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◤水府自慢 - 純米大吟醸 無濾過原酒 28BY ── dಠಠb「『美味しんぼ』のラーメン屋のエピソード『中華そばの命』(アニメ24話) を思い出した」
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最近なにかと話題の水府自慢 (すいふじまん) です。何人かの読者さんからメールやらコメントやらでタレコミを頂いてまして──ありがとうございます!──、要するに「残草蓬莱/昇龍蓬莱」を醸す大矢孝酒造で27BYまで杜氏を務めていた菊池譲氏が、明利系酵母 (協会10号酵母) 発祥の蔵として知られる明利酒類に移籍したことがマニアの間で話題になってる模様。
オレ、Twitterや2ちゃんとか全く見ないから──最近じゃ日本酒ブログそのものもほとんど読まないから (読んでる暇がない) ──読者さんからのこの手のタレコミは非常に助かります。移籍の詳しい経緯などは知らないけれど、マチダヤの兄ちゃんも「これ凄く売れてますよ、入っても入っても売り切れます」と言ってたし、そこでオレがつくづく思ったのは、
dಠಠb「残草蓬莱って、そんなに人気あったのね」──
ということでした (笑) 。
使用米は五百万石の磨き50、使用酵母はもちろん10号。「新政」の「NO.6」的なブランディングだろうか、ダイヤのように煌めく六角形のシールの真ん中には威厳に満ちた「10号」の証。火入れの原酒でALC.14度。ガスもそこそこ残ってるらしい。マチダヤの店長が言うには「生も飲んだけど火入れの方が良かったから、うちでは火入れしか取ってない」とのこと──「生」は確か他のスペックだと思ったけど、まあいいっか。
正直、個人的に「黒澤 - 生酛 純米 直汲み生原酒 Type 7」が「昇龍蓬莱」越えを果たしてしまった今、それほど興味もないのだけれど、ミーハー根性丸出し、許せ。
bottle size:720ml
SAKE GRADE:☆☆☆½
【337】水府自慢 -すいふじまん- 純米大吟醸 無濾過原酒 28BY <茨城>
明利酒類 株式会社:https://www.meirishurui.com
Moukan's tag:
立ち香──瑞々しいブドウ様。あんま明利系的な派手さはないかな──たとえばパイナップルみたいな蜜っぽいシロップ感とか。少し柔和なルックのエステル (セメイダイン) の輝きもキラーン。でも、そこまでツンと香るわけでもない。このへんのエレメントのコンビネーションによって、青リンゴっぽさも感じるけど、たとえば「Queeen 28BY」なんかに比べると、麹由来の酸も伸びてくるから、どちらかと言えば「リンゴ酢」の「リンゴ」というか (笑) 。人によっては「薬品臭さ」を感じるケースもあるだろうね。
金曜ナイトのオトナは何を呑んでも旨いわけだが──。
♡☺♡「うまい。いいですねえ。トロピカル。ガスはちょっとある。程よいフルーティネス──これはまさに・・・・クイクイ系です!」──自分が発明した言葉だと勘違いしている──そうだよね?
ホントかあ? 金曜の妻たちよ──。
うーん、微妙 (笑) 。割りとドライ。この温度だと、甘さ控えめのサイダー。ガスはそこそこ。ただ、この間のQueeenよりはQueeen。
実は酸味はそれほど全面には出てなくて、フワっと軽甘なテカリのコアに鼈甲カラーの米の旨みがあって、これこそが27BYのQueeenに共通のBodyメイク。この飴っぽいポヨみ (弾力感のある液性) は悪くないけど、結構ワシャワシャとミネラリーで、収斂先は「点の酸」というよりは「面の苦み」という砂地がその終着駅となる──つまり、果実的な実体感に乏しく、ありていに言えば「酒っぽい着地」というか──「やいモウカン、酒なんだから当たり前だろ!」──そりゃそうだ、まあ怒るなって (笑) 。端的に言えばこういうことだ。
「Queeen 27BY」の想い出には浸れるが、その代わりにはならない──。
もちろん「自分にとってはQueeenの代わりになる!」と言う人がいたのなら、オレから言える言葉はただ一つ──「よかったね♡」っていう。
