◤悦凱陣 - 純米酒 無濾過生 オオセト ── dಠಠb「十旭日の改良雄町70生原酒 (3年熟成) を知る我々にとっては全然スッキリ軽やか」#Umakuchi, Okan, Spicy, Well-Cured 




 2002年のdancyu「日本酒特集」の「ポスト十四代はこの酒だ」という煽り文句的見出しと共に紹介された幾つかの酒の中にこの悦凱陣があって、これがキッカケでその名が全国区になったらしい。ちなみにこの特集で最もブレイクしたのが、我々夫婦も大好きな青森の豊盃。しかし2002年かあ。その頃、我々夫婦はまだ夫婦ではなかったし、好き好んで缶ビールをガブガブ飲んでいたわけだけど、まさかそれから14年後にここでこんなブログを書くことになるとは、ほとんどエスパー的な閃きを日々発揮しているこのオレでも1%も想像できなかったわけだから、人生は常にミステリーだな、マジで。

 ブログの開始が
 一番心に沁みてるいるのはオレ

 この純米オオセト無濾過生は蔵の看板商品と言っていいのかな。とりあえず前から一度は飲んでみたかったけど、近所の酒屋で扱いはあるものの、なかなか店頭に並ばないゆえ、口にするまでに意外に時間がかかってしまった。



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【077】悦凱陣 -よろこびがいじん- 純米酒 無濾過生 オオセト 26BY最終便 <香川>

丸尾本店 (by ワタナベ酒店 夢酒便) :http://bisyu.com/mush-bin/wa_gaijin_annai.html


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 立ち香は割にスッキリ&青いフレッシュなキューンとした酸を感じさせつつ、オオセト言われなければ「雄町だろ」と思わず言ってしまいそうな熟れたブドウやドライフルーツ様の甘渋酸が、まろやかミネラリーに広がる。12月詰なので都合3ヶ月以上寝てるけど、わかりやすい熟感はナシ。

 含みます──。

 あ、噂に構えていた分、飲んだ瞬間の感想は「別にクリアじゃん」というもの。日本酒度+11の割に辛みはあまりなくて、酸っぱさにも突き刺さるアタック感はナシ。磨き60ならではの味の厚みと穀物由来の複雑味もあるにはあるが、過去に十旭日の3年熟成改良雄町70生原酒を飲んでいる我々にとっては、もはや〝折り目正しいキレイなお酒〟という位置付け。旨口だけど、この程度じゃフルボディ言いたくない (笑)。

 全体の方向性とかタッチは十旭日を思わせるものがあるけど、まあ、まだまだ酒が若いわな。酒質も強そうだし、これ生だけど1年くらい引っ張った方が旨みが大爆発するんじゃないかな。最近飲んだ酒の中で比較すると、病院で生き別れた双子の片割れ謙信越淡麗くんは金持ちに引き取られて大事に育てられたけど、悦凱陣オオセトくんは厳しい農村に引き取られて逞しく育った、でも二人は双子の兄弟みたいな。謙信越淡麗がエクストリームにワイルドな方向に振り切れると悦凱陣オオセトになると、ひとまずそう記憶しておく。まるで違うけどな。人の思考回路は人それぞれだから、あまり鵜呑みにはしない方がいいぞ (笑) 。

 長えな。なんの耐久レースだ。で、冷酒だと若いし硬いから、一口飲んだ後は、食事のラストまでお燗街道一直線。面倒だから一気に50℃まで上げるぞ。

♡☺♡「あ、温っためた方がいい」──。

 確かにこっちの方が〝わかりやすく旨口〟になるし、フルーツ感も前に出てくる。やっぱ言われなきゃ雄町だな〜。甘酸のタッチに若干のパウダリーなザラつきも重なり、余韻は割に長めなものの、ダラダラ飲むにはマイペースな酒質ってな感じで悪くない。なにより、温度が下がってきても味が崩れないのがいい。よく燗冷まし状態になると途端に酸っぱくなる酒があるけど、これにはそれがない。常温まで戻っても燗酒的な旨みと甘みがキレイに残ってる。今日は寒かったから、お燗目当てでこれ開栓したのもあったんだけど、ちょい開けるの早かったかな。まだまだ全然フレッシュだわ。

 さて、明日以降はどう化けるか。一升瓶の酒物語はまだまだ始まったばかり──。





── 2日目。


 酸っぱー。初日より酸が立ってます。嫌じゃないけど。

 立ち香は相変わらず〝言われなきゃ雄町じゃねえの感〟ビンビンだけど、含むと雄町よりは柔らかいというか、素直というか、キャラは相対的には薄め。これ単体では十分に濃醇だけど、別に構えるほどじゃあ〜、ない。なので、ちょっと在り来たりのジューシー生酒に食傷気味の人は気分転換にいいんじゃないかな。もう少し冷酒で甘みが広がると飲みやすいんだけど、断然お燗がいいので、そのへんは人によってはハードルが高いか。

