もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 その吟醸、720mlが840円ナリ。
〜 日本酒の家呑みレポ&本日の1曲、安センベイ評、時々メガネ警察〜

◤五橋 - 生酛 純米大吟醸 馨嘉 生酒 28BY ──dಠಠb「720mlなら☆2を付けていた可能性もあったが、木香は3日目から気にならなくなった」 



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 つい最近呑んだ「六十餘洲 純米吟醸 雄町 生酒 28BY」を買うついでに何となく同梱してみた五橋 (ごきょう) の馨嘉 (けいか) です。

 ちょうどこの頃、イケセイ (池袋西武) に蔵元の若いアンちゃんが試飲イベントに来てたからいろいろ訊いたんだけど、彼は何を質問しても手短かつプラスαのことまで要領よく答えてくれて、そういう意味ではなかなか頭の良い若者ではあった──それ引き換え「月山/智則」の兄ちゃんは学生ノリの抜けない愛嬌のあるアホだったな (笑) 。

 最近は「Ƶシリーズ (Fiveシリーズ) 」がイマドキの日本酒ラヴァーたちに人気みたいだけど、興味ないからFive講座の内容は忘れちゃった (笑) 。


 個人的には去年飲んで☆5を付けた「五橋 - 純米生原酒 黒糀96 27BY」が面白かったけど、今回も少しイレギュラーな商品を買ってしまったので、未だにレギュラーな「五橋」の酒質を理解してないわけだが、軽く試飲した感じだと、割りとスッキリと清楚な酸で味わいに輪郭を持たせるという意味では「米鶴」のレギュラー商品なんかと似たようなニュアンスも探せたかな。ハっとするほど旨いわけじゃないけど、黙って和食屋で出てきても文句は言わないレベルというか。

keika28by3.jpg DE、この「馨嘉」は蔵のアンちゃんが言うには「九州地方限定」で「蔵の副杜氏が自家栽培してる山田錦」を使った「木桶&生酛仕込み」の酒ということみたいね。この他にも「寧嘉 (ねいか) 」という六段仕込みの酒もあるね。

 なんで「九州限定」かと言うと、九州エリアへの卸しを長年面倒みてくれてる仲のいい問屋 (酒屋) が「なんか一緒にオリジナルの酒を造ろう」という話を持ちかけてくれて、それで始めたみたいね。なので、当然イケセイにもこれは持ってきてなかった。協会酵母使用のハイブリッド・タイプと言ってたけど、具体的な使用酵母は教えてくれなかった──オレもそこまでは細かくは訊かなかった──ある酒屋の商品ページには「協会901号」と書いてあるな。もう随分前の話だけど、覚えてるのはこれくらい。なかなかの好青年だったので、写真に収めときゃよかったな (笑) 。

 結論を先に言うと、最初は木香ファイヤーが酷くて飲めたもんじゃありません! どういう化学作用かは知らないけど、普通以上に美味しく飲めるようになったのは3日目から。720mlだったら3日目はなかったので、あやうく☆2☆3を付けるところだった。もしもこの中にこれを買ってまだ開けてない人がいたなら、初日は軽い味見だけにして2〜3日くらい冷蔵庫で放置した方がいいと思うぞ。




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 ▲初日と2日目を飲んで「こりゃダメだ」ということで簡易な写真になった (笑) 。それにしても、まさかあそこから☆4まで巻き返すとは驚きだ。

 ▼あやうくこの文句に噛み付くところだった・・・。
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 bottle size:1800ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆

【386】五橋 -ごきょう- 生酛 純米大吟醸 馨嘉 (けいか) 生酒 28BY <山口>

酒井酒造 株式会社:http://www.gokyo-sake.co.jp


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 ▲最初に呑んだのは水曜。



keika28by5.jpg 立ち香──おっとグレープにミルキー。悪くない。まさにラベルの色と同じ香り。香りのエネルギーは穏やかで清楚なレベル。甘みが伸びたロードには、ほんの微かに木桶仕込みらしいザラつき。これは期待しちゃうなあ。液面を動かします。ウッディーな感じが前に出てきた。この段階だと木香っちゃ木香。どうだろう。イケセイで他の木桶仕込みの酒を試飲した時はそれほど気にならなかったんだが。

 まさに台所のカナリア──。

 ♡☺♡「あのね、木香はガッツリある。あああ、木香は強い。でも、グレープジュース。酸は足りてる。ああ、グレープです! ラベルの色で合ってます! 旨いよ。軽い。でも木香は強いよ。キレるねえ

keika28by6.jpg おや、ちょっとガスあるね。そして「ちょっと」では済まされない木香ファイヤー。まるで「篠峯 田圃ラベル Azur 山田錦55 28BY」の軟水ほんわか甘口ヴァージョンだな。

