◤十六代 九郎右衛門 - 生酛 特別純米 金紋錦 無濾過生原酒 (仕込56号) 28BY ── dಠಠb「別にそこまで軽くない、甘い、酸足りてない、魅せられない」 




 去年、大いに楽しみ──それだけでなく、個人的に様々な知見に到達することができた「山廃特別純米 雄町 無濾過生原酒 仕込58号 27BY」の28BYの飲み頃がまだ先だと思うので、その前に「金紋錦」を2種類、開けます、九郎右衛門 (くろえもん) です。正直、先日の「純米吟醸 愛山 無濾過生原酒 (仕込33号) 28BY」には全く魅せられなかったけど、今回は非速醸コンビなので、そこそこ期待してます。

kuroeon_kinmon_nama28by4.jpg まずは「生酛の生原酒」から。27BYは「山廃仕込み」でしたが、今季は「生酛」にモデルチェンジ。どちらかと言うと、より軽めに仕上がる「山廃」をつづけてほしかったんだけど、いろいろチャレンジしたいんでしょう。どんな酒なのか事前に調べたり想像したりしてないので、まずは飲んでみる。

 あと、面倒なので、記事は最初から分けて書くし、UPも2日に分けてやります。初日は少し入り乱れるかもしれないけど、今日は軽い味見程度にとどめて、本番は2日目からです。ま、肩の力を抜いてイキますわ。自宅での味クラーヴェにもだいぶ慣れてきたので、今さら迷宮を彷徨うこともないでしょう。




 TBS『極〜KIWAMI〜 日本一スゴい舌決定戦』に「仙禽」の薄井氏が登場!! (2017/7/11)
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 ▲3人で3つの問題に答えて、1・2位通過で第2ステージへ。第一問の「熟成肉 vs 100g/350円の肉」を間違えた (安い方を熟成肉と答えた) 薄井氏は「硬水仕込みの味噌汁」を当てる第三問に挑戦。酒蔵の専務としてこれはハズせない (笑) 。


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 ▲しかし思い返せば、今季はますます「水な酒」に成り下がってる「仙禽」の薄井氏が「安い肉」の方を「熟成肉」と答えことは示唆に富むとは言える。


 

 


 ▼結局「一回戦落ち」。このあとに彼の得意なジャンルの問題が連発したので、ここを乗り切れば決勝進出もあっただけに残念。
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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆½

【403】十六代 九郎右衛門 -くろえもん- 生酛 特別純米 金紋錦 無濾過生原酒 (仕込56号) 28BY <長野>

株式会社 湯川酒造店:http://www.sake-kisoji.com


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 ※3本を同日中に開けてますが、記事は個別にUPします。初日はパパっと飲みます。
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 立ち香──もはや完全に「ミルクキャラメル」なんすけど。なにこれ、甘いなあ──飲む前から。

 ♡☺♡「軽いは軽い。ただ甘すぎる。酸っぱさはない。むしろ足りない。微妙・・・


kuroeon_kinmon_nama28by7.jpg やたら甘い・・・。もちろんさっきまで「房島屋 純米吟醸 兎心」を飲んでいたということもあるけど、もはやフルーティネスは全く感じれない。同じミルクキャラメルなら、先日の「米鶴 純米 亀の尾65 生原酒 28BY」の方が遥かに旨い。なんか足下、フラっフラで、生酛らしい力強い〝シコ踏んじゃった感〟にコネクトできない。ガスはゴーストレベル。甘いっていうか、ただ単にサンタリーナ (酸、足りてない) 。

kuroeon_kinmon_nama28by8.jpg この甘苦ミルキーな白濁した味わいのカラーは「众 山廃 純米 生原酒 仕込み28号 2本目 28BY」を思い起こさせるけど、個人的には「众」の方がピーキーなソリッド感がある分、飲んだ瞬間に「おっ」となる。「九郎右衛門」はどちらかと言うと「うっ」という感じ。「山廃」から「生酛」にシフトした以上、杜氏にとっては何かの野心 (挑戦) があるのかもしれないけど、成功してるとは言い難い。もう口の中がテロテロでダラ〜ん。ここまで来ると、もはや「大一製菓 バターボール」と言った感じ。

