もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 ようやく今夜私はひとり。
〜 日本酒の家呑みレポ&本日の1曲、安センベイ評、時々メガネ警察〜

◤風の森 - 純米大吟醸 山田錦45 しぼり華 無濾過生原酒 28BY ── d++b「とにかく平凡、元気がない、病気、つまり風邪の森さん、この蔵はもう黄昏間近」#Fresh, Fruity, Women 




 ちょっと久々?──いや、少し違う。久しく本当に旨い風の森を呑んでないだけ。去年の12月に「純米 露葉風70 笊籬採り 28BY」を呑んだ時、クワナリの違和感があった。それを当時のオレはこう書いていた。



 この銘柄こそ官能を刺激するレベルでの旨さを体現しなくては嘘だろう。この程度の出来栄えでもそれなりに「風の森っぽさ」が表現されているところにオレは危険な兆候を感じざるを得ない──つまり、創作に付きものの「自己模倣」に陥る危険性をここで指摘しておきたい。「風の森」が「風の森」の真似をし始めると、凋落のスタートラインに立つことになる。今後、厳しく注視していきます。




kazenomori_yamada45_28by3.jpg というわけDE、結論から先に言うと、今回の「山田錦45」も上記と全く同じ印象。もうここの蔵は飲み手を圧倒的な感動に引きずり込むことは不可能なんじゃないかね。13代目の山本嘉彦氏は真面目で頭の良さそうな若者 (35歳) だけど、いくらなんでも「利き酒と理論的な考察さえできれば誰でも酒が造れますよー」 (出典) はリップサービスに過ぎるだろう。

 実際、その肝心の利き酒がマトモにできてないから自己模倣品を平気で造ってオレの口まで届けてるわけだ──そうでないなら「仙禽」の薄井と同様、自分の生み出した「真の傑作」の意味をまるで理解してないことになる。それでもオレはキミを責めたりはしない。アナタは「造りのプロ」であって「飲みのプロ」ではない。だからこんな退屈な酒を造って盛大に出荷してる。

 たとえば米の出来など、自慢の「理論的な考察」とやらでは解決できない問題もあるだろうし、これまでが単なる素晴らしいスーパーラッキーの連続に見舞われていただけなのかもしれない。いずれにせよ、こんな酒を造ってるようじゃ、少なくともオレが「風の森」に対して、かつてのように☆6を付けることは二度とないだろう。まだ「サヨナラ」は言わないが、ぼちぼち卒業式の日取りを決めておくとしよう。




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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆

【384】風の森 -かぜのもり- 純米大吟醸 山田錦45 しぼり華 無濾過生原酒 28BY <奈良>

油長酒造 株式会社:http://www.yucho-sake.jp


Moukan's tag:




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 ▲平日から毎晩moukan1973♀がいると調子狂うな (笑) 。



kazenomori_yamada45_28by5.jpg 立ち香──弱々しいラムネ。なんかうっすいな。飲まなくてもわかる、この薄さの先読み。これじゃ「風の森」じゃなくて「風邪の森さん」だよ。グラスに注いでも液性にポヨみがない。まず、あの溌剌としたキューンと伸びてくる高密度の酸がない。そしてその緊張を解きほぐすように膨らんでくる芳しいクリーミイなバニラ、これもない。7号酵母らしいテカりのある青々しいセメダインの草原に花咲く高貴なフローラルさ、これもない。いくら犬並みの嗅覚の持ち主であるオレを以てしても、この段階でこの酒が「風の森」であることは、オレ自身がデカめの風邪を引いて正常な判断を失ったゆえの破れかぶれのラッキーパンチをクリーンヒットさせない限り、まず当てらてない。

 ♡☺♡「らしさはないけど、そこそこジューシイ? ちょっとアンバサ (乳酸感) ある。お花畑はないけど乳 (ニュウ) はある。ガスはほとんど感じない。まあまあか? ほどよい甘み。最近の中では甘い方

 別に飲めなくはないけど、ただの凡人酒になっちゃったね。徐々にフローラルなチェリーっぽい甘酸っぱい香りも顔を出してきた。引っかかりもなくスイスイ飲めるし、それなりにオサレでモダンなんだけど、とにかく「元気がない」という一言に尽きる──やはり「風邪の森さん」っていう。ガスも「風の森」史上最弱に弱々しいしね。全く魅せられない。味が薄いとは思わないけど、とにかくペラい。酸も足りてないし、あの力強い──五味の全てがコアに向かってビッグ・クランチするような力強い凝縮感と濃醇な果実味は一体どこへ。


kazenomori_yamada45_28by6.jpg ♡☺♡「今のところフツーに飲めちゃう感じ。キュートだね。しかしかつてのインパクトはどこに行っちゃったのかね。日本酒初心者の人が飲んだら『なにこれ日本酒っぽくなあーい』と言って喜んで飲むよ。でも、日本酒中級者には物足りない。ただのカジュアル酒。ちなみにこれいくら? 2,500円!? ないないっ! それないわー! 聞かなきゃよかった・・・。高い。1,380円で十分だよ」──やたら細かいその数字は一体ナニ???

