【旅行記】諏訪のサンジュリアン邸を訪ねて <10>:5月20日 (土)「太陽目線法」 



あらすじ〜日本酒ブログの筆者であるオレ (moukan1972♂) と妻 (moukan1973♀) の二人で、当ブログの名物読者であり、筋金入りのワインコレクターでもあるサンジュリアンさんの御宅を旅行がてら訪問した際の、心のアレコレと現実のモロモロを、特に旅行好きでもないオレがそこそこ本気を出して書き綴った旅行エッセイ。



 登りはなく、木の舗道を歩いて池を一周する──という話だった・・・。
DSCN7409.jpg
 ▲ボケてるな。







INDEX▶︎<00><01><02><03><04><05><06><07><08><09><10><11>

EP-10:5月20日 (土)「太陽目線法」

▪︎空と大地に挟まれて。





ホットキャラメルソース1
 photo: パセラリゾーツ



 なにかと一言多い男、サンジュリアン先輩が本能的にその場で作り上げた「モーカンさん〝有料トイレ〟行きましたか?」という言葉のコンビネーションは、決してオレの嫌いな響きを含んでいるわけではなかった。というより、オレにとっても非常に馴染みのあるコンビネーション・スタイルだった。オレと違って彼に他意はないだろうが、それでも「有料」であることに触れずにはいられない二人なのである。

 さて、オレが五才の子供だったら確実に到着までの間に「あとどれくらい?」という言葉を5回以上は発していたであろう少し長めのドライブの、本日一つ目のゴール地点が「白駒の池」である。上空は腕のいいペンキ職人に頼んで塗らせたくらいに滑らかでムラのない晴天ブルーで、今朝ホテルで観たTVの天気予報によれば、東京では日中30℃を超えるらしい。つまり、この八千穂高原の太陽にもそれだけのパワーがあることは確かで、実際、遮る物が何もない標高2,115メートルのこの地点では、むしろダイレクトにそのパワーの恩恵に授かれる。それでも空気は冷たく乾いていて、至る所に溶けずに残っている雪の残骸たちにその気持ちを尋ねたならば、おそらく熱いキャラメル・ソールをかけられて小躍りするアイスクリームたちと似たような感想を口にするのかもしれない。

 昨日の「飯盛山ハイキング」が存外にハードな試練を我々に与え、この日のオレにとっては、歩くたびに「ズキンっ」という──実際には聴覚されはしないが──痛みの悲鳴が鮮明に膝から聞こえていた。

 前日に「明日も登るんですか?」とオレが山ジュリアン隊長に確認したとき、彼は「いやいや、一周30分くらいの散歩コースで、特に厳しい登りはないです」と言っていたし、事実、入り口から池までの僅かな距離の軽い坂道を登っただけで、あとは木の板で舗装された安全な道に沿って、池の周りを穏やかに和やかに──それこそペンキ職人が仕上げた最高の青空を見上げながら一周するだけのはずであった。しかし30分経っても我々はゴールできなかったし、特に前半の何分かは常に下を向いて慎重に歩いていたし、その間に三人全員が一回以上ずつは転びそうになっていた。「いやあ、まさか雪がここまで残ってるとは想定外です」と山ジュリアン隊長は先頭を歩きながら言った。

 ちなみに入り口付近でオレが奥様に向かってサラリと言った「なんか冷んやりしてて、まるでセラーの中にいるみたいですね」は禁句だったのか、それとも奥様が「なんかマイナスイオンとかたくさん出てそうねえ」と言ったのは忌まわしきセラーへの複雑な想いを打ち消すための彼女なりのポジティブな意味の変換だったのか、今となっては知るすべもない。



DSCN7411.jpg
 ▲これは序の口。足がズボっと逝くほど雪が残ってるエリアもあったが、転ばない (滑って転倒しない) ように気をつけるのに精一杯で、雪道の写真を撮る余裕すらなかった。

 ▼こんなのも序の口も序の口。
DSCN7410.jpg

PIC_0005.jpg
 ▲いつもの華麗なDance Grooveを披露できないほど足場は滑る。老人かっ!



