もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

☆短期集中連載☆【Xmas Recommended Champagne】は【13】まで更新。(12/14/12:01)
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤三光天賦 - 山廃 純米 雄町 無濾過生原酒 28BY ── dಠಠb「杜氏チェンジの心配は杞憂に過ぎなかった」#Fruity 



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sankoutenpu_yamahai_omachi28by4.jpg 今季より「克正 (かつまさ) 」という商品名が変更になった三光天賦 (さんこうてんぷ) です。同じスペックの27BYには☆5を付けており、実は一番楽しみにしていた28BYの山廃酒です。3月を過ぎてもなかなかリリースされず、どうしたものかと酒屋に問い合わせたら、高垣克正杜氏が引退して、弟子たちが頑張って造ってるという話で、とにかく日本酒ジャーナリズムに疎いオレはそこで初めて事情を知って、やや心がザワついたのだった──こんなことなら27BYの1800mlを買っておけばよかった・・・。

 というわけDE、今季からは山上道広杜氏が〝高垣イズム〟を継承して行きます。そして家呑み&ソロ呑み派には嬉しいサービスもあって、同じスペックの「生酛」に720mlがラインナップされました。ここの酒は「山廃雄町」以外は1800mlオンリーだったので、ここは一つ大きなポイントになります。




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 bottle size:720ml







SAKE GRADE:☆☆☆☆½

【424】三光天賦 -さんこうてんぷ- 山廃 純米 雄町65 無濾過生原酒 28BY <岡山>

三光正宗 株式会社:http://www.sake-sanko.co.jp


Moukan's tag:



※先に「星泉」の残りを空けてからこちらに移行。

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sankoutenpu_yamahai_omachi28by7.jpg 立ち香──穏やかながらもあります、草──いわゆる一つの「おばあちゃん家の桐箪笥」というか (笑) 。とはイエイ、非常に静かな佇まい。ちょうど去年も同じ時期に呑んでるけど、米の問題なのか杜氏の問題なのか、パワフルでエネルギッシュな香りの発散はないです。山廃ライクな乳酸フレイヴァーはしっかり感じます。

 とりあえず飲んでみる──。

 ♡☺♡「いいですねー! 結構、骨太感がある。旨い!


sankoutenpu_yamahai_omachi28by8.jpg いいですやん、呑んだ瞬間に旨い。色はうっすらイエロー。まだまだ硬いけど、弟子も頑張ってる。星泉にはワリーけど、これが☆4.5的な水準だわな。師匠のような濃醇さや風格はないものの、イイ意味で今季はモダン──それでいて「克正」としての矜持もある。

 明白にカロリーオフネスもあるし、ブドウ様のフルーティネスもあるし、酸、溢れてます。つうかこれ、米由来の酸というか、お餅っぽい酸。入りは軽いけど、物語は豊かで、まだまだスリムな甘旨酸に対するプレス感もしっかり効いてる。潰れた旨みの中から果実味が漏れ出るほどの豊満はないにせよ──この甘旨酸が飲み頃を迎えるにはあと数ヶ月は必要だろう──、味曲線のエンディングにおけるドスンとワイルドなホロ苦ロードの滑走中に見せる景色はまさに〝克正〟そのものだ。

 ♡☺♡「危険酒です! 軽さ (カロリーオフ感) もあるから、ALC.18%なのに飲んじゃう。これバランスいいわ



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 ♡☺♡「これワーグラ (ワイングラス) だな。香りが広がる。ますますお洒落な感じになる。もしかしてこれシャレオツ酒か? これ旨いわ。腰が強い。フラつかない


sankoutenpu_yamahai_omachi28by10.jpg ワイングラスの方が五味の景色が広大になる。高密度な一点に収斂する力強い凝縮感を1秒で理解したいならグイ呑みだが、じっくりこの酒の語る言葉に耳を傾けたいならワイングラスだろう。まだまだ全体にキビキビしてるけど、熟成により☆5に格上げされる感じかな。温度が上がっても崩れないよ。7号酵母的なセメ酸 (セメダインな酸) もありつつ、グラマラスな味幅も静かに膨らんで、それを山廃的なカロリーオフネスが潔く捌きながら口の中の視界を良好な景色へと彩って、それらがいい緊張感を保ちながらせめぎ合ってる。まさに大人仕様の、トラッドとモダンの狭間で花咲く上質な山廃雄町。たしかに苦みの着地感も強いけど、リアルな果実味との表裏なんだな。

 そこらの若い連中の造る陽気なモダン山廃とは異なり、エレガントでありつつも力強く、それでいて若々しさ、瑞々しさも兼ね備えた1本。「米鶴 山廃純大」や「上喜元 生もと 八反」のようなモダン淡麗クリスタル酒とも違う、まさに土着的紳士たる佇まいこそがこの酒の魅力だろう