 酒としては☆4だけど、正直「風の森」としては☆3.5。もはや「自己模倣」にすらなってない。この銘柄は確実に斜陽で黄昏だと思います

 そうそう、呑んだ瞬間から頭の片隅で何かが引っ掛かってたんだけど、想ひ出した。これ、酒のテンションとしては「新政 No.6 S-Type Essence 27BY」から「気概」と「生意気」を抜いて「愛嬌」をプラスした感じだね。しかしまあ、よくもこんな退屈な酒を造れたもんだ。子供と素人女を騙して何が楽しいんだ? まあ、社員仲良く和気藹々と「酒造りごっこ」でもしてなさい。





── 残りの「酉与右衛門ブレンド亀ノ尾」を一杯だけ。

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 ♡☺♡「あきらかにこっちのが上。さっきのはオコチャマ酒だよ

 辛口で淡麗だけど酒の密度が高い。ま、食中酒という属性に付加価値がある点は否定しないけど、やっぱバシっとした収まりの良さを口の中で感じるんだよな。この流れで「風邪の森くん」を少しオカワリしてるけど、まさかの「酉与右衛門」相手に「水」って、どんだけペラいんだよ (笑) 。



 大人様おつまみプレート
(水菜、豚ロースの冷しゃぶ、豚耳、絹豆腐、セブンの半熟煮たまご、秘伝のドレッシング)
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 ▲ミニトマトがあれば色彩的に尚良し。後半の味変はGABANカレーパウダーをお好みで。





── 2日目の夕食前に軽く一人で確認。





 ダメなのね、もう・・・。

 ここへ来て無駄に超硬水らしいスパルタでギスギスした液性が暴発。香りは麗しいが、含むと細くて苦い。1時間後にちゃんと飲むけど、☆3.5が維持されるかどうかも怪しい。日本酒素人の女の子が何人か集まるホームパーティーに持参して乾杯で一気に空けちゃって下さい





── 2日目の夜。

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 ▲最初に出てきた時からゲイ疑惑 (東出LOVE) あったが、なんのヒネリもなく、あっさりカミングアウト。しかもそれをリョウちゃん (東出くん) が壁の向こうで聞いてるという──さらに家の鍵を落としてそこにいることが相手にバレるという、まるで子供が絵に描く太陽よりも類型化されたテンプレ展開 (笑) 。



kazenomori_yamada45_28by10.jpg 立ち香──甘やかなマスカット牛乳。たしかに「お花畑」はないので別にイヤな感じはしない。ただし7号酵母の力強さが全くないからバニラとセメダインの拮抗感──そこから溢れ出す爽快なフルーティネスの爆発がない。なんとなーく清楚で新政ライクにオサレというその様は嗅いでいて激しくゲンナリする。目が覚めるどころか眠くなるリラックスなアロマ。こんなものをオレは「風の森」に求めてない。

 なぜか今日も横にいる花の伐採人moukan1973♀──。

 ♡☺♡「昨日よりキュートさがなくなって苦い水になってきた。はっきり言ってもう飲みたくない

 ま、オレは夕食前に軽く味見してるから別に驚きもしないけど、それを踏まえて「揚げぎんなん」に合わせに行くと、最後の苦みが少し後退することが判明 (笑) 。さっそくmoukan1973♀に教えてやったが、天下の「風の森」の、しかも「しぼり華シリーズ」で一番高い「山田錦45」を「揚げぎんなん」の助けを得てなんとかして捨てずに飲もうとしている今の、なんと虚しい時間だろう。


kazenomori_yamada45_28by11.jpg とにかく元気がない──そして跳ね返って来る、この手の酒によくある、あの「甘苦さ」がカツーンと鼻腔を通じて目頭の奥まで飛んで行ってノイジーに弾ける。最近だと「やまとしずく 純米大吟醸 雫取り 生原酒 28BY」なんかと共通──というより、こうした「甘苦い跳ね返り」は他でもよくあるパターンの、なんつうかステレンスみたいな硬さのある苦み。苦みに光沢感があるというか。当たると痛そうな苦みの板。とにかく旨くない。

