【食レポ】西荻窪 - 中国食酒房 まつもと ── dಠಠb「一番印象に残った料理は、そもそも料理でもなく、一滴も口にすらしていないボランジェのスペシャル・キュヴェ (NV) 、ボトル12,000円だっというオチ (笑) 」 



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 中国食酒房 まつもと食べログ
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 毎度アクセスありがとうございます、外食の敵、moukan1972♂です。


 moukan1973♀が父親と西荻で食事をするというので、たまの息抜きで参戦してきました。最初は「鮨 たなか」なんていう話もあったけど、義父は酒を一滴も飲めないので、先ずはお造りから、大将、そろそろ握ってもらおうかという酒飲み的な冗漫な食ストーリーに付き合わせても可哀想だし──そもそも義父のゴチだし ──、とはいえフレンチ (義父は洋食好き) ならオレはパス!という感じではあったものの、先日13年ぶりに足を運んだ近所の中華屋が閉店してたことから、西荻に住んでた頃に何度か話に上がったことのある中華屋のことを思い出して、それでオレが裏で指示して「中国食酒房 まつもと」になりました──少々お値段お高めなのは昔から知ってたので、こういう機会でもない限り、自腹で行くことはない。


 この店、かつてTV番組『チューボーですよ!』の〝街の巨匠〟として「蟹レタス炒飯 (2011年2月26日) 」の回に登場したことのある店なので、そこそこやってくれるんじゃないかと思ってましたが、全体に味も値段の割りには普通という感じで──別に不味くはないが少なくとも才人の作る料理ではない──、結果的に一番印象に残ったのは飲みもしないワイン類の豊富さで、中でもシャンパーニュが2本だけセレクトされていて、ぬわんと「ボランジェ スペシャル・キュヴェ (NV) 」のボトルが12,000円で置いてありました。当然、近々買おうと思ってたシャンがタダで毒味できるぜと舞い上がったわけだが、なぜかmoukan1973♀の方が遠慮して回避。もしも義父が酒好きだったなら「この値段は良心的ですよ」とケシかけたものを、それはできず、結局ビール2杯と紹興酒1杯で酒はフィニッシュしましたとさ (休肝日) 。

 パっと見、日本酒はどこにも見当たらなかったんだけど、ん!?──東洋美人だと!?──と思ったら「東方美人」という台湾茶でした。






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 ▲先に西荻入りしてたmoukan1973♀と合流するために後から一人で向かったところ、改札付近が人だらけ。何かと思ったら百合子たんが演説してました。


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 ▲まさかのグリーン被りのmoukan1973♀。しかも髪の長さまで同じ感じ。これは恥ずかしい (笑) 。


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 ▲駅前は狭いくせに飲食店とパン屋とカフェはやたらある西荻窪。


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 ▲泡モノは4種類だけ。ボランジェはいいとして、ん? どこかで見たような泡モノが・・・。




【当たり屋 - FILE:006】ル・バロン ヴァン・ムスー・ドゥ・カリテ シャルドネ ブリュット NV

 4,150円って、オイっ。

 ▲↑近所のスーパーで税抜1,100円。まさかここでクソ酒に関する知識が役に立つとは人生は何があるがわからん。


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 ▲おそらく「スパークリングワイン - グラス - 830円」は「ル・バロン」のことで間違いないので、さすがに頼めず。だってすでに予習済みで、もはや当たりに行く理由がないんだもの。


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 ▲DE、必然、こうなるわな。味うっすぅ〜。生姜はあるけどショウガないよ。普段、原価これの倍以上のビールを飲んでるんだもの。


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 ▲シェフに訊いたらオススメは「直送の魚」だと言うので、アヤメカサゴの胴体を蒸し物、頭は後でスープにしてくれることに。






 義父はmoukan1973♀とDNAが半分同じなので──しかも三人兄弟の真ん中という属性まで同じ──、基本は「すべてお任せキャラ」で「金だけは出す」という大物 (笑) 。酒を呑まない人間にありがちな清々しいまでの早食いで、出てきた料理はすべて直線的に平らげます。初めての店なので要領を得なかったが、シェフ1人の小さな店なので、最初に予算を言って、絶対に食べたい料理を幾つかリクエストして、あとは「お任せコース」にした方が良かったのかな。そうすりゃ義父も自分の皿とだけ向き合うことが可能だっただろう。残念ながら「また行きたい」と思わせてくれるレベルの店ではなかったので、次の機会にこの経験が活かされることはないのだけれども。






 ◤自家製焼豚
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 ▲シェフが「チャーシュー焼き上がりました〜」と客に声を掛ける──と言っても席数14で、このとき店にいたのは我々を含めて2組 (大人6人、赤ちゃん1人) だけだったが。おそらくは「お通し」代わりということなんだろうが、せめてビールを頼んだら「ザーサイ」くらいは同時に出すべきではあるだろう。ちなみに以後の写真はすべて「3人シェアの図」です──つまり「一人一皿」ではない。当然、この焼豚も1分でなくなりました。味付は味噌ベースかな。八角などのオレ好みの粗野な香りはナシゴレン。


 ◤カンパチとみょうがの山椒ソース
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 ▲いわゆる「中華風マリネ」という感じ。魚のレベルは中の上。味付けは薄味だがセンスは悪くない。一人前800円でもいいから、さっきの焼豚とコレは「お通し」としてサクっと出すべき。


 ◤雲白肉 皮付き豚バラ肉 ニンニクソース
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 ▲ラー油かけ過ぎ。せっかくの「皮付き」だけど、柔らかいので食感はナシ。少し硬いくらいに仕上げないと「皮付き」の意味はない。