── 2日目。

 シャン1本じゃ足りないので。
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 三光天賦──香りがいよいよNSフィールド全開 (にゅうさんふぃーるどぜんかい) になってきた。おう、この変化の具合は「上喜元 生酛 八反錦 生」と似たようなブースト感だ。♡☺♡「乳酸、出てるねえ、旨い。肉に負けてない。腰が強い!」──結構な酸っぱさのあるシャンの後に飲んでも負けずに酸っぱく、そして初日には鳴りを潜めていたゴリゴリしたミネラル感とストロングなフィニッシュ感が出てきた。ズバっと苦いので、甘ちゃんはそーゆー酒でも飲んでてね。

 菊さん──♡☺♡「バナナ! しかも月曜に渋谷で買ってきたバナナのパンと同じ香り!」──草むらを抜けたらバナナの森が (笑) 。チャツネ系のスパイシーかつスモーキーな甘酸。そして実際にmoukan1973♀がそのパンを急遽解凍。たしかにそんな感じ。ちなみにそのパン屋は「GONTRAN CHERRIER/ゴントラン・シェリエ 渋谷店」の跡地に出来た新業態の「BOUL'ANGE/ブール アンジュ 渋谷店」で、どうやら「ゴントラン・シェリエ」の国内展開を仕掛けていたベイクルーズ初のオリジナルパン屋ということらしい。少しややこしいのは、形状は少し異なるものの、明らかに同じレシピのパンも多数あり──終売になった商品もある──オレの好きだったイカスミ&カレーのバケットとか!──、理屈はわからんけど、ゴントラン・シェリエからレシピ等の二次使用権は確保している模様。


sankoutenpu_yamahai_omachi28by12.jpg しの先生──完全に香りがトロピカル化。マンゴー、黄桃、パッション・フルーツ、パイナップル。含むと凄まじいミネラル感に複雑な甘いアロマが折り重なる「ナンジャコレ!?」な酒に (笑) 。♡☺♡「やっぱシノちゃんは違う! 旨い!」──おそらく山田錦40の生熟酒としては相当に振り切れてるはず。いよいよ同系統の熟成アプローチの「ろくまる雄山錦うすにごり26BY 2年熟成」との違いが明白になってきた。甘みの伸びが異次元。

 トンデモ酒に挟まれると「三光天賦」は非常にライトでキビキビした酒。まだまだ飲み頃は先ですね。それでも「菊鷹」なんかは液性そのものは軽やかで透明なんだよな。着てる服が風変わりで派手なだけで。とはイエイ、「三光天賦」も十分に頑張ってるとは思います。☆5のリングの中に放り込まれて存在感を示せる酒なんか、そうそうないもの。





── 3日目。

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 ▲ぼんち『じゃこ米』(商品名が「海鮮揚煎じゃこ揚げせん」に変更) はタマに買います。揚げせん系は子供の頃から胃に重いから苦手なんだけど、この形状のモノは軽いので好きです。しっかり魚介の味がするので、差別化が図れてます。酒のアテに最適です。☆4.5です。






sankoutenpu_yamahai_omachi28by15.jpg 立ち香──まさに麗しの乳酸。ハイチュウ系のヨーグルト・キャンディみたい。ちなみに「ハイチュウ Premuim」だけど、オレは「別に」って感じ。しかしmoukan1973♀はエラく気に入った模様。食感はイイんだけど、味がハンナリしてて、正直、通常クラスの、もっと粗悪な酸が欲しい (笑) 。唾液のインフレを引き起こすようなキューンとした粗い酸がないんだよなあ。

 DE、三光天賦の3日目だけど──。

 ♡☺♡「親しみやすいフルーティネスが出てきた。旨い

 白桃とグレープフルーツのミックスみたいなニュアンス。なんかあんま山廃っぽくないな。もはや生酛っぽい粉っぽさすら感じる。まさにソリッド&細マッチョ。そして結構なスバっとミネラル感。まだまだ硬いですね。やや液性が硬直してるかな。寒くて筋肉が固まる感じ? まあ、初日の印象が一番いいかな。





 突然ですが、肉。
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 ▲土曜から仕込んで──味見もしたけど──本番は一晩寝かせの日曜食い。レシピは勘なので公開できないけど、金蘭醤油膏がないと作れません。もちろん、それだけじゃないけど。


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 ▲煮汁は多めに作って炊き込みゴハーン。笹がきゴボウとシイタケを入れます。仕上げに千切り生姜と小ネギを入れて撹拌。アナタが思ってる以上に美味しいと思います。





 菊さんのラストラン!
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 ▲残念ながら彼女は子供の頃の方が可愛かった・・・。



 菊さん──完全なるバナナケーキ with ドライフルーツ&ナッツ&チャツネ。最後までいいですねえ。「三光天賦」より軽いつうか透明度が高い。

 ♡☺♡「旨い! アタシが好きなパンの味。大人のスパイシーバナナケーキ! 洗練されてる!


sankoutenpu_yamahai_omachi28by17.jpg しかしこれ、フレッシュ・コンディションはどんな酒だったんだろうね。約1年半で何がどう変化したのか、ぜひ追いたかった。まあ、あれですね。日々いろんな酒をチョロっと味見したくらいで何がわかるんだという軽い絶望はありますね。なので、10年クラスで感想ブログとか続けてる人って、ホント尊敬しますよ。