 この想定外の雪道に一番ダメージを受けていたのがサンジュリアン夫人で、彼女はお散歩レベルのライトなスニーカーで来ていたので、なによりも靴への水の侵入を嫌がっていた。それでも隊長は常に先を行く。昨日同様、気づくと10mは先を歩いている。「いつもわたしを置いて一人で先に行っちゃうんですよ」と奥様が言った。オレは女たち1号と2号に挟まれる位置で、奥様が転ばないように見守りながらも後方のmoukan1973♀の位置を確認するという感じで、隊長が放棄した女性のエスコートを自主的に担当していたが、実は一番エスコートが必要だったのはオレの方で、間違いなくこれと同等レベルならば、あらゆるジャンルのスポーツ選手がその日の試合を欠場するほどの痛みを膝に抱えていた。天国の寅さん、男はつらいよ、今わかったよ。

 滑らないように気張るものだから、ますます痛む。やいやい、あまりに話が違うじゃないか。下手すりゃ昨日よりもハードじゃないか。しかし池が見えるエリアまでは、距離にしたら別に短いもので、足元の雪さえなければ入り口から5〜6分で辿り着けるのではないだろうか。



 これが「白駒の池」だ!
DSCN7413.jpg
 ▲本来であれば、30分程度で一周できるらしいが、この日はあいにくの、まさかの雪道。






突然ですが、ここでmoukan流「自撮り」講座!


 池を背後に自撮りしたいわけだが、問題は太陽と我々との位置関係だ。この時間と場所だと、池を背にカメラ目線にすると逆光になってしまい、表情が暗くなってしまう。フラッシュを強制発光させるという方法もあるが、少し不自然な仕上がりになってしまう。そこでオレの取った方法が「あえて太陽の方を向いて撮影するという方法」──すなわち、これこそが太陽目線法である。たまたまサンジュリアンさんがメイキング写真を残していたので──彼が旅行中に果たした最大のファインプレイのうちの一つ──、下の写真を見れば実際の撮影風景が伝わるはずだ。






【メイキング】池を背にしないで太陽目線で撮る。もちろんレンズは池に向ける。
PIC_0004_2.jpg
 ▲「顔だけモザイク」は逆にオレの悪者気質を高めてしまうので、少しトリッキーな方法で加工してみた。


【完成写真A】カメラ目線ではないので、デザインされた写真のように見える。
DSCN7414_c.jpg
 ▲上空で待機しているのは「超あずさ9号」で、実はあれに乗って我々はやってきた。わかってるとは思うが、オレはハゲでも色白でもないし、オレの横にいるのはアフロのチンパンジーではなくmoukan1973♀。あと、これは彼女の名誉のために言うが、このアントニオなアゴの長さと角度は彼女本来のサイズではない。


【完成写真B】縦ヴァージョン。
DSCN7412_1.jpg
 ▲カメラ目線をハズすだけでも面白い構図で撮れる。だいたい、誰が決めたんだよ、記念写真をカメラ目線で撮るって。普段自分たちの写真を撮る習慣も趣味もないが、オレの自撮りセンスはまさに天才的である。なぜなら、この「太陽目線法」もこの場で瞬間的に思いついたからだ。素人は全身を撮ろうとするが、写真とはそもそも〝切り取る作業〟のことだろう。特に天気の良い晴れた空なら、その空こそをフレームに収めるべきである。


【使用サングラス】

 ▲手前がオレ愛用の「theo - west malle」で、約20年モノのヴィンテージ。本来フレーム上部に付いてるはずのブロウ (眉) がアンダーにデザインされてるのが最大のポイント。奥がmoukan1973♀愛用の「theo - santoro」で、もともと透明のダミーレンズが入れられてメガネとして売られていたが、僅かにサイズが大きかったので、オレの発案によりサングラスに。内側だけのマルチコートなので目はほとんど透けない。独特の質感と立体感があるが、マテリアルがチタンなので軽い。