 ♡☺♡「日本酒サークルだよ」──これはオレよりも痛烈な一撃 (笑) 。

 かつてどこかの酒屋の生意気な店主が「風の森の初日は映画で言うと序章、二日目からが本編」などと得意気に能書きを垂れていたが、今や「いつまでも終わらない予告編」ばかりが続き、そればかりか「序章」すらも始まらずに、気がつくと気抜けした、香りだけ一丁前にモダンな、酒そのものは細くて苦いだけの、どうにも平凡で退屈な、単に酔えるだけの液体がここにあるという感じ。値段 (税込2,700円) を考えれば☆3ですね。

 つうか、得意の「唎き酒」と「理論的な考察」でなんとかしろよ、山本。相談には乗れないけど、本当のことならいつでも書いてやるから。


moukan1972♂moukan1973






日本酒 風の森

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To おみずさん



毎度です。

27BYシーズンから取り扱い店が急に増えましたよね。たぶん生産量がグンと上がったんでしょうけど、鍋島もそうですが、設備投資して社員を増やして生産量を増やして品質が落ちるのはよくある話ではあります。「酒旅」という番組を観ていて驚いたのは入社2年目の若いネエちゃんが麹担当ということで、「マジかよ!?」と思いましたね (笑) 。

http://blog-imgs-100.fc2.com/m/o/u/moukan1972/kazenomori_tsuyubakaze_ikakitori28by7.jpg


その一人 (杜氏) が倒れたら酒造りが立ち行かなくなることを懸念して一人一人にすべての工程を持ち回りで体験させて、誰もが誰に対しても代わりができる職場環境を社長として整えておくことは合理的ではありますが、そもそも「酒造り」そのものが合理的にいかない部分が多いわけで、だからこうなるんですよ。もちろん、米の出来などのBY問題も大きいとは思いますが、こうまで萎んだ酒になってしまったことを本人たちは一体どう思ってるんですかね。せめて酒屋がちゃんと言ってあげないといけない。長い目で見れば、そんな優しさは誰の得にもならないですよ。


──僕も一昨年はかなり飲んでましたが去年の半ばぐらいから美味しさに感動しなくなったので全然飲んでません。

かつては開栓時にキャップが天井に直撃することもありましたからね。ガスが強けりゃいいとは思いませんが、少なくとも酒は元気でした。こうなると、去年飲んだ「愛山80」のギャグみたいな酸っぱささえも懐かしく愛らしく感じますね (笑) 。

以前の「風の森」のハズレ (イマイチ) な酒って、シャープ過ぎる (酒が硬くて甘みが伸びて来ない) ことにあったんですが、今やフニャフニャでペラいことですからね。だったらドライでシャープな方が全然マシです。


──今年も純米の雄町、露葉風を買ったんですが職場の人にあげました・・・かなり好評でしたが(笑)

ま、日本酒マニアですら本質が見えてない人多いですから、今回の「山田錦45」も、少なくとも乾杯酒としてはそこそこ楽しいんじゃないですかね。もちろん、普段日本酒を飲まない人、本当に美味しい「風の森」を知らない人には大好評でしょうね。むしろ小生意気なエッジ感や凄まじい凝縮感が全くないので、素人の舌には優しいでしょうね。

2017.06.16 Fri 13:22
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Name - おみず  

Title - 

風の森も機械化とか進んで数値管理になってるんですかねぇ。
数値で管理していくと出来不出来は関係なくなっちゃうし数字をいじる以外に酒質や味の向上ってどう考えてるのかな?っては思いますね。
特に仕込みやら酵母とかは完全に確立したテンプレートに則って醸してる感じがしますし。
機械設備や技術の更新だけなんでしょうか、杜氏の考え方にちょっと興味はあります(笑)

あと方々でプッシュされてる加茂錦も獺祭の数値コピーからスタートしたって某酒屋に載ってましたし。
でもそれだけだと「ああ、美味いね。で?」って感じになってきてます・・・
みんな次世代の大衆酒を目指してるんですかね~。

僕も一昨年はかなり飲んでましたが去年の半ばぐらいから美味しさに感動しなくなったので全然飲んでません。
今年も純米の雄町、露葉風を買ったんですが職場の人にあげました・・・かなり好評でしたが(笑)
2017.06.16 Fri 12:02
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Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん



毎度です。


──モーカンさん、ダメ出し酒 最近多いですよね

そうでもないですよ。今月はすでに3本も☆4.5が出てますよ。僕のディスり芸に磨きが掛かってるから評価の低い記事の印象が深く刻まれてるだけだと思いますよ (笑) 。


──でも、彼らを擁護する訳じゃないですが、色々な良い酒飲むと以前美味かったと思った酒が大したことなかった と感じる事もあるので、 地酒飲みのBMが上がってるのかも知れません。

なに言ってるんですか。まるで逆ですね。「以前は無理やり美味しいと思い込もうとしてイクラを探していた酒」に対して容赦がなくなってるだけですよ。なので「以前美味かったと思った酒が大したことなかった」ではなく、もともと大して美味くなかった酒がどういう風に美味しくないのかが明確に理解できるようになったということです。


──実際ある年だけ、あるいはあるロットだけ凄いのが出来たけどのを偶然飲んだら、次のモノが質落ちたと感じるのかも?

