◤Richard Fliniaux / リシャール・フリニョー カルト・ペルル キュヴェ・スペシアル NV 




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 毎度アクセスありがとうございます。


 すぐに飲める (休息済みの) シャンが残り2本ということで、3連休は土曜と日曜に1本ずつ飲んでます。混醸タイプとブラン・ド・ブランなので、初日は混醸をチョイス。最近はチラ見レベルですが、ワイン的な言説に触れる機会も増え──主に販売ページの解説だけど (笑) ──、さっそく世間一般との齟齬に苦しんでます。もちろん「苦しんでる」というのはウソで、要するにピノ種のブドウの方が「フルーティー」だの「リッチ」だのと説明されるケースが多いんですが、

 そうか!?──という。

DSCN0033.jpg ま、こうした齟齬は日本酒で慣れっこなので、無理にそちらに合わせる気もないのだけれど、初心者らしく好き勝手に言わせてもらうと、正直、ブラン・ド・ブランのイイやつの方が中途半端な混醸やブラン・ド・ノワールよりも圧倒的に「フルーティー」で「リッチ」ですね。

 逆にオレはRMモノから入ってるからそのへんの感覚が歪なのかもしれないけど──というのも、要するに混醸やピノ種を「リッチ&フルーティー」と感じるのは、単に名門ハウスによるゴージャスなキュヴェのイクラを追いかけてるだけなんじゃねえーの?というか (笑) 。そもそも5つ6つ7つ程度の自社畑のブドウだけでアッサンブラージュするRMモノの混醸やブラン・ド・ノワールで、本当の意味での「リッチさ」は表現されるのだろうか。

 いや、いいんですよ、RMは日本酒で言えば「家族経営の地酒」みたいなもんだし、良くも悪くもヴィンテージ (ブドウの出来) やテロワール (土着性) がそのまま酒に顔を出すジャンルだし、きっとそれを世間は「個性」なんて言ってるんだろうし。オレが言いたいのは、トップ・ブレンダーが200種類以上のフレッシュ&リザーヴ・ワインを駆使して造る名門ハウスの混醸におけるピノの意味と、自前の畑で採れた数種類のブドウ&自家製の秘伝のタレのみで地元カラーを色濃く表現するRMの混醸におけるピノの意味はそもそも同じ地平で語られるべきものなのかということね。そりゃあ、「うちの畑でボランジェやクリュッグのブドウを作ってます!」と言っても、それらは〝描かれるキュヴェ〟における200種類以上ある絵の具の一部に過ぎないわけだろ?


 まあ、ここでグズグズ言ってるのは、RMモノの混醸やピノ種は、商品ページで煽られてるほど「リッチ」でも「フルーティー」でもないというのが今のところのオレの結論であり、どうにも世間における「ピノ種=リッチ&フルーティー」という認識には到達できないイライラが原因なんだけど。

 だったら出来のいいブラン・ド・ブランの方がRMモノに関しては芳醇でリッチでフルーティーですよ。たまに口コミとかで「酸っぱいの苦手なので」みたいなこと言って混醸ばかり飲んでる人もいるようだけど、残念ながらアータ、本当に旨いブラン・ド・ブランを知らないだけなんじゃないの (笑) ? なにせどっかのイタリアワイン評論家もアルゼンチン産の甘々なクソ泡を飲んで「強いて言えば酸の主張が初め強い」とか言ってるくらいだしね。つうか、酸っぱいの苦手でよくワインなんか飲んでられるな。甘いの好きなら日本酒でも飲めば (笑) ? 少しはアータの役に立てると思うよ──甘い日本酒にはそれほど詳しくないけれど。

 マズイな、徐々にシャン記事の前説が長くなってきた。基本的にワイン野郎はクイズ選手権ライクなウンチクを披露することしか能がないし、そもそも自分独自の価値を創造する気概もない連中ばかりなので──インプット情報が多過ぎて自分なりに意味を再構築してる暇がないんでしょうね、きっと──、あまりここでオレのような部外者が悪目立ちしてもいいことないし、今後はなるべく控えます。あーあ、何をやっても人と同じにならないって、これはこれでツライんだけどなー。





◤Richard Fliniaux / リシャール・フリニョー カルト・ペルル キュヴェ・スペシアル NV



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 ▲飲みの席ではひたすらビールを呑みつづけるという新垣先生。いつかうちに遊びに来たら、旨い酒、たらふく御馳走しますよ。



DSCN0042.jpg レシピは「ピノ・ノワール:40、シャルドネ:40%、 ピノ・ムニエ:20%」で、このNVでも99%がグラン・クリュであるアイ村のブドウを使ってるようだ──シャルドネもそうなの?