まあ、クイクイ呑めるけど、そこまでのアガりもないというか。改めて思うのは、やはりこの酒質には7号系のエナメル質の輝きが必要だということ。目の覚めるようなビビッド感が足りなくて、それでも杜氏の技術とセンスで一定ラインのクオリティは確保してるんだけど、なんか官能に訴えてこないというか──別に「而今牛乳」よりは呑めるけど、また買いたいとは思わないというか。
妻「ねえ、あなた、仲直りして!」
なんか『美味しんぼ』のラーメン屋のエピソード「中華そばの命」(アニメ24話) みたい。双子の兄弟でやってたラーメン屋が人気店になったんだけど、ある事 (どっちの手柄だ的な言い争い) から仲違いして店を別々に出すことになったら、両方とも人気が落ちたと。理由は兄が「麺作りの達人」で、弟が「麺上げ (調理) の達人」で、二人揃わないと「美味しいラーメン」が作れないから、そこをお互いに自覚して出直すという話。なんかそれを思い出したよ。つまり、「Queeen 28BY」にあるソリッドでエッジの効いた薄っぺらいモダニズムに「水府自慢」の鼈甲カラーの米の旨みとポヨみのある液性が加わって初めて一人前の酒になるというか。その意味で「水府自慢」は「Queeen 28BY」に魂を注入する存在であるとは言えるが、これだけでは何かが足りない。
♡☺♡「大絶賛ではないでしょ? 言うなら佳作。でもわたしは結構好き。金曜だから何呑んでも旨いんだけど (笑) 。温度が上がると甘ったる感が出てきた。ドライ感のある冷たい方がいいかな」──だからオレは一口呑んだだけで「微妙」と言ったダローガ (笑) 。
ひとまずは☆3.5を付けるけど、ここから良くなる気配はどこにもない。でも、好きな人も別にいる酒だとは思う。オレはもういいや。
▼実は金曜は2本開けたので、最後に「水府自慢」に戻ってみた。
娘を夫婦で2合ほど飲んでから「水府自慢」に戻ると、まあ雑な酒 (笑) 。むしろチョコっぽい熟味すらすでに出始めてる。ダメだな。劣化のスピードが尋常じゃない。この段階では焦げ茶な酸味だよ。まだ1年目だし、これは「試験醸造」という扱いで接するのが吉だと思います。あと1合ほど残ってるけど、2日目は飲めるレベルにないかもしれない。
── 2日目。
立ち香──本日はクワナリ「お酢」です。別に酢は嫌いじゃないけど、もはやエステリーな輝きはないし、瑞々しいフルーティネスもない。むしろ酔っ払いオヤジの体臭のような酸 (笑) 。
さて!!!
甘みにネリネリ感が出てきた。フルーツ換算だと、少し渋茶けたリンゴや苦みの出はじめた巨峰。味曲線はブチャっとルーズで、跳ね返りは喉チンコHOT系、余韻はプルーンみたいな渋み。キレも別に良くない。そしてこれが一番肝心な事だが、何より旨くない。
初日で飲みきって下さい。開栓後はぐんぐん味が開いて、相当に老化の早い酒です。「劣化」じゃなくて「老化」──つまり「歴史的な後退」が早い。今は20年くらい前の田舎の地酒みたいになってます。常温で1ヶ月も放置すれば江戸時代の酒になって、3ヶ月も過ぎれば奈良時代の酒になってるかも (笑) 。
うん、一夜で老婆になっちゃったよ。今日のこの感じなら☆3ですが、初日に免じて☆3.5にしておきます。「Queeen 28BY」と両方持ってる人はブレンドしてみれば?
温度が上がってくると蜜っぽい甘みも伸びてくるけど、「若い娘の人懐こさ」ではなくて、まるで「おばちゃんのお節介」みたいなので、決して可愛くはない (笑) 。熟女&老女好きなアナタは2日目の方は旨いと言うでしょうが、オレはそこまでマニアックではないのでアシカラーズ。
moukan1972♂&moukan1973♀
花見が中止のmoukan1973♀は友人宅で飲み会。
ちなみに「米鶴」は大人5人で1800mlが余裕で空いたって。いつもはワインにスイッチする友人の旦那もコレを飲みつづけたらしい。
一同「旨い。こりゃヤバイな」──。
ま、そうなるわな。
Name - moukan1972♂
Title - To しんしんさん
毎度です。
食らいついて来る人にはこちらも正面から当たっていきますので、どんどん当たりに来て下さい (笑) 。
日高見は「天竺シリーズ」の生酒あたり、今季はどれか呑んでみようと思ってます。愛山か山田錦かで迷うところですね。
また気軽にどうぞ〜。