ブドウの質は「グラン・クリュ NV」より少し下がります。

ちなみに「ノンドゼ」は日本人向け (好み) のキュヴェという意味合いもあります──ここまでノンドゼのシャンが輸出される国は他にない。というのも日本人は嗜好として「辛口好き」なんですね。それは「和食に合うから」という背景もあります。なので、日本出荷オンリーで通常よりドサージュの少ないキュヴェをPB的に造ってるメゾンやドメーヌもあるくらいです。フィリポナのNVも日本では「ノンドゼ」の方が売れるそうです。

センターの味わいがわからないと「ノンドゼ」の意味もわからないので、まずはしっかり調合されたワインを飲むことを僕は薦めます。


型があるから「型破り」、型がなければ「形無し」──というわけです。


まあ、今後は気軽に御相談ください。なんだかんだでこの1年で80本以上は飲んでるので、それなりにはアドバイスできるとは思いますよ。普段飲まないなら尚更、下手な冒険は無用です。せっかくの冒険も「大義」が見えにくくなります。

同じノンドゼなら、やはり、

ヴェット・エ・ソルベ「フィデル」
https://item.rakuten.co.jp/veritas/vavsfiz0/


これは本当に「異次元」だと思います。ピエール・カロはブラン・ド・ブランなので、ハズすと〝ただのレモン水〟になる可能性もZEROではありません。

そこも含めて楽しんで下さい (笑) 。


2017.12.22 Fri 19:40
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Name - kappa1970♂  

Title - クリシャン

moukanさん

毎度です。

我が家のクリスマスシャンパンはmoukanさん高インプレのこちらのノンドゼ

Pierre Callot Non Dose Blanc de Blancs NV

at 魔境 ジンギスバル気になる

です。

おススメ有難うございました。

(こんな短いコメ、初めてかも^_^)


2017.12.22 Fri 18:05
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