 今日の燗は全体に酸っぱめ。初日の方が味わいの重層性がキャッチーで楽しいかな。これはこれで食中のメリハリはいいけど。ここは勇気を出して、ちょっとしばらく常温で放置してみようか。老ねる手前で引き上げたいけど、口で言うほど簡単じゃない。ま、失敗しても経験だな。誰に迷惑かけるわけでもあるまい、楽しんで放置します (笑) 。




── 6日目。


 常温で生熟中ですが、老ねのチェックも兼ねて少しだけ味見。常温でいただきます。

 ウホっ、プルーン!

 いいっすねー。今のところ、老ねた渋みはナシ。甘さはまだまだ大人しめ。もうちょい放置してみます。これはイイ感じでWell-Curedな酒質に成長しそうです。お燗にするのが今から楽しみだ。




── 11日目。

 飲む2時間くらい前に冷蔵庫に移して、まずは冷酒で飲んでみた。立ち香はドゥワっと雄町な感じ──雄町じゃないけどな。少し渋みが増したかな。10日以上も常温で放置してるが、なかなか狙った感じにブチャっと甘くならない。さすがに日本酒度:+11だけあって、喉にカァーっと来る。

 おかわりはお燗で。アルコール感キツめ。奥でドライフルーツ様のやや複雑な甘さもあるにはあるが、全体には酸っぱ苦辛いニュアンス。燗冷ましが飲みやすいかな。もっと甘くなると思ってたんだけど、意外にツンケンしてしまった。老ねはない。まだ3合くらい残ってるので、再び常温放置。




── 15日目。


 ちょい呑み足りなかったので常温でおかわり。

 まるでスピリッツ!

 立ち香は相変わらず〝言われなきゃ雄町〟みたいなドライフルーツなニュアンス。含むと喉より先に舌の上がビリビリと痺れる。GINやズブロッカのような甘辛いタッチも。冷酒/常温/お燗と呑んできたが、実は常温が一番酒のキャラが出るかも。ちょっと洋酒的なフレイヴァーもあり、なかなかに得難い味わいだ。冷酒でこのニュアンス&シュワシュワがあれば間違いなく激推しなんだけどな




── 19日目。

 残りが1合ちょいだったので、昨日のうちに相模灘/純吟雄町を2合ほどブレンドしておいた。もちろん常温保存。

 おいっ、今日が一番ウメえじゃねぇーか!

 凱陣のスパイシーなタッチとサガミンのパウダリー&ミルキーなフレイヴァーが仲良く一升瓶の中で遊んでらあ。ブっちゃけ、サガミンのお燗よりブレンド凱陣の常温の方が遥かに旨い。今日もサガミンを1合ちょい足しちゃったよ (笑) 。一升瓶はいろいろ遊べて楽しいな




── 28日目。

 少し飲み足りなかったから、常温でダラダラ飲む。相模灘/純吟雄町3合弱を悦凱陣1合強に合流させたので、実際には相模灘メインのブレンド酒だけど。

 フリース生地からベルベッド生地への飛翔 ── (笑) 。

 相模灘らしいパウダリー&ミルキーなタッチと、悦凱陣の生熟らしいブチャっとした甘さが奇跡のバランスで融合、結果、舌触りの良い上質なシロップ感が増して、開けたての状態にはなかった素晴らしい甘さがツルんと踊る。

 常温がいいぞ。食後酒としてもイイ感じの甘さだ。ブランデーみたい。これぞまさに大人の家呑み道




── 37日目。


 最後に少しだけ──60mlくらいオカワリ。常温で。

 どんどん丸くなるなあ (笑) 。ブレンド比率的に相模灘の味わいがメインだけど、トゲトゲしさがほとんどなくなって、甘辛いが優しい酒質になってる。米感が増したような気もするけど、イヤな老ね感は全くナシ。

 古酒や1年単位の熟成酒を除いて、ここまでこなれた仕上がりに育ってる酒もなかなかないので、常温放置の生熟は意外に奥が深い。夏場は怖くてできないけど、季節によっちゃ、予期せぬ楽しさが生まれる可能性もある。

 冷酒にすると、どうなるんだろう。やっぱ辛いのかな。まだ2合強あるので、次は冷やして呑んでみるか。ラストのオカワリ酒として、ここまで完璧な酒も、そうはない。


moukan1972♂




📖 参照記事

All About 「ポスト十四代はこの酒だ」を検証 dancyu「日本酒特集」を斬る

悦凱陣 日本酒

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