 立ち香──バター。リンゴ。抜けのいい酸。フローラルな余韻。ややタイトな果実感。グラスに注ぐと奥からダークチェリーの皮のようなアロマも。これをワインの世界で「リッチ」と言うなら「わかりました」と言うべきなんだろうけど、それでもオレにはエネルギッシュな凝縮感や張り詰めた緊張感がないので、その「リッチ」という言葉、日本酒の世界ではおそらく「ファット」と表現される類のモノなのかもしれない。ま、香りは十分に芳しいけどね。さすがにシャルドネ100%のNVでここまでフローラルには香らないし。

 ♡☺♡「うまい・・・。ブドウを感じます!」──もはや〝なんでも〟状態という疑惑も・・・。



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 抜栓時、実は初めてヤラかした。最初からスゲえ圧で襲い掛かってきてはいたんだけど、3週間は休ませてるし、栓を飛ばさずに「プシュぅ〜♪」という〝天使の囁き〟を聴けて安心してたら、なぜか1秒後にはそこそこの勢いで吹いた (笑) 。



 原因:実は飲む前日まで2℃の家庭用冷蔵庫で冷やし、そこから日本酒用の冷蔵庫に移動させ、普段は3℃に設定してるホシザキを「シャン仕様の6℃」に昼間から上げていた。たぶん、これで温度が上がって泡が膨満したと思われ・・・。







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 それではいただきます──。

 うん、なかなかイイ感じ。ちょい焦げたようなくすんだ渋みと、酸にまとわりつく纏いの苦みの出方がピノ・パートなんだろうね──巨峰の皮の裏にへばりついてる薄い果肉部分ライク。温度が上がってくると重油系ミネラルにお酢のような酸。やはりブラン・ド・ブランとは違うなあという感じ。温度は8℃近辺がいいね。樽っぽい渋みも感じるけど、ここのハウスはオークを使ってないようなので、ピノならではの渋みなのかなあ。やっぱ別にこれを「リッチ」だとも「フルーティー」だも思わないなあ。

 先週飲んだラエルト・フレールなんかと同系統だけど、こっちの方がいいかな。なんというか、ゴチャゴチャしてない。ただ、やっぱ酸のテンションは弱いわな (笑) 。ま、泡付きの白ワインっすね。個人的には「わーいわーいブリオッシュや〜、バタートーストや〜」というタッチのNVの方がしっくり来るし楽しいけど、これはこれかな。人には特に薦めないけど、買って損したとは思わない。

 DE、今改めて商品ページを見たら、リチャード・ジューリンというエライ先生が「このシャンパーニュは、酸フェチやワインの中にエレガンスを見出そうとしてる人向きではない」と著書の中で評論してたわ。「日本酒」も「ワイン」も、少なくとも酒屋の舌と鼻のレベルはどっちも似たようなもんだけど、唯一「評論家」のレベルだけは桁違い──日本の先生方のレベルは知らんけど。先週の「ブリュン・セルヴネイ」もそうだけど、日本酒の場合、なかなかこうも他人と意見が一致することはないんだけどな。なんか悔しいな、評論家ごときと同じ感性というのも。どうせなら、そういうの全部〝破壊〟したいぜ。

 要するにオレが飲んじゃいけないシャンだったのね。酸フェチ&エレガンス番長で悪かったな。以後、気をつけますよ (笑) 。


※ちなみにmoukan1973♀は〝やや風邪気味でクシャミ連発中〟ゆえ、それで全体に発言が少なくなってますが、酒は毎日飲んでます。


moukan1972♂moukan1973






Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To シャンジュリアンさん



毎度です。


──シャンのリッチは多分酸少な目という事じゃないかな?

糖度ですかね。つまり「甘さのパワー」というか。どうも「薄い」と感じることが多くて (笑) 。ま、もともと僕はリンゴでもオレンジでも「甘さ」より「酸っぱさ」に気が行く方なので、「リッチ」に対する感性が違うのかもしれません。どう考えても熟したシャルドネの方が──少なくとも同じクラスの価格帯なら──濃醇で果実味ありますって。


──私もボルドー赤からワインに興味を持ったので、赤ワインを飲み慣れてる人からするとシャンのリッチさは赤ワイン的な要素を求めるんじゃないかと想像しています。赤ワインでは酸っぱいワイン=ダメワインですから、、、

なるほど〜。そう考えるとわかりやすいかもです。赤ワイン的なリッチさをシャンに重ねる思考センスですね。「芳醇」と言うなら分かりやすいんですけどね。確かにピノ種が入ると華やかに香りますからね。

今チラっと「rich」をフツーにネットの英和辞典で見てますが、ワインに対しては「味のよい」「こくのある」という訳が与えられてますね。この「コク」というのが少し厄介でして、表面的な味よりも潜り気味の「旨み」や「エキス感」に対して使われるので、まあ、そう言われれば「ピノ=リッチ」なんですかね。

どうも「 (味が) 濃い」という意味で使う流儀が僕にはあるので、果実において味が濃いと言えば──オレンジなんかの場合──、僕は甘みを際立てる「酸」に重きを置いてしまい、結果、グラン・クリュのシャルドネこそリッチじゃねえーかと思うわけです。つまり、味の濃い果実こそがリッチであると (笑) 。

