もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

☆短期集中連載☆【Xmas Recommended Champagne】は【13】まで更新。(12/14/12:01)
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤篠峯 - 純米大吟醸 雄町 中取り生酒 クラシック9 (協会9号Ver) 27BY 2本目! ── dಠಠb「この変化を体験すれば早飲み (味見レベルの試飲) の虚しさに絶望することになるから知らない方が身の為」#Well-Cured/Clear 



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shinomine_classic9_2_27by3.jpg 去年の6月にも全く同じ店で買った全く同じ酒を飲んでる篠峯です。お間違えのないよう、27BYです。ちなみに28BYは「Type-9」に商品名が変更されてますので、ラベルに「クラシック9」と書いてある酒はこの生酒1本しかありません。これ、予約限定の受注生産だったので、オレの知る限り、都内の特約店では見掛けなかったな。秋山も入れなかったし。

 もう何度も言ったし書いたからこれで最後にしたいんだけど、この雄町50の中取り生は、26BYまでは「明利系&協会9号」のダブル酵母仕込みでした。どうしてセパレイトしたかというと、同じ醪 (仕込み) の酒を使った「参年熟成」という商品があって、堺杜氏に訊いたら、これを「9号単独でやりたかったから」ということです。なので27BYから9号単独の仕込みを開始して、これの「参年熟成ヴァージョン」は30BYシーズンの3月に出ると、そういうわけです。

 ところで先日、この酒について「愛山45生 27BY」の記事の中で、



 27BYの「篠峯」でオレが「もう一度呑みたいなあ」と思うのは──<中略>──あとは「鳴海 特別純米 直詰め生 白ラベル 28BY」や「賀茂金秀 純米吟醸 雄町 生 28BY」や「多賀治 純米 雄町 限定直汲み 無濾過生原酒 28BY」なんかと同じ組の「純米大吟醸 雄町 中取り生酒 クラシック9」が「味の出てない赤い果実組」の醜いアヒルの子の代表として──熟成によって今は白鳥として大空に羽ばたいてくれていることに期待という感じ。


と書いたわけだけど、幼稚園児が「年少」から「年長」にステップアップするときに組の名前が変わるように──ちなみにオレは「月」から「星」へとチェンジ──さらにmoukan1973♀の幼稚園は「赤 (年少) 」「黄 (年中) 」「青 (年長) 」と色で変化したらしい (信号か!) ──、これ、完全に「赤い果実組」から「麗しの美酒組」に変貌を遂げてたわ。こんなこともあるのかMJK (マジか) ──という気持ち。慌てて追加で1800mlを手配したけど、その店が盆休中なので、まだ注文が確定してない。これが買えないのは非常にツライので祈ってます。




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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆½ (追熟で☆5を目指す!)

【426】篠峯 -しのみね- 純米大吟醸 雄町 中取り生酒 クラシック9 (協会9号Ver) 27BY <奈良>

千代酒造:http://www.chiyoshuzo.co.jp


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 ▲DJ的人種らしく、3種の惣菜を使った簡単サラダを用意。ドレッシングのみオリジナル。【用意するモノ】 (1) スーパーの惣菜のサンマの竜田揚げ (2) スーパーの惣菜の春雨サラダ (3) セブンイレブンのレタスミックス【作り方】サンマの竜田揚げを一口サイズに切って、アルミホイルに敷き、ブラックペッパー、カレー粉、ガーリックパウダー、乾燥バジルパウダー、塩を適量かけておく。ドレッシングと春雨サラダとレタスミックスをボールで和える。トースターで竜田揚げを焼く。サラダを皿に盛る。竜田揚げをサラダの上に乗せる。アクセントでマヨネーズをサンマに少し付けてサラダと一緒に食べる。直前にレモンかライムを竜田揚げにかけると尚良し。アナタが思ってる以上に美味いです。ドレッシングを作れない人は市販の和風系をベースに (オレのオススメはマコーミック) ポン酢と砂糖とマスタードをブレンドすればいい。ドレッシング単体で少し甘く感じるくらいが丁度いい。混ざりが悪ければゴマ油かオリーブオイルを足す。サンマの竜田揚げでなくとも、鶏の唐揚げでも問題ナシ。






 まずは開栓時の注意事項。moukan1973♀と下らない話をしながらなんも考えずに開けようとしたら、いきなりポンっ♪とスゲえ音がして、あやうくキャップが天井に直撃するところだったよ (笑) 。個体差や店での管理状況もあるけど、新酒時代よりも元気になってるので、一応、慎重に開けてください。


shinomine_classic9_2_27by5.jpg 立ち香──ほとんど香らず。テクスチャー (液性、舌触り) のヒントはあるものの、具体的に何かの絵を香りで表現する要素はない。ここにあるのは、液性の柔らかさの先読みだけ。露骨な熟香もない。強いて言えば、柔らかく甘やかなバニラが少々。それとナッツやアーモンド由来のオイリーさ。ここでミルクネスに出会うと人によってはバナナを感じることもあるかな、くらい。赤い果実はない。ブドウもない。切り裂く酸の輪郭もない。というより、去年の6月に飲んだ時とは全くの別酒。

