◤Francois Billion / フランソワ・ビリオン “マリー・カトリーヌ” エキストラ・ブリュット NV 




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 毎度アクセスありがとうございます。


 仕上げないとイケない記事が溜まってますので、今回はささっと──イキたい。さて、こちらのメゾンの触れ込みはこれに尽きます。「元サロンの醸造長だった叔父貴 (ロベル・ビリオン) が育てたドメーヌ」──。

 ロベルの兄貴 (フランソワ・ビリオン) が1959年に立ち上げたこのメゾンを腕利きの弟が牽引し、今は兄貴の息子 (ロベルの甥っ子、ジャン=ポール・ビリオン) が三代目の当主になり、叔父貴の哲学を継承しているようです。写真を見ても明らかに叔父貴の方が旨い酒を造りそうなツラしてますが (笑) 、よく考えりゃ、我々が飲むのは甥っ子のワインなわけでして。。。

Billion_2017_786.jpg コート・デ・ブラン地区、メニル (ル・メニル=シュール=オジェ) 産100% (グラン・クリュ) のブラン・ド・ブラン (シャルドネ100%) で、このNVには約40%のリザーヴ・ワインを使用。マロラクティック発酵ナシ。48ヶ月瓶内発酵、ドサージュは5g/1L。

 シャンパーニュ愛飲家にとって「サロン」はまさに「夢と憧れ」なわけで──稀少かつ高額で簡単には買えない──、安価で買いやすいモノの中から「サロン美学」を感じさせる酒を見つけることに喜びを得るようだが、日本酒で言えば「十四代 本丸」の代わりに「裏・雅山流 香華」を買うようなものか (笑) 。ま、どの世界でもみんな垢抜けないことを真剣にやってるようで笑っちゃいますね。自分の舌で自分だけのスター銘柄を引き上げる気概もねえのか。

『真の本物に代わりナシ』──。

 関係ないけど、最近うちで飲んだNVの中で一番気に入った「ブリュン・セルヴネイ」だけど、別の件でフィッチにメールした際に軽く訊いたら「ブリュン・セルヴネイが輸入元で結構値上がりしてしまい、購入を渋っていたのですが、また購入検討してみます」という回答。日本酒と違って「定価」のない世界なので、人気が出るとジワジワ値上がるんだよな。数年先にリリースされるワインの先物取引なんかも活発なようだし、うーん、自分の好きな銘柄はあまり人気が出てほしくないな。





◤Francois Billion / フランソワ・ビリオン “マリー・カトリーヌ” エキストラ・ブリュット NV




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 立ち香──リンゴとハチミツで柔らかく甘やか。キラキラしてるけど鋭利な酸はナシゴレン。ブリオッシュやバターなヌメりもある。香りの重層性はなかなかのレベル。抜けの良いフローラルさには一定以上の気品も。ま、シャルドネ100%だし、ゴージャス&リッチな重さ、クドさはないかな。まだ冷たいので、この温度だと〝樽なニュアンス〟はそれほどでも。シャルドネは「青空」、ピノは「大地」ということなので──オレの中で (笑) 。

 徐々にシャン舌も肥えつつある我が家の毒味女番長──。

 ♡☺♡「香りのわりに酸すごい。シュっとしてます。実際に口に入れると香りのイメージと少し違う

 これがメニルなのか、やっぱ〝はんなり〟してんなー。たまたま先週飲んだ「ベルナール・ペルトワ」もメニル産 (ほぼ) 100%だけど、なんか共通項あるね。薄いっちゃ薄い──つうか酸の輪郭が柔らかい。泡の消えも早いんだよな。そして、泡が消えると薄い白ワインになるという。秘伝のタレ・パートが奏でる樽のニュアンスもあるけど、まあ、もう一つかな。これなら、まだペルトワの方がキビキビとしたフレッシュネスがあっただけマシ。ミネラル・パートもなんかボヤけてるんだよな。



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 ▲斉吉商店の「さんま 酒だし煮」は確かに〝甘さ控えめ〟ではあるが、結構塩っぱい。酒と出汁のみで炊き上げてるみたいだけど、おそらく薄口醤油的な塩みだな、これ。一般的に実は普通の醤油より「薄口醤油」の方が塩分多いから──薄いのは色だけ。☆3.5。リピなし。



 ♡☺♡「しかし、これ相変わらず旨いな。三幸製菓の『おかき餅』。あたしこれが一番好きかも」──そっち!?

 そうねえ、実は今出回ってるロットは第二便のようで (←シャンの話よ) 、去年「初来日」した時はどの店も瞬殺だったようだけど、今は方々で売れ残ってることを思えば、先に飲んだ人がリピートしていない証左とも言えるでしょう。実際、オレもこれはリピしないわ。味の薄さもそうだけど、そうじゃないんだな。言うならこれは意志薄弱の酒だ。造り手の気概や熱情が伝わって来ない。

 ♡☺♡「なんか薄い・・・

 今のところ、オレが口にしたコート・デ・ブランのNVブラン・ド・ブランにおいてはブリュン・セルヴネイの前に敵なし──そしてスーパーで買える200円以下の「甘めのおかき」においては三幸製菓の前に敵なし。



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 ▲斉吉商店の「穴子 山椒煮」はなんかタラとかカレイなんかの煮付けみたいなんだよな。やや細い繊維質な肉感がチープ。まるで「ほぐし身のふりかけ」を固めて穴子の形に造型したかようなニュアンス (笑) 。☆3.5です。



 まあなんつうか、あれですね、インポーターが「話題になりそうな酒」を引っ張ってくる気持ち (戦略) はわかります。商売だし。彼らが見据えてるのはエンドユーザーというよりは酒屋だし、その酒屋の見つめる先には高級レストランがあるだろうし。だから「無名だけど旨い酒」より「物語豊かなイマイチの酒」の方が売れるし金儲けになるのはわかる。ただ、最終的にはそれで人生丸ごと全部に必要な金が一気に手に入るわけじゃないし、最後は本当に旨いモノだけが残る。自分の官能に自信を持てないならそんな仕事はやめてしまえ。

 ワインの世界は日本酒以上に思考停止な蒙昧がはびこっていて、なんだか笑える。自分で自分だけの価値を創出できる今の日本酒 (ブログ) ブームは、そういう意味じゃ、誰もが野心的かつ官能的に酒を楽しめる素晴らしい時代にあるのかもしれない。ま、そういう書き手が何人いるのかは知らんけど。


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