もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 その吟醸、720mlが840円ナリ。
〜 日本酒の家呑みレポ&本日の1曲、安センベイ評、時々メガネ警察〜

◤黒龍 - 純米大吟醸 生酒 火いら寿 ── dಠಠb「ある意味での日本酒的割礼儀式、火いら寿、二度と要らず」#High Grade 




 これまでに特撰吟醸、純吟三十八号 (2年熟成) 、吟十八号生貯蔵を家呑みしているものの、実は黒龍の高級ラインを呑むのは家でも外でも初めて。去年も一昨年も酒屋で眼前に鎮座していた「しずく」をスルーした身で偉そうなことは言えないが、人生はまだまだつづく (はず) 、じっくりゆっくり歩み寄っていこうじゃないか。

kokuryu_hiirazu2.jpg 正直、期待はしていない。この手の高級酒が金持ちの生活様式同様に、ある種の似たような傾向を含みがちなのは仕方ないことだと、少しばかり虚脱気味に優しく受け入れてしまっているからだ。トルストイの『アンナ・カレーニナ』の有名な冒頭部分、

 幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある──

に擬 (なぞら) えるなら、さしずめ、

 高級な酒はどれも同じような味に感じるが、安い酒にはそれぞれの味わいがある──

とでも言ったところか。事実、720mlで5000円の酒より1500円の酒の方が、香り/味わいにおいて千差万別なのは言うまでもない事実であろう。

 ま、日本酒好きを自認するなら、一度は通らねばなるまい割礼儀式のようなものだ。たかだか5400円、驚くことなかれ、東京ディズニーランドの1DAYパスポートより2000円も安いじゃないか。我々夫婦が二人でTDLに行けば14,800円もかかるが、家で黒龍の火いら寿を飲んでも二人で5,400円。

 全然余裕だしぃー? (やや強がり)

 それでは抜栓いたします。



kokuryu_hiirazu1.jpg

kokuryu_hiirazu4.jpg
 bottle size:720ml



【082】黒龍 -こくりゅう- 純米大吟醸 生酒 火いら寿 (ひいらず) 27BY <福井>

黒龍酒造 株式会社:http://www.kokuryu.co.jp


Moukan's tag:




kokuryu_hiirazu3.jpg 使用米は兵庫県東条産山田錦100%だって。ワオ。それを35%まで磨いてるんだから、そりゃもう、高級酒の代名詞的なスペックでして。〝火いら寿 (ひいらず) 〟とは、火入れをしていない、つまり〝生酒〟という意味。言い方を変えるだけでこの高級感ですよ。まさに言葉のマジック。〝横着〟を〝手間いら寿〟と書いても、はたまた〝不要な奥歯〟を〝親しら寿〟と書いても、はたまたまた〝馬鹿野郎〟を 〝世間しら寿〟と書いても高級感はまるで生まれないのに不思議だ。

 立ち香は穏やか。瑞々しくフレッシュな青リンゴ様の甘酸っぱさもあるにはあるが、わかりやすく何かがトゥーンと香るわけじゃない。奥ゆかしいのかジレったいのか、そこは飲み手の感受性次第といったところか。おうよ、このなんか試されてる感に少しイラっとしはじめている自分もいるが、旨けりゃいいのよ、旨けりゃ。

 含みマチュ。

 これ以上書くの、なんか面倒くせえな・・・。

 つうか、この酒をこの値段で買う意味がオレにはまるでわからん。

 なにも粋がり半分で権威に噛みついてるっていうわけじゃないぜ? この値段の酒は、飲んだ瞬間の感動がなければ、もう商品としてはそれだけで失敗なんだよ。無理に旨いと感じるように自分から酒に寄り添う必要なんてまるでないんだよ。これさあ、「芸能人格付けチェック」に花邑の純吟雄町と並べて出して、一体どれだけの人がこっちを高いと言うのかね。今の時代、こんな酒をいちいち有り難がってる暇、あるのかいな。

 冷酒の状態だと割に酸っぱい。アフターには若干のアタック感も。含んだ時の苦みも、高精白の酒質においては少し気になるレベル。フルーティーさが顔を出すのは温度が15℃に近づいてから。ただし、15℃を超えると途端に甘くなる。お上品な砂糖菓子のような甘さもあるが、磨き35%を謳ってる割にはそこまでの透明感もない。豊盃/純大豊盃米39生の方がクリアーだし、そんなこと言ったらモダン仙禽/山田錦生27BYの方が遥かにクリアーだし、これ言ったら終わるけど、別に取り立てて騒ぐほどでもない冩樂/山田錦生27BYの方が全然マシだわ。で、当然にして、ここいらの酒を全て駆逐できるのは、オレが最近飲んだ中では十四代の極上諸白だけだという。

kokuryu_hiirazu5.jpg 箱の「口上」に「10℃前後に冷やしてお楽しみください」って書いてあるけど、マジか。10℃以上はいいとして、10℃以下は冷たすぎるだろ。そんなんじゃこの酒のキャラクターはまるで伝わらないぜ? ホントに造ったヤツ、4合瓶を時間かけて丸々飲んでるのかよ。

 あ、そうか。温度が上がるとアラが目立つから、その前に飲めって?