 池の水はこの透明度。
DSCN7415.jpg
 ▲写真は爽やかだか、撮影地点の足元は相当に厳しい環境。さっきからサンジュリアン夫人は二度も転びそうになっている。



 実はこの池、時計回りでも、その逆でも、どちらのコースでも好きな方を選べる──つまり一方通行ではない。これは偶然だが、結果的に反時計回りで正解だった。なぜなら、険しい雪道は前半だけで、後半は普通に散歩できる程度の足場コンディションだったのである。さらに池の写真も最初に撮影しておいて正解だったのは、奥様が「こんなコース、2年前に来た時にはなかったわ」と指摘した通り、途中からはジブリ人気にあやかった失笑ライクな「森のコース」へと経路が変更されていたようなのだ。



 人は平気で強者をパクる。
DSCN7416.jpg
 ▲後半は池が見えないロケーションがつづく。


DSCN7418.jpg
 ▲ま、観光地として知恵を絞った結果だと思うことにしよう。


 こちらが本家「屋久島 白谷雲水峡」です。
屋久島もものけ姫1

屋久島もものけ姫2


 こちらは「パクリの森」です。
DSCN7417.jpg
 ▲とはいえ、前半と後半で違う景色が楽しめるので、これはこれで観光客にとっては一度で二度美味しい新コースではあるのだろう。


PIC_0010.jpg
 ▲女たち1号と2号に挟まれる膝男 (ひざお) 44歳。珍しくマエジュリアンさんが後方からパシャリ。後半は足場もこんな感じでスイスイ──オレ以外は。そして、moukan1973♀のデカケツは一部の日本酒好きの間ではもはや有名──のはず。サンジュリアン夫人は153cmと小柄。ちなみmoukan1973♀は160cm。オレが179cmでデカジュリアンさんは182cm。






 本日のドライブコース<前編>
2017_5_20ドライブ1
 ▲出発地点が「富士見高原スキー場」で、地図中央「中山」の北に位置する水色の部分が「白駒の池」、これから我々は「黒澤酒造」のある「佐久穂町 (右上の角) 」を目指す。



 前日の飲み過ぎが原因であると考察される翌朝の不可解でフェイクな空腹感と回避不能の旅行的高揚感 (貧乏人気質な損得勘定=朝食バイキングも宿泊料金に含まれているという強迫観念) が引き起こした明らかに過剰な──そもそも普段は食べない──朝食は、オレの胃腸に爽やかとは言いがたい不機嫌と疲弊をもたらしていたが、白駒の水神が放った怒涛のマイナスイオン攻撃──理屈はわかっていない──を大量に浴びたおかげで、今は心なしか改善されているような気がする──と思うことこそが大事であるとオレは考える。

 しかしながらその効果は決して満更でもなく、本当に自らの胃腸に少しだけ軽さを感じはじめているオレの次なる課題は、ますます酷くなる膝の痛みとどう闘うかであった。そればかりか、前日に気合を入れて靴紐を縛りすぎたのがいけなかったのだろう──登山用品屋のスタッフが何度も何度も素人のオレに「踵のグリップ力がウンチャラ」と力説するものだから (責任転嫁) 。今度は足の甲まで腫れてきた。

 こうしてオレは二つの〝はれ〟を空と大地それぞれの領域で感じながら、次なる目的地である──黒ジュリアンさんが「同じ長野でも我々の住むエリアとは文化圏が異なります」と言った──「黒澤酒造」へと向う。