 今日もいるよ!!!!!── (倦怠) 。

 ♡☺♡「あああっ! んっ? あれ? 意外。あっさりとクイクイ系。なにこの口どけの良さ。なんの引っ掛かりもない。さっすが篠ちゃん。6月の味も香りも全く覚えてないけど (笑)

shinomine_classic9_2_27by6.jpg ひたすら柔らかい。これは化けたな。もはやモダン淡麗組の酒だ。「赤い果実」なんか何処にもないんだけど・・・。むしろ柔らか甘クリーミイ。このクリームネスの性質は、日本酒的というより、まっ先にシャンパーニュのブラン・ド・ノワール (ピノ・ノワール100%) や黒ブドウ種パートを想起させることを思えば、逆説的に「赤い果実コネクション」に選別されるものではあるのかな。これは驚いた。なんだこれ、旨いじゃないか!!!


shinomine_classic9_2_27by7.jpg なんか去年の6月に飲んだ時よりガスの存在感が凛々しくなってる気がするんだけど。強弱ではなく、その立ち姿 (現れ方) が凛としてるというか。ただ、せっかくの「雄町」であることを考えると、もうちょい酸っぱくてもいいかな。熟味を育てて果実の輪郭を太くしたいので、オレの中での飲み頃はまだ先。とはイエイ「愛山45生 27BY」で感じたようなアタック (辛み、鋭角的な酸、多少の跳ね返り) は皆無なので、今の段階 (熟成状態) に関しては「愛山」よりも完成度は上です。しかも同じ方向性の味わい。カラーは同じ系統だけど、この熟成27BYの「雄町」に関しては「愛山」よりも色目が若干パステルで、しかもその紙質が和紙のような柔らかさだ。

shinomine_classic9_2_27by8.jpg ド頭の消えるような口どけの美しさは☆7を付けた26BYの1年9ヶ月熟成コンディションを想ひ出させるには十分で、味や香りではなく、この口の中の時間表現の質において同じ酒であることを感じさせるところが余りにもニクイ。鍵盤楽器や打楽器的なエンベロープ (味曲線) で、口に入れた瞬間にストンと波形が減衰して、時間差でホロ苦く柔らかなミネラルの余韻が伸びる。


 温度が上がると曲線が閉じた余韻の中に〝茶葉感〟が出てきた。紅茶というよりはアジアン茶葉なアロマ。それでも歴然と27BY的な細さ&薄さはあります。そして26BY的な豊満はないので、この段階でも熟味らしい熟味はほとんど感じない。今は角が取れて、まずは液性が柔らかくなっている段階で、熟した果実味を形成するような弾けた甘酸と力強い凝縮感はこれから育つ感じ。

 ♡☺♡「アジアンティーわかるぅー。それにしても篠ちゃんはワーグラ (ワイングラス) が似合う。☆6です!

 さすがにこの段階で☆6はないけど、☆4.5は揺るぎないし、☆5まであと少し。しかし疲れない酒だ。さっきからスゲえペースで飲んでるよ。これが「櫛羅 純米/純吟 27BY」に負けるとか、あり得るのか?──まあいいさ、それは飲めばわかること。こっちは引き出しが多いから多角的 (縦横無尽) に比較できるしな。楽しい余興になりそうだ。

 まだまだ書きたい (伝えたい) ことはあるけど、今日はこのへんで。2日目もあります。この2〜3日の間に方々でSOLD OUTになったので、先回りして買った人はおめでとうございます。こんな酒を飲まされたら、オレでなくとも「若波 Sparkling」なんか吹っ飛ぶよ





── 2日目。

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 ♡☺♡「なにこのスッキリ感。それでいて旨みがある。全く熟味を感じない。全ての嚥下ストーリーにおいてギスギス感が全くない。まさにNice&Smooth。若波と比べると酸立ってるし、風格が違う



 



 25BYや26BYに比べるとエラい細っそいけどな。それでもいいな。酸のコアあるね。優雅にタイト。初日より渋酸が立って雄町らしさにもアクセスできる。まさにアジアン茶葉なアロマ。

 ♡☺♡「でも欲を言えば、ちょっと薄い。もう少し濃くてもいい、旨みが」──それは「追熟」でどうにかなるっしょ。こうなると、むしろもっと露骨な熟れ茶け感がほしいくらいだ。





【 総括&雑感 】
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 もう簡単には買えないと思うので、これがどんな酒かを説明するより──自分の感性の正しさを人に説明することに労を重ねるより、話題の行方をエッセンシャルかつアブストラクトな方向に移した方が今後の為にはなるだろう。