 となると、一体この「火いら寿」の存在意義って何よ。黒龍ってさ、実は安いスペックの方が旨いとかない? オレの舌が安いのかもしれないけど、これなら吟十八号生貯蔵 (720ml-1350円) の方が全然旨いんだけど。純吟三十八号 (2年熟成) のお燗も最高だったしな。

 この手の線の細い酒は明日以降に著しく劣化することは経験で知ってるから一気に空けるつもりで飲んでるけど、さっそく劣化が始まってるよ。2合ずつチロリに入れて飲んでるけど、後半の2合はセメダイン出てきちゃったよ。酸化するの鬼早えー。後半の2合をワンカップに詰めて売り出したら、誰もこれを黒龍の山田錦35生だとは気づかないだろうな。もう、そこらのありふれた何でもない酒。

 あ、言っておくけど、別にマズいわけじゃないよ。今の時代、もはや〝そこらのありふれた何でもない酒〟でも十分に旨いから、単にそのレベルと同じ言ってるだけな。

 結論──

 こんな酒に5400円も出すなら、3400円の旨い一升瓶を買って、残りの2000円で高めの刺身か肉でも買いなさい。


moukan1972♂




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黒龍

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To 2日目のカレーさん



毎度です。


──やまとしずくは、私も2日位前にユキノヤマトにごり生を頂いたばかりです。これは2度目ですが今回も旋律を受けた記憶に残る一品で間違いありませんでした。

実はコレとどっちにするか迷ったんですよ!
ついつい「直詰」という言葉にそそのかされてしまいまして (笑) 。


──実は私もご主人さん、奥様に歳が近いのですよ。同世代です。

そうだったんですね〜。これで安心して鉄板の昭和ネタを投下できます (笑) 。なんとなくうちのブログは年齢層高めのような気がしてます。年齢分布で20代、30代、40代、それ以上だと、30代半ば〜40代半ば多いような気がしてます。たぶん20代は少ないでしょうね。


──健康診断γ-GDP・・・正常値の6倍以上の2日目のカレーより・・・

ちょっと!!!
お互い健康には気を付けましょうね!!!

2017.03.02 Thu 15:17
Edit | Reply |  

Name - 2日目のカレー  

Title - いつもありがとうございます。

やはり、あれは・・・なるべく早く飲みたいと思います。
やまとしずくは、私も2日位前にユキノヤマトにごり生を頂いたばかりです。
これは2度目ですが今回も旋律を受けた記憶に残る一品で間違いありませんでした。
うまかったです!(ちなみに2日目はダメでした)
また私も紹介して頂いたそれを楽しみにしたいと思います。

実は私もご主人さん、奥様に歳が近いのですよ。同世代です。

では、ブログ引き続き楽しみにしております。お体に気を付けてこれからもガンガン飲んでくださいw。

健康診断γ-GDP・・・正常値の6倍以上の2日目のカレーより・・・したっけ、また。

2017.03.02 Thu 07:57
Edit | Reply |  

Name - moukan1972♂  

Title - To えるふ (2日目のカレー) さん



毎度です。

実はこの酒、どうも「栓」が緩いんですよ。見た目はカッコつけてますが、僕の場合、気づいたら開ける前から瓶口周りがベトベトで、たぶん、そこから空気が漏れて酸化してたんだと思います。今ならこの美スィー味わいを少しは楽しめそうですが、5,000円という値段もあり、当時は相当にムカつきましたね (笑) 。なのDE、早めに飲んだ方がいいと思います。瓶は寝かせては絶対にダメです。


お店の御紹介ありがとうございます。
そういえば先日、某酒屋の同梱で「やまとしずく 直詰め 純米吟醸生原酒」を買いました。秋田と言えば、同じ秋田清酒株式会社の「晴田 五百万石 直汲み」が試飲会で印象良かったので、今季は買いたいですが、まだ見かけないですね。この蔵、イタリアから輸入したシャンパン用のマシンを約1,000万かけて日本酒用にカスタマイズして直汲みしてると自慢してました (笑) 。今まで7〜8人でやってた作業が2人でできると喜んでましたね。


──今日は何を買ったの店主に聞いたら、今日はお酒を買っていかなかった・・・という落ちが一番面白かった。

学生は金ないんですよ (笑) 。
うちの読者さんにも大学生がいて「毎日飲めてうらやましい」と言ってました。
しかしまあ、大学生が新政で味クラーヴェとは、微笑ましくも楽しそうですね。「ヤベえ!」を連発してそうです (笑) 。新政にトキメクには僕は歳を取りすぎました。

2017.03.01 Wed 14:51
Edit | Reply |  

Name - 2日目のカレーです。  

Title - 機会に恵まれた?それとも試練?

まだまだ3日目のカレーになれない、二日目のカレーです。
縁があり、このお酒が手に入りました。「火いら寿」です!このブログを思い出し調べてみたら酷評w。
いつ飲もうか?いや、まず、速攻で飲みきらねば、ならないようだ。


ちなみに全然関係ありませんが、この店、私の家からは遠いですが、仕事でそっち方面にいったら帰り道による店です。

http://www.akimotosaketen.jp/

さて、昨日私が通うなじみの店で、22BY~25BYの紫八咫を4本買った学生が、みんなで味クラーベして、その感想を1時間位も店主に言いに来たといっていた。凄い大学生がいたもんだと感心し、今日は何を買ったの店主に聞いたら、今日はお酒を買っていかなかった・・・という落ちが一番面白かった。

おあとがよろしいようで・・・。では、したっけまた。
2017.03.01 Wed 14:31
Edit | Reply |  

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