 ◤アヤメカサゴの蒸し物
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 ▲味付けは悪くないが、少し汁を煮詰め過ぎ。塩っぱいです。短時間で魚に味が入らないのは分かるが、だったら少しだけ汁を餡にすればいい。


 ◤本日の青菜強火炒め (空芯菜)
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 ▲味付けにおいてこれを失敗するようじゃ中学の家庭科からやり直すべきだが、それでもガラスープ (上湯スープ) はここまで多くなくていい。これじゃ野菜が萎びる。


 ◤海老と生ホタテ貝柱 XO醬炒め
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 ▲さすがにXO醬はイイやつ (自家製?) 使ってます。昔moukan1973♀が誰かの上海 (香港?) 土産かなんかで貰ってきた高級品 (どっかの高級ホテル内にあるレストランお手製のヤツ) を想ひ出した。いわゆるホタテ「貝柱」多めのXO醬です。なんだかんだでこの味のバランスがシェフの中枢なんだろうな。今日の中では一番マトモなバランスの味付け。(※moukan1973♀に確認しました。「ザ・ペニンシュラ香港のXO醬」です。有名みたいね。


 ◤紹興老酒 熟成12年と熟成8年
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 ▲実はマトモな紹興酒を呑むのは初めてなので、これが一番好奇心と本気を持って舌に覚えさせた品。確かに「黒澤 穂積 27BY」や「仙禽 赤とんぼ 生酛 亀ノ尾」の中に似たようなニュアンスは探せるが、日本酒ほどの果実味や甘みはないし、似てるのは「渋みの輪郭」だけだろう。8年の方が酸に透明感が残ってるので幾分フルーティー。12年はスモーキー。ま、8年熟成で十分だと思います。そして上の2つの日本酒の方が綾瀬はるかに旨いです。きっとシェフはこういう日本酒があることを知らないんだろうな。可哀想に。


 ◤回鍋肉
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 ▲これは完全にダメな代物。料理の下手なお母さんレベル。まず何がダメかと言うと、雲白肉 (ウンパイロウ) と同じ仕込み方法の柔らかい豚肉を使ってるところ。野菜がヘナヘナになるんだから、もっと肉に食感があった方がいい。つまり、生の段階から素直に焼き炒めた方がいい。あとは野菜は素揚げしてるんだから、仕上げのラー油は控えめにするべき。かなりギトギトしてます。このシェフは淡白な味付けではセンスを発揮するが、この手の大味な料理だと加減を見失う。


 ◤Cook Do® 回鍋肉
 
 ▲今や明らかに家庭レベルの方が旨い。


 ◤タラバ蟹の炒飯
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 ▲パラパラ系です。味付けはあっさりめ。逆にオレはもう少しオイリーでもいいと思うが──蟹そのものに脂がないので──、きっと彼のコアな味覚センスはこのへんのさじ加減にあるんでしょう。あらためてよく見たら「レタス」あるやん (笑) 。これが〝街の巨匠チャーハン〟だったのか。


 ◤アヤメカサゴの頭を使ったアラ出汁スープ
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 ▲少し塩っぱいかな。ま、塩加減は料理における〝究極のさじ加減〟なので。そういやテーブルに「塩・胡椒・醤油・酢」の類が置いてなかったけど、あえて薄味に仕上げて客に塩を足させればいいのに。ブっちゃけ、麺を入れたらラーメンになるレベルの濃さです。


 ◤汁なし坦々麺
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 ▲これで+200円の大盛り。麺が細くて柔らかめだけど、味はまあまあかな。飛び上がるほど旨くはないが、落胆するほと不味くもない。挽き肉は必殺のXO醬でしっかり味が付いてました。やはり、この手の料理ならタイや台湾の方が一枚上手かね。どうしても頭の中で「レモン」や「パクチー」や「八角」のイクラを探しながら食べてしまう──そしてこの担々麺にはそれらの要素が全くない。



 これで〆て25,000円ちょいなので、一人当たり8,330円か。ま、食べログに提示されてる料金ゾーンと同じなので、こんなもんなんでしょう。写真を振り返ってみて、もう一度食べてみたい料理は特にナシ。この店は細かい融通の利く店っぽいので、やはり予算と絶対に食べたいメニューを伝えて「お任せ」にするのがいいでしょう。あと、とにかく次の料理が出てくるまでいちいち間が空くので、ザーサイとか落花生とかチーズとか、すぐに出せる「つまらないメニュー」もいくつか用意しておいた方がいいとは思う。

 今回は食事そのものが目的ではないので──moukan1973♀なりの父親への家族サービス (その割にはゴチだが) ──、会そのものは和やかで平和的でした。記事にしなけりゃ、取り立てて何かを語るほどの料理ではないが、こうして文章にすると暴かれるね、この店のポテンシャルが。こんなレベルでもそこそこ人を幸せにできるんだから、感謝すべきは料理人の方かもね。客のほとんどがオレみたいなヤツだったら、この世から99.9%の飲食店は消え去ってしまうわけだし。






【オマケ画像】6月13日にオープンした「Daily Table KINOKUNIYA 西荻窪駅店」の酒コーナー。
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 たまに外に出ても特に大きな発見はないが、自分が普段いかに酒に関して贅沢してるのか、それだけはいつも思い知る。そして今夜はシャンパーニュを飲む。うちでよく買うRMモノのNVでも外で飲めば8,000〜10,000円は取られるんだから、つくづく外食って何?とは思うわな。


moukan1972♂






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