その通りでしょうね。でも、それを一般には「質が落ちた」と言うんですよ。だって、みんな「質を上げるため (旨い酒を造るため) 」に努力してるわけでしょう。結果、旨い酒ができる。それが米の出来など偶発的な要因が絡んだとしていても、旨い酒ができてしまったら、もうそこからは下がれないんですよ。それを暑苦しい言葉では「覚悟」と呼ぶんですよ。


──去年4号瓶12本買った 鍋島の特純生原酒 ほぼ一年セラーに放置してありますが、先日開けてみたら余り味変ってないです。唯自分が日本酒に飽きてるので最初の時程旨いとは思いませんが、自分の好みの変化も大きいと最近感じてます。

違いますね。もともとその程度の酒なんですよ。本当に旨い酒はいつ飲んでも旨いですよ。それが「作品としての強度」ですよ。こう言っちゃなんですが、鍋島の特純程度じゃ「永遠」は語れませんよ (笑) 。それにサンジュリアンさん、当時からその酒のカジュアルさ、ワイン飲みにとっての分かりやすさを評価してましたので、別に最初から旨さの極みとして接してたわけじゃないですよ。

ちょうど今頃──27BYの篠峯についての「疑惑」が徐々に「確信」へと変わり始めた頃、25BYや26BYの想ひ出が、それこそ「以前美味かったと思った酒が大したことなかった」のかを確認する意味で「ろくまる山田錦 26BY」「ろくまる八反 26BY」「ろくまる雄町 26BY」「純大 愛山45生 26BY」「純大 雄町50生 26BY」などを再飲しましたが、これまた逆ですね、当時よりも遥かに美味しく感じましたよ。むしろ当時はその凄さをちゃんと分かっていなかったとすら言えるでしょうね。

今は大したことない酒の化けの皮を剥がしてる段階で、一方「米鶴」や「黒澤」など、今の地点から素晴らしいと思える酒もちゃんと紹介してます。サンジュリアンさんは単に素人受けのいい速醸酒をつまみ食いしただけなので、モダン山廃や生酛の本当の美味しさを知らずに日本酒を卒業したのは痛恨でしたね。あと2〜3ヶ月ほど僕に付き合ってくれれば、確実にイイ夢を見させてあげられましたよ。

それでも幾つかの素晴らしい日本酒を紹介できたことは僕も一応誇りには感じてますよ。篠峯とか篠峯とか篠峯とか (笑) 。

というわけDE、今、目の前に26BYの「風の森 純米吟醸 雄町 笊籬採り」が出てきても、僕は確実に☆5以上は付けますし、今でもハッキリとその味を舌に思い出すことができますね。ただこれ、言われてるほど2日目が旨いわけじゃないです。初日の開けた瞬間の一杯目が一番旨いです。

2017.06.15 Thu 15:26
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Name - サンジュリアン  

Title - モーカンさん、ダメ出し酒 最近多いですよね

毎度です。

あの獺祭の社長が、毎年同じレベルの酒作ってると質が落ちたと言われるので日々向上してるんだ と言ってるんですが、本当に同じレベル以上なのか? と横槍入れたくなりましたよ。
一流のワイン生産者はワインは一期一会だとハッキリ言ってますもの‼️
チョイ人気になった地酒屋 もう一回フランス行って勉強して来い と思います。
でも、彼らを擁護する訳じゃないですが、色々な良い酒飲むと以前美味かったと思った酒が大したことなかった と感じる事もあるので、
地酒飲みのBMが上がってるのかも知れません。
実際ある年だけ、あるいはあるロットだけ凄いのが出来たけどのを偶然飲んだら、次のモノが質落ちたと感じるのかも?
去年4号瓶12本買った 鍋島の特純生原酒 ほぼ一年セラーに放置してありますが、先日開けてみたら余り味変ってないです。唯自分が日本酒に飽きてるので最初の時程旨いとは思いませんが、自分の好みの変化も大きいと最近感じてます。
ワインにヴィンテージが有って品質が上下する様に、H27、28年の米不作だったんでしょうか?

2017.06.15 Thu 14:25
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