 ♡☺♡「ふぬけた酒はいらねえ。中途半端、中途半端

 今日は軽い味見程度なので、2日目にじっくり飲む。今のままだと☆3.5。軽いは軽いけど、甘さの退けが良くない





── 2日目。

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kuroeon_kinmon_nama28by10.jpg 立ち香──やっぱ「 (ぎん) 」に似てるなあ。バター飴。でも奥から来るっちゃ来る、ほんのり赤い果実。でもバターミルクが勝つ。ややモタっとするんだよな。オレの嗜好としては酸が足りてないどころか、少なくとも最初からそれをウリにしてるとも、それが重要な属性だとも思えない。

 初日の「櫛羅2004」の次に飲んだ時のような酸っぱさに出会えるだろうか──。

 うーん、どこが軽いのかオレには全く理解できん・・・。結構跳ね返りは強めだと思うし、透明感のある入り口に対して出口は少し汚れてる (粉っぽい苦み) 。正直、ちょっと何がしたいのかよくわからない酒という印象。もう三杯くらい飲んでるけど、徐々に明るいトーンになって、ようやく麗しのチェルシーヨーグルトスカッチ・フレイヴァーも出てきたけど、やっぱ酸は足りてない。少しベタっと甘い。

 ワイングラスで──。


 やっぱ最後が重いな。生酛の生酒でよくある粉っぽい苦み。残念ながら、この程度の酸パワーじゃ果実にならないんだよなあ。たとえば「巖 生酛 特別純米 赤ラベル ”改” 本生 28BY」よりはWell-Made。でも果実感では負けてる。単に「美酒風情」で勝るというだけ。同じ方向性の生酛であれば、オレにとっては「米鶴 生酛 純米 中取り生 仕込み22号 28BY」の方が明白に上。そして、この〝なんとなく美酒風情〟な中途半端な出来なら、「」くらい振り切れてくれた方が清々しいし、魅せられる。残念ながら、この酒はオレの官能に訴えるものは少ない。温度はあまり冷た過ぎない方がいいかな。

kuroeon_kinmon_nama28by11.jpg まあ、なんというか、ちょっと小粋に愛らしいイマドキ感もありつつWell-Madeで、時折チャーミングな表情もチラっと魅せてくれるけど、別に連絡先を訊いて改めて後日デートしたいとは思わないくらいの可愛さ。今はそこそこマスカット香も漂ってイイ感じだけど、含むと面で効く酸──甘みをコーティングする酸にはコネクトできないから、所詮マスカットは「香り弁慶」止まり。なんでもっと酸っぱい酒にしないんだろう。去年の山廃雄町はチュンと甘酸っぱいイイ酒だったのに。

 しかしあれだね、湯川杜氏は何ともつかみ所がない (笑) 。「山廃雄町」「速醸愛山」「生酛/山廃金紋錦」と飲んで来たけど、生々しい銘柄属性にはそう簡単に出会えない。いろんな技を持ってるのは素晴らしいことだけど、飲んだ瞬間に「九郎右衛門キタ──っ!」というパンチラインは欲しいわな。完全なる常温になると再びバター飴。

 ☆3.5。同系統の酒ならもっとイイやつ知ってる。ここまで甘くするなら「仙禽 ナチュール トロワ 27BY」くらいの酸は欲しい。なんというか「九郎右衛門」にはこの手の甘い生酛に必要な球体感 (甘みに対して面で効く酸) がない。3日目の記事もあります





── 3日目。

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kuroeon_kinmon_nama28by13.jpg 立ち香──ミルクキャラメルとチェルシー・ヨーグルトスカッチの中間ゾーン。もうちょいわかりやすい甘酸っぱさが欲しいんだけど、明らかに「甘」に振れた設計。

 うーん、やっぱ甘みがダレるなあ。オレにとっては全くもってサンタリーナ (酸、足りてない) 。粉っぽい苦みは日に日にマシマシ。どうもイマイチの生酛の生酒は粉っぽく苦くなるという共通項があるなあ。そういう意味では、やっぱ「仙禽 赤とんぼ 生酛 亀ノ尾 26BY」は歴史的怪作だと思うわ。最近の薄井のボケナスはブランディングばかり気にして肝心の旨い酒を造ってない状況だけど、もう一花咲かせてくれよ。

 やっぱ☆3.5かな。オレがこの酒を誰かに薦めることはない。杜氏の言う「重層的」というのは詭弁ですね。どちらかと言うと、ユルユルのストラクチャーだし、駄洒落を狙うわけじゃないけど、同じ「じゅうそう」でも「重曹的」ということだと思うよ。今買える中での比較だと、金紋錦は27BYの「山廃 火入れ 1年熟成」の方が歴然とイイ酒です。


moukan1972♂moukan1973






日本酒 生酛 山廃 九郎右衛門

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