 まず思うのは、この酒が2016年3月にリリースされることの意味や意義は、まるでないということだ。唯一の意義は千代酒造の実入りの確保と、蔵内での保管コストの削減だけである。とはイエイ、誰も〝あの酒〟が〝こんな酒〟になるとは予想できないわけだから──ある酒屋の店主も最近これを飲んで驚いたらしい──、これはあくまでも〝結果論〟であって〝必要論〟ではないものの、もしもアナタがこの2つの状態を飲み比べる機会を得たなら──よほどの鼻炎か競技中のシンクロ選手じゃない限りは──、まずこの2つが同じ酒であることを受け入れるのに少しの時間がかかるだろう。オレ自身もこれまで老ね酒を含め、そこそこ熟成した (させた) 酒を2つのコンディションで飲んできたし、たとえ熟成コンディションでしか飲んでいなくても「生熟」のニュアンスを比較なしで判断できるくらいの経験は積んできたつもりだ。熟れ茶けた果実感というか、少しルーズになった液性というか、これはイマドキの日本酒飲みなら誰でも一度や二度は体験済みの味わいではあるだろう。

shinomine_classic9_2_27by10.jpg だが、この雄町50は少し事情が違う。まず〝熟れ〟を全く感じないので、これ単体で飲むと、そもそも1年半も寝てるとは思えないし、元からこういう味わいの酒だと思えてしまう。たまたまオレは去年の6月にも同じモノを飲んでいたから比較ができたわけだが、もしもこの熟成コンディションだけを飲んでいたら「別に普通に旨いじゃん」で終わっていたことだろう。この変化は、まるで酸っぱいアセロラジュースが柔らかく甘いミルクティーになったくらいの変化の幅だと説明するのは少しレトリック重視の気取りだろうか──いや、全く違う飲み物に変化したという意味では、そこまで気負った比喩でもないだろう。

 鼻をつんざくような鮮烈な赤い果実のような酸──まだまだ元気だった頃の「風の森 愛山80 27BY」や「鷹長 露葉風70 山乃かみ酵母仕込み 27BY」や、前説で触れた3つの酒にも共通する、ややエクストリームな酸っぱさを通じて強制的に果実味へと我々の味覚をコネクトさせる、あの香りの暴力がどこにもない。むしろオレが初日の深夜に寝酒した際に想ひ出したのは「冩樂 純米吟醸 山田錦 生酒 27BY」のような小ぶりなサイズ感の飲み口と、ほんのりクリーミイかつローストされたバナナのような香りであり、どうしてあの硬直したシャープで酸っぱい酒がこうなったのか、これに関する理屈は全くわからない。

 この〝劇的な変化〟に対する歓喜の陰で同じ量の絶望感が沸き起こるという人生の皮肉について少しセンチメンタルに内省するならば、聴こえて来るのは、これまでに飲んできた数々の〝醜いアヒルの子〟の中にも、もしかしたら〝未来の美しい白鳥〟がいたかもしれないという悲劇についての心の慟哭である。ゆえに、これからは、目の前の酒が何かの秘密を隠しているかもしれないことに対して、より神経質にならざるを得ないであろう。



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 それでも悲劇の数と同じだけ歓喜の瞬間も均等にあるはずだ──そもそもこの種の悲劇は歓喜を通じてしか認識され得ない。リリースされた酒を人より早く買って早く飲んで旨いだの不味いだのを書き記すのが標準的な日本酒ブログの姿だと思うし、それについてどうあるべきかなど、オレには全く関係ないしどうでもいいことではあるが、こうした劇的な味わいの変化と、それに付随する歓喜の瞬間を少しでも多くの読者と共有するチャンスやヒントを与えられたなら、それなりの自己満足は得られるはずだろう。

 日本酒の場合、生酒を1年以上も熟成させて露骨に変化しない銘柄の方が数としては少ないので──ましてや熟香や熟味をスルーして美しい白鳥に成長することなんてほとんど偶然か奇跡だろう──、オレの得意銘柄の中にそうした酒があったことは掛け替えのない僥倖ではあった。少し早いが、29BYの方針の一つとして、今回の経験を活かせるアプローチを積極的に試していきたいとは考えている──28BYの頭にも似たような野心は抱えていたが、ここへ来てさらにその想いが強まった。しかしそうなると、単純かつ明朗な〝オススメ系グルメブログ〟としての属性からは少し離れた内容の連続になるかもしれないゆえ、なるようにしかならないが、そこは少し意識的にバランスは取っていこうとは思う。こうした思考の冒険は基本的にはオレの頭の中でのみ展開している不可視の嵐に過ぎず、単にビジュアルとしては、台所で酒を飲んでいる中年オヤジに過ぎないのである。

 ちなみに伊勢角屋のペールエールは久々に飲んだが相変わらず旨い。ここ最近の一連の舶来品とは洗練さと繊細さが桁違いだ。そして、三河屋製菓の『エビせん旅気分 トムヤムクン風味』は☆3である。


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日本酒 雄町 篠峯

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