moukan1972♂



つづく



INDEX▶︎<00><01><02><03><04><05><06><07><08><09><10><11>

※更新スケジュールは未定ですが、記憶の永続性には限りがありますので、少しずつでも毎日UPする予定です。


Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん



毎度です。

膝もそうですが、足の甲ですね。ホテルで見たら真っ赤でしたよ (笑) 。

雪は相当にウザかったですが、記憶への定着にとってはインパクトありましたね。ま、あれで本当に転んで池にでも落ちてたら悲惨でしたが、今となっては楽しい想ひ出です。


──いきなり写真講座ですか、顔晒して大丈夫ですか?酷評した酒屋に襲撃されるかも、 時々背後振り返って狙われてないかチェックして下さい。笑

だいぶ加工してるので、僕の顔をよく知ってる人じゃないとコネクトできないと思いますよ。それに酒屋の読者も多そうなので、文面やメガネの写真で、もうみんな知ってるんじゃないですかね。去年のマチダヤ試飲会以降、明らかに何人かの若いスタッフの僕に対する態度が変わりましたからね。逆にすごく親切になりましたよ。

それに僕は実際の酒屋相手にはスゴぉ〜〜〜く下手に出ますから。その方が向こうの実力やセンスが見えやすいですからね。いわゆる「ハスラー戦法」というヤツですよ (笑) 。なので、相手がスペックを間違えようが、見当違いなバカ舌センス全開で来ようが、絶対に否定したり訂正したりしません。黙って聴いてます。

当然、酒屋が「これ、全然ヤマハイっぽくないよ、スッキリ」などと言っても「そもそも山廃ってスッキリしてる酒じゃないんですか? 同じ米の同じ精米歩合なら速醸よりもアミノ酸度は低めに仕上がりますし」──なんてことは、股が裂けて玉が床に転がり落ちても絶対に口にしません!


──P.S 昨日も1999ヴィンテージのシャン 開けましたが熟してピーク過ぎてる感はありましたが、違和感は無かったですよ。 先日のスーザ 相当ヤバかった品質なんでしょうね。

一概には言えませんが、シャルドネ100 (BB) の方が熟成耐性あるんじゃないですかね。特に混醸のNVは混ざり物指数高めなので、崩れやすい積み木のようなものですよ。どこの年代のどの品種のワインが何をしでかすかわからないという。それでも僕のスーザは「熟成」の範疇ではなかったとは思いますけどね。もはや「珍味の域」ですね。


── 一升瓶の残草蓬莱の生 飲み始めましたが軽い味な飲んでワイン(シャン)の感じで2合ほど飲んだら撃沈しました。

28BYはダメ酒特有の酔いの感じがありますね。ALC.12ですが、僕も普通のALC.16くらいの酒と同じように酔いましたよ。

土曜は珍しく外食 (中華) なので、シャンは日曜ですかね。さすがに1本だけにしときますよ。

2017.06.23 Fri 12:41
Edit | Reply |  

Name - サンジュリアン  

Title - そんなに膝痛かったんだ!

毎度です。

いやもう五週間も前の話なんですなあ〜
確かに雪の中の散歩 疲れましたね。
山歩きの友人が翌週の5/26に白駒池行ったらもう雪は無かったと話してました。雪が見られてラッキーと思うか、或いは歩くのが難儀 さてあの残雪は吉凶の何方だったんでしょうかね。
息子も9/21赴任の辞令が一昨日出たようで、家内なんか何時もならあの雪への恨み百万倍話していたでしょうが、幸運にも息子の事(心配)で上の空で歩いていた様です。

いきなり写真講座ですか、顔晒して大丈夫ですか?酷評した酒屋に襲撃されるかも、 時々背後振り返って狙われてないかチェックして下さい。笑

P.S 昨日も1999ヴィンテージのシャン 開けましたが熟してピーク過ぎてる感はありましたが、違和感は無かったですよ。香りは完熟林檎ジュースで泡が細かく溶け込みクリーミー、でも酸味が少なく余韻も短い。
先日のスーザ 相当ヤバかった品質なんでしょうね。

一升瓶の残草蓬莱の生 飲み始めましたが軽い味な飲んでワイン(シャン)の感じで2合ほど飲んだら撃沈しました。シャン一本飲むより酔いが強いみたい。総アルコール量では少ないのにワインに比べると消化が悪いのと度数が高いのが理由かな‼️❓

モーカン家、終末はシャンですか?
2017.06.23 Fri 11:59
Edit | Reply |  

Add your comment