 決してオレは飽きっぽい性格なわけじゃないけど、なんでも壊しちゃうんですよ。そろそろ「第2章」への移行が近づいてますね。日々の「旨い・不味い」の雑感にまみれることも楽しいっちゃ楽しいけど、一部のスゴい酒に出会うと、そればかりが知りたくなって、他の凡酒のこととか、ホントどーでもよくなる。そういう酒とこういう酒を同じ形式と言葉で語ることに意味はあるのだろうか。さらに言えば〝同じ日本酒〟として並列することすら無意味なんじゃないかと思うわ。日本酒シーンを盛り上げたい!──おそらくオレに足りないのはこの気持ちなんだろう。大事なのは我が家の台所が盛り上がることだぜ。





 本日は陽子も参戦。
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 ▲ベニショウとパクチーは必須。見た目ほど味は濃くない。



 生熟陽子──本日もバニラアイス (笑) 。この3本の中では一番甘いけど酸のコアもしっかり。そしてプリンも出てきた。本体のカスタード・パートとソースのカラメル・パートとの両方がここにはある。

 ♡☺♡「結構バニラ。甘い。ちょいパウダリー。まあ、アタシはお菊さんの方が好みかな

 なんかツルンと軽やかなんだよなあ。だから「生熟」というよりは「ただの28BY?」みたいなニュアンス。持ってる人はもう少し引っ張った方がいいと思うけど、ダラダラ漂白 (劣化) させながら飲むと最終的にはバニラアイスになるから、そう悲観することもない。☆4.5は付けないけど、買ってしまったことを後悔する酒ではないと思う。ただ、これから買うなら「雄町50 直汲み生」や「山田錦50 山口9E 直汲み生」を買って自分で「生熟」させた方が最終的にはこれを超える酒になるとは思う。28BYの長陽福娘で最後に勝つのは山口さん家のキュウちゃんです。


moukan1972♂moukan1973






日本酒 生酛 山廃 克正 三光天賦

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To 治五郎さん



毎度です。


──高垣氏繋がりで言うと芳水(徳島)の「高柿木」は速醸ですが良かったです。現在の杜氏である竹内氏は高垣氏のお弟子さんだったとの事です。

まさに師匠に捧げる「オマージュ酒」という意味合いなんでしょうね。「芳水」と言えば「山廃純米」がなかなかにブっ飛んだ酸味の出方と旨みのペタンコ感が印象深いんですが、今年は近所の酒屋で見かけないんですよね。あれば買いたいです。

http://www.housui.com/sinsyu/sinsyu.htm#Anchor-61002


「高柿木」も見たことあるようなないような・・・頭に入れておきます。情報ありがとうございます。今チラっと検索したら、19BYで終売になっていたブランドを復活させたみたいですね。

https://item.rakuten.co.jp/auc-chitashige/29050106/


過去には「生酛/山廃」もあったようです。

http://www.nobori-sake.com/shouhin/zenkoku_nihonsyu/housuisyuzou/19_takagaki.html


こうやって調べてると飲みたくなりますね (笑) 。



2017.08.22 Tue 11:08
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Name - 治五郎  

Title - 芳水

いつも楽しませていただいています。
高垣氏繋がりで言うと芳水(徳島)の「高柿木」は速醸ですが良かったです。現在の杜氏である竹内氏は高垣氏のお弟子さんだったとの事です。まあ、例の如く外で何杯か飲んだ際の相対論ですが、三光正宗とは方向性は近い気がします。
2017.08.22 Tue 01:14
Edit | Reply |  

Name - moukan1972♂  

Title - To pukuichi1965さん



毎度です。

今季から杜氏がチェンジしましたが、まずは一安心という感じです。BYごとの米の出来もあるとは思いますが、高垣杜氏の方が濃醇かつ芳醇で迫力のある味わいで、今季は今季でトラッドな中にもモダンで洗練されたタッチもあるので、僕は大満足です。

まだまだ酒質がキビキビしていて硬いので、飲み頃はまだ先ですね。ソリッドなモダン辛口酒としては今でも十分に飲み頃ですが、もう少しジューシイな広がりと甘みの豊満さが欲しい気はします。もちろん、肉にも合いますよ (笑) 。

僕は山廃を720mlで買い直したので、春頃まで育てるつもりです。ついでに生酛も同梱したので、こちらは届いたら早いうちに開けてみようと思います。速醸は飲んだことないんですが、味幅はファットでしょうね。知る人ぞ知る銘柄ですが、イイ酒ですよ。大人がシックに嗜むタイプの酒ですが、ワイングラスなんかで飲むと途端にモダンになりますし、2日目以降は結構フルーティーになりました。ちゃんと酸っぱいので、食事にも合わせやすいですね。


2017.08.21 Mon 01:31
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Name - pukuichi1965  

Title - No title

三光天賦
初めて知りましたが、かなり良さそうですね
山廃、生酛、速醸、三種の雄町が面白そうです
ちと入れてみようかな
2017.08.20 Sun 16:15
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