まあいいです。そのうち自分で便利な言葉を用意します。日本酒でもそうしてますし、言葉なんて使うためにあるので、どんどん自分なりに便利な言葉をあてがいますよ。


──シャン飲みにリッチの代表は何か と聞けばクリュッグ、ボランジェと答えるでしょう。これはメゾン自体のスタイルで樽熟成(ある意味で酸化)してるからだと思います。

「オーク香 (樽熟) =リッチ」というニュアンスはわかるんですが、それをピノ種に結びつけるのはどうも・・・。ま、僕の言う「皮の裏の果肉の渋み」みたいなモノがグラマラスで柔らかくなると「リッチ」になるということですかね──サンジュリアンさんの好きな「熟成ボルドー」のように。そう考えれば、セルジュ・マチューのBNは確かに「リッチ」っちゃ「リッチ」ですね。薄いですけど (笑) 。


──特にピノに向いた畑しか持っていないと酸ボケした鈍重なシャンになるらしく苦労してる様です。

そこですよね。「酸ボケ」するとフルーティネスを感じにくくなるんですよ。しつこいですが、ある程度酸っぱくないオレンジだってボヤっとしますよね。そのボヤっとした──足腰ややフラフラな果汁感に対して「リッチ」と表現するのはやっぱ解せないなあ。

「濃い」を英語にすると「rich」ですよね。ここなんですよねえ。同時に「deep」や「strong」をあてることもありますし、今後は味の濃いシャルドネは「ストロング」という言葉を使いますか (笑) 。


──唯、気候の外れ年がベースのNVは厳しい様ですね。秘伝のタレのストックが少ないので化粧できない?

例のシャン本によれば、ブレンドに対するそもそものアプローチが異なるということですね。大手は伝統の味を守る (再現する) ために方々から掻き集めたブドウで作った200種類以上のワインの中から最適なモノをチョイスしてベストな調合をする。一方、RMは自家栽培した数種類のブドウと各ヴィンテージごとのリザーヴ・ワインしか使えないから、よくも悪くもテロワールそのものしか表現できないと。言うなら、前者はリストランテの創作料理で、後者は家庭の郷土料理ですね。


──BNや混醸のシャンよりBBが好きなら(私もBBの方が好み)コート・ブランのRMを狙うのは良い作戦かも知れませんね。

BBが好きというわけでもないんですよね。あまりに塩気の多い尖った苦いシャルドネは好みではないです。ブドウそのものより液性 (醸造スタイル) でしょうね、僕が惹かれるのは。カロのNVは味が濃くて高級ジュースみたいで旨いですが、マロラクティック発酵してる分、どうにも僕には「ニゴリな液性」を感じ取ってしまうんですよね。透明感はないですね。セルヴネイの方が魅せられますね。


2017.07.19 Wed 11:54
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Name - シャンジュリアン  

Title - シャンのリッチは多分酸少な目という事じゃないかな?

毎度です。

凄い勢いでフィッチのRM制覇狙ってるって感じですね〜

私自身、ワイン世界の評価基準の理解ではリッチ=酸少な目 と思ってます。またフルーティでリッチという表現も何故か所謂高いワインの褒め言葉で余り使われないですね。多分 高級=熟成出来るワインが暗黙のルールみたいです。フルーティは若いワインの特徴だからでしょうかね。

ワインの評価の世界の最高権威はMW(Master of Wine)らしいのですが、これイギリスのワイン界がベースなので赤ワイン、特に歴史的背景からボルドーの赤が基準点みたいです。
私もボルドー赤からワインに興味を持ったので、赤ワインを飲み慣れてる人からするとシャンのリッチさは赤ワイン的な要素を求めるんじゃないかと想像しています。赤ワインでは酸っぱいワイン=ダメワインですから、、、
シャンの世界では、実際有名なドンペリ白(混醸)ですらライト〜精々ミディアム でリッチじゃあないです。シャン飲みにリッチの代表は何か と聞けばクリュッグ、ボランジェと答えるでしょう。これはメゾン自体のスタイルで樽熟成(ある意味で酸化)してるからだと思います。

しかし、モーカンさんが言ってる様にRMは基本狭い地域の畑、つまり単一的なテロワールでシャンを作るので、特にピノに向いた畑しか持っていないと酸ボケした鈍重なシャンになるらしく苦労してる様です。
その点、コート・ブランのRMが作るBBは元来酸が多い葡萄が獲れるのと、地球温暖化の影響でより熟した葡萄が獲れる様になり、酸も有り熟してる葡萄が獲れる様になって大手のメゾンに張り合えるシャンが作れているのだと思います。
唯、気候の外れ年がベースのNVは厳しい様ですね。秘伝のタレのストックが少ないので化粧できない?

市場で流通してるBBのスターはNMではサロンとテタンジェ、それとセロス、ペテルスなどのRMモノでモエやクリコにプレステージBBは無いようです。ペリエ・ジュエが馬鹿高いBB出してはいますけど、
最近値が上がって来ましたが、其れでもコート・ブランのGCのBBはランスなどのGCに比べて割安だと思います。
BNや混醸のシャンよりBBが好きなら(私もBBの方が好み)コート・ブランのRMを狙うのは良い作戦かも知れませんね。
2017.07.18 Tue 22:03
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