 こりゃ手の付けようのない木香パレードだな。ここまで出てると、そもそもこの酒がどういう酒なのか知りたいという気持ちがまるでなくなる。タイプとしては「米鶴 生酛 純米 中取り生 仕込み22号 28BY」系のキュート路線なモダン生酛で、飲み口も軽いし、小ぶりでジューシイなキラキラしたフルーティネスも感じれるんだけど、この木香は明らかに邪魔

 ♡☺♡「残念ていうか、それで全てが邪魔されるっていうか。これがなきゃイイ酒だと思う






 風の森 - 純米大吟醸 山田錦45 しぼり華 無濾過生原酒 28BY
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 というわけDE、マサーカの中継ぎ登板です。


 ♡☺♡「ちょっと慣れてきた? 別にまあまあか?みたいな (笑)

 跳ね返りレベルは「馨嘉」と一緒。つまり、風邪の森さんの苦みはノイジーな木香レベル。残りは料理酒に合体させて──また精米歩合が下がった──、それでも残ったモノをグイ飲みに入れて吐き出しスタイルで唎いてるけど、これ重油系 (鉄?) の苦みあるね。「獺祭23」「飛露喜 特純生」「三千櫻 五百万石45」なんかでも感じた、オレが「ガソリン臭」とか「ファクトリー臭 (生産ライン臭) 」と呼んでる、例のあれ。巨峰の皮のような渋みと混同するけど、ややオイリー。ダメだね。これで「山田錦45」とかありえない。これを美味しく飲める人は本当にシアワセ。





── 2日目。

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 ▲「今夜オレはひとり」なのでじっくり飲んで行きましょう。


 ◤今井美樹 - 今日私はひとり
 






keika28by9.jpg 立ち香──やっぱグレープだよねえ。香りはそこそこいんだよねえ。鏡面仕上げの酸に包まれた柔らかで麗しいミルクネス。でも徐々に押し寄せる木香モンスターの陰・・・。

 ダメですね。ああ、やっぱ「篠峯」みたいなマッチョな骨格がないと、この木香がエキスみたいに流れ出る・・・。グレープ様の甘酸に象られた果実感、ここは非常にイイです。生酛由来の乳酸フレイヴァーは洗練された麗しいタッチ。ところが、そんな美酒属性も木香レイプがすべて台無しに。そこまでして「木桶仕込み」にこだわる理由はどこにあるのだろう。

 ワイングラスで──。


keika28by10.jpg ワイングラスはますます悲劇です。こりゃイカん・・・1800mlで買ってしまったけど、一体どうすんだよ!?

 それにてもここの蔵はなにゆえそこまで「木桶仕込み」にこだわるんだ? せっかく造った酒がここまで木香レイプされて、自分たちで唎いて、一体どういうディスカッションしてんだよ。これは「篠峯 Azur」より飲めない。甘みがダレるよ。酸、足りてねえ──というより、酸、役に立ってねえ。ダメだ、飲めない。なんか旨くない麦焼酎や泡盛みたいな渋みと辛み。

 しかし、ここから奇跡の逆転劇が起こるとは、この時点でのオレには想像もできなかった・・・。





── 3日目。

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 ▲仕事ばかりしてないでタマには上戸彩を朝まで抱いてやれ。離婚間近です──たぶん。つうか、上戸彩はノイローゼ寸前。誰かなんとかしてやれ。今アナタが支えてあげないと一生後悔しますよ? ちなみに、前提としての「アートの世界」というものはない。その世界が場合によってアートになり得ることがあるだけ。



 立ち香──今日も香りは問題ナシゴレン。ミルクネス&甘みが豊満になってる気がするけど、面で効く酸が寄り添うので、速醸の「牛乳@お花畑」とは違い、甘酸の輪郭が煌びやか。果実は相変わらずグレープ。

 どうすんだ一升瓶──。

keika28by12.jpg あれ??? なんか飲めるぞ (笑) 。木香は後退して、木香由来の渋みが液面に程良いエッジ感を与えてるというか。甘みが明らかに伸びてきたことも全体のバランスを整えているんだろう。

 これからビール飲みながらホヅミ27歳の記事をリアルタイムで書くので、また後でここに戻ってきます。しかしナニコレ。昨日飲めたモノが次の日には飲めなくなってることはよくあるが、その逆は少ないし、☆2☆3から一気に美味しく飲めるまでの変化はちょっと記憶にない。今は夕食前の軽い試飲レベルなので、また後で。 (※ただ、異なる時空で呑んだmoukan1973♀も♡☺♡「今日は甘くなってて、飲みやすくなってた。2日目より杯が進んだ」と言ってるので、これは偶然ではないのだろう。)






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 それから数時間後──帰宅したmoukan1973♀も合流して。

 ♡☺♡「これ日毎によくなってない? 飲める。飲んじゃう。若干は木香あるけど、なんか丸くなって、いわゆる一般女子好みになった (笑)

 飲める、☆4 (笑) 。エキスフルにジューシイ。軽いな。もしも同じ酒をストックしてる人は、騙されたと思って開栓して味見だけして、2〜3日は冷蔵庫で放置してください。これ、ガンガン空気に触れさせた方がいいぞ。

 まるで「木香」から「香り」が消えて「木」だけが残った感じ──つまり甘みに芯を与える渋みとして機能してる。キュート系モダン生酛らしい軽やかな味幅もあるし、こりゃ普通に旨い。ただ、温度が上がってくると木香ファイヤーが再開するので、基本RSでクビっと飲むべき。

 しかしここまで化ける酒も珍しいな。旨みのサイズ感がちょうどいい。球体感なら「米鶴 生酛」より上じゃないかな。これで最初から木香がなかったら☆5にリーチしてたかも。





── 4日目 (土曜の夕方) 。

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 少し木香あるけど、全然飲める。今日は「甘」よりピーンと張り詰めた「酸」が伸びてきた。このタイプの酸は非常にオレ好み。少し跳ね返りが強いが、なかなかにクリスタルな表情も見せてくれる。実は720mlの穂積の瓶に入れ替えたんだけど、ロクに洗わずに移したから──ここまで旨くなるとも思ってなかったから適当な扱い (笑) ──、もしかしたら「黒澤」の蔵付き酵母が何かをしでかしたのかもしれない──んなわけあるか!──いや、ZEROとは言い切れない。

 全体に味が薄まったことでリキュールような透明な液性 (ヨーグリーナ系の乳酸フレイヴァー) が表情として出てきた。☆4です。最初から木香を除去した状態で呑んでみたかった。そういう意味ではいろいろと惜し過ぎる。でも、これはポテンシャル的には疑いようのない美酒。木香さえなければ「米鶴 山廃 純米大吟醸」に肩を並べる存在になれたかもしれない。


moukan1972♂moukan1973






日本酒 生酛 山廃 五橋

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To アイオライトさん



毎度です。

これ、問題は「木香」だけなんですね。「木桶仕込み」なので仕方ないんですが、28BYの「篠峯」なんかに近いガッツリしたニュアンスです──つまり単なる香りのアクセントではない。

どういう理屈かはわかりませんが、おそらく「生酛」であることと「軟水仕込み」であることが関係してるような気もします。これ、硬水系のストラクチャーが堅牢なタイプな酒だと「纏い」としての「木香」がバランス的になかなか剥がれてくれなかった──相対的に奥に引っ込んでくれなかったんじゃないかと推察されます。

あとは「生酛」らしいスリムな旨みが程よく膨らんでBodyがぽっちゃりしたことで初日より豊満な酒質になり、味や香りより、味覚が旨み成分に引き寄せられたか。いずれにせよ、あやうく捨てそうになるほど初日と2日目は飲めなかったので、1800mlで買ってよかったです (笑) 。

DE、昨日も少し飲みましたが、残りも僅かなので「木香ウォーター」になってましたね (笑) 。「長陽福娘」と一緒に飲んだこともあり、この酒のストラクチャーがハッキリ分かりましたが、すごくスリムで可憐です。水の柔らかさ、透明感は美しいので、ガスも少しありますし、これで木香がなければ相当にイイ線いってたと思いますね。

「モダン山廃」はイイ意味でパン生地を伸ばして面にするようなペタコン感がありますが、最近だと「米鶴 生酛」しかり、「モダン生酛」の立体構造は「山廃」よりも幾分「ふくよか」だとは思います。

「山廃」同様、プレス感もあり、旨みが潰れてる感じはありますが、パン生地で言えば、広がった旨み (生地) を丸めて団子に戻す感じですかね。ただし、とても小さな──イースト菌で膨らむ前のサイズ感ですね。「黒澤」のイイやつもこの立体構造ありますが、この軽さは僕が追い求めてるモノですね。

2017.06.19 Mon 13:14
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Name - アイオライト  

Title - 

毎度です。
1日目はダメでも2日目以降プラスの方向に化けるというのは、いわゆる薫酒では確かに少ないですが、骨太な純米系醇酒ではよくあります。
この化ける酒とそうでない酒の差ってなんなんでしょうね。かろうじて経験と勘でなんとなくはわかるんですが、理屈が謎のため結局正解率は7割くらいなんですよね。なので、とりあえず不味い酒に当たった場合でも一週間くらいは放置してみるようにしてます。
2017.06.19